前回ご紹介したように、管理職ではない一般労働者の場合、労働時間は給料に大きく影響します。
今回はなかでも、実質的に手元にわたる実賃金に関わりの深い、「残業」や「夜勤」の実態をご紹介します。
異業種から転職してくる場合、介護業界での「残業」・「夜勤」と言われてもピンとこないと思います。いったいどのような実態があるのでしょう?
まず、介護の職種ごとに1週間の残業時間を調査した結果をご紹介します。
正職員に対し、職種ごとに残業時間を聞いてみたところ、次のようなグラフになりました。
1週間の残業時間(正規職員)
*(公財)介護労働安定センター 平成26年度介護労働実態調査「介護労働の現状について」(クリックで拡大)
棒グラフの上になればなるほど、残業時間が多いことを示しています。
赤い部分が「残業なし」の割合。基本的に、どの職種もほぼ半数は1週間の中で1時間も残業が発生していないことが分かります。5時間未満(緑の部分)におさまっている人も2〜3割。10時間以上という回答が5~7%いますが、全体の中では極めて少数。
どの職種も残業は少ない傾向です。その中で、最も残業が多いのは、真ん中のサービス提供責任者です。
それでは、非正規職員の残業時間はどうなっているのでしょうか。
1週間の残業時間(非正規職員)
*(公財)介護労働安定センター 平成26年度介護労働実態調査「介護労働の現状について」(クリックで拡大)
非正規職員の場合は、残業なし(赤い部分)の回答がさらに多く、訪問介護員では75.2%にもなります。ところが、サービス提供責任者だけは残業なしは45.7%。残業をしていない人の割合は正規職員の場合とほとんど変わりません。仕事内容によっては残業時間も大きく異なることが分かります。
家庭を優先して仕事は時間どおりに切り上げたい人は、残業があるかどうかをしっかり確認しておいた方がいいでしょう。
それでは、介護の仕事につきものの「夜勤」の方はどうなっているのでしょうか。
施設の形態ごとに、労働者の夜勤の有無を調査したグラフがこちらです。
深夜勤務の有無
*(公財)介護労働安定センター 平成26年度介護労働実態調査「介護労働の現状について」(クリックで拡大)
「訪問系」とは、訪問介護・訪問入浴・訪問リハビリ・居宅介護支援事業所など。「施設系(入所型)」とは、特養・老健・グループホーム・有料老人ホームなど。「施設名(通所型)」とは、デイサービス・デイケア・小規模多機能などです。
全体平均では夜勤があると回答した人(青い部分)は4分の1程度にとどまりますが、グラフからは事業所の形態によって、かなり差があることが分かります。利用者の自宅に伺う訪問系や、デイサービスなどの通所型では、ほとんど夜勤がありません。一方、特養などの入所系の場合は、7割近くが深夜勤務をしていることが分かります。
夜勤を避けたい方は、訪問介護やデイサービスなどを選ぶといいでしょう。逆に、手当のつく夜勤でしっかり稼ぎたい場合には入所系を重点的に検討することをおすすめします。また、体力などに自信のある方には「夜勤専従・夜勤専門」という働き方もあります。
介護職では、夜勤のほかにも、パート勤務や、登録ヘルパーなど、短時間から働くことが可能。自分のライフスタイルに合わせて、働きかたを柔軟に選べるのも、介護の仕事の魅力のひとつですね。
この連載も最終回が近付いてきました。
次回は、介護の現場で働く先輩たちが、なぜ今の職場を選んだのか、そして、介護の仕事を選んだのはなぜか、その理由をご紹介します。
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