介護のニュースがちまたにあふれ、認知症の特集がテレビをにぎわし、月9ドラマの主人公に介護職。「介護の仕事」は、今、社会でがぜん注目が集まっています。
高齢化社会の日本で、いま、間違いなく必要とされ、需要も急増している仕事です。
この需要の高まりにともない、たくさんの人に介護業界で働いてもらえるよう、給与を上げよう、待遇を今より良くしよう、という試みも進んでいます。
では、「なぜそんなに注目が集まっているの?」「どれだけ将来性があるの?」「業界の平均給与はいくらなの?」
具体的な数字や展望については、すでに介護業界で働いている人でも、意外に知らないかもしれません。
この特集では、現在介護の仕事をしている人はもちろん、異業種から介護業界へ転職を考えている人にも知っておいてほしい「介護業界の現状と今後」について、連載でお伝えしていきます。
介護は、もともと、生きがいや働きがいをもって働ける魅力的な仕事です。そして、注目が集まり需要が高まっているということは、そこには、さらなる大きなチャンスがあるはず!
この連載で詳しく介護業界を知ることで、介護の仕事を新たな気持ちで見つめ直してみましょう。また、これから介護業界に飛び込もうと考えている人には、介護業界のいまを理解した上で、ぜひチャレンジしてもらえればと思います。
「高齢化社会」は、120万人にチャンスも与えてきた!
日本の少子高齢化が進むにつれ、最近ますます「介護」という言葉が、注目されるようになってきています。誰もが、いまの日本にとって重要なキーワードであることは否定しないでしょう。
「介護」は、とても身近なこと。2000年に始まった「介護保険制度」によって、要介護認定を受けている・いないに関わらず、すべての人が40歳から介護保険料を徴収されています。ご存知のように、これは介護が必要な方が、介護サービスを受けるための保険料です。
高齢者「問題」と聞くことが多いように、高齢者が多くなることは大変なことだ、問題だ、と言われがち。実際、高齢化とともに少子化が進んでいるため、国の財政面で見ると、問題があります。
しかし一方で、50年前に比べ、イキイキと活動的に過ごすアクティブシニアが増えたり、老後を安心して暮らせる環境も作られてきています。
また、「介護の仕事」という視点で見ると、介護保険制度がはじまってから15年間で介護の仕事をする人は、なんと!120万人も増えました。
これはとらえ方によっては、120万人の方が必要とされ、働く場所、チャンスをつかんできたとも言えます。
介護職員数の推移と見通し
* 厚生労働省「平成24年介護サービス施設・事業所調査」
いま介護が必要な人が、どれくらい いるか知っていますか?
これだけ介護の仕事をする人が増えているのは、もちろん介護を必要とする人が増えてきたからです。以下の図で、具体的な数字を見てみましょう。
高齢者のなかでも介護が必要とされる「要介護者」の人数は、2000年に218万人だったのが2013年には564万人に増加。約350万人も増えています。
要介護者が約560万人…どのくらいの規模か想像がつかないかもしれませんね。564万人というと、海外なら、デンマーク、スロバキア、シンガポールなどの人口に相当します。日本なら北海道の全人口に相当。
こんな規模で、介護を必要とする高齢者が2013年時点で既にいる、そして、これからも増えていくのです。
「要介護者」と「介護職員数」の推移(介護保険制度施行以降)
*厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(介護職員数)、「介護保険事業状況調査」(要介護(要支援)認定者数)
9年後には、250万人の人が、働きがいのある仕事をする!
介護業界以外に目を向けると、この15年の間に働く人が急速に増えた職業と言えば「IT系のエンジニア」があります。それはITが世の中で必要とされてきたから。
介護も同様に、世の中に必要とされ急速に働く人が増えており、かつ、これからも増えていきます。
そして、実は、介護業界にとってこれからの数年はさらに重要になってきます。厚生労働省の推計によると2025年までに、さらに70万人、介護の仕事をする人が必要とされています。
70万人…また都道府県を例に出すと、島根県や鳥取県の人口と同等。国で言うならブータンと同等です。
島根県の県民全員、ブータンの国民全員が介護職になる!? 70万人介護職を増やすというのは、それくらいの規模の話なのです。
私たちが周りを見渡せば、すでに介護サービスを受けている人はたくさんいます。介護される側やその家族にとっては、介護は毎日の生活をするために欠かせないサービス。
面と向かって心からの「ありがとう」を言ってもらえる仕事であり、介護サービスがなければ毎日暮らすことすら困ってしまう人をサポートできる。
こんな仕事、他にはなかなかありませんよね。
人は誰でも平等に年をとります。今、介護の仕事に関わらなかったとしても、いずれ家族の介護に直面することになり、自分自身も介護が必要になるときがきます。
だからこそ、介護の業界に何が起こっているのか、なぜいま介護職なのか、もう少し知っておきましょう。
次回は「高齢化社会」の中身を、もう少し詳しく知る第2回目。
「高齢者ってだれのこと? どれくらいいるの?」というテーマで掘り下げます。
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