いま注目される「介護業界」。なぜ、今そんなにスポットライトがあたっているのか…? その理由を具体的に説明するには、まず日本の超高齢化の現状をしっかり把握する必要があります。なんとなくは知っているし体感もしているけれど、実際どれくらいのスピードで進行しているのか、はよくわからない…そんな人も多いはず。
今後の驚くべき数字を知ることで、介護業界の可能性をより、強く感じられるはずです!
現在は4人に1人、2025年には3人に1人が「高齢者」
一口に「高齢者」と言っても定義はさまざまですが、WHO(世界保健機関)や日本の医療制度では、「65歳以上の人」を高齢者と定義しています。
厚生労働省のデータによると、現在すでに、国民の4人に1人が高齢者。そして、2025年には、高齢者が占める割合(高齢化率)は3人に1人にまで増えると言われています。
65歳以上の人口の割合
*厚生労働省「今後の高齢者人口の見通しについて」
では、なぜ高齢化「問題」というのでしょう。社会保障費の増大や、人口の減少などさまざまな「問題」が語られていますが、介護業界で考えたときに、高齢者が多くなることのいったい何が「問題」なのでしょうか。
いまの65歳以上は、若々しく、元気な人が多いですよね。雇用延長で、65歳を過ぎても働いている人が多く、ボランティア活動に精を出し地域活動に貢献している人も数多く見受けます。65歳は、まだまだ現役という印象もあります。
実際、日本の平均寿命は世界トップクラス。2017年に厚生労働省から発表された平均寿命は、男性が81.09歳、女性が87.26歳。男女ともに80歳を超えています。(「平成29年簡易生命表」より)
しかし、
「平均寿命」とは別に
「健康寿命」というものがあることはご存知でしょうか。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく過ごせる期間」のこと。実は、平均寿命とは大きく開きがあります。
厚生労働省によれば、「平均寿命」から「健康寿命」を引くと、男性は約9年、女性は約12年。
この9年や12年は、「日常生活に制限のある“不健康”な期間」ということになります。介護や専門的なケアを必要とすることも少なくないということ。
平均寿命が年々伸びるにともない、実は「不健康期間」も伸びています。不健康期間には、本人の生活に不自由が出て、家族や介護事業者などのサポートが必要になります。
この期間が男性9年、女性12年。意外に長いと思いませんか?
*2016年のデータによる
高齢者世帯、特に「一人暮らしの単独世帯」が急増する
さらに、今後、注目したい数字があります。高齢者の人口だけでなく、高齢者の世帯数も増加するということです。2016年から2025年までの9年間で、世帯主が65歳以上の高齢者世帯は約12.5万世帯も増加すると見込まれています。
その中でも特に増えるのは、高齢者が一人だけで住む「単独世帯」。10万世帯も増える見込みです。つまり、独り暮らしの高齢者が10万人も増加するということなのです。
単独世帯は、家族の介護が受けられません。健康寿命を過ぎ、介護が必要になった時には、何らかの外部サービスを必要とする可能性が高いのです。
世帯主が65歳以上の世帯数/割合の推計
*厚生労働省 「今後の高齢者人口の見通しについて」
単に高齢者が増えているだけでなく、必要な介護期間が伸びている、また、家族以外からの介護が必要な人が増えているんですね。
次回は、最近、特に話題となっている「認知症」の現状について知るとともに、プロの介護職の重要性について、考えていきたいと思います。
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