訪問介護サービスで中心的な役割を担っているサービス提供責任者(サ責)。訪問介護サービスの計画から報告書の作成、スタッフの管理や新人教育…。やりがいがある分、やることもたくさん。
そこで今回は、サ責に転職した先輩の失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
《事例1》サ責になって業務が変わり、完璧にできないことがストレスです
32歳/女性/あや
登録ヘルパーから正職員のサービス提供責任者に抜擢していただき、やりがいを感じています。でも、仕事の範囲が急に広がり、とまどってばかり。書類作成や連絡業務、家族対応、スタッフの指導、それにヘルパー業務…と、やりたいことがたくさんあって、残業の毎日。家に仕事を持ち帰ることも。もともと完璧主義者なので、業務をやり残してしまうことがいつもすごくストレスになっています。
《アドバイス》
サービス提供責任者は、訪問介護でなくてはならない存在。業務は多岐にわたります。たとえば、訪問介護サービス提供のための手続きから、訪問介護計画書の作成、サービスの実施管理、ケアマネジャーへの報告、ヘルパーの管理、教育など。また、ヘルパーの欠員や欠勤を補うために代わりに介護サービスを提供するなど、ヘルパー職を兼務するケースもあります。
サ責になると、業務の範囲が広がり、訪問ヘルパーとして働いていたときとは、業務への視点も変わってきます。やりがいも大きいでしょう。しかし頑張りすぎは禁物。特にあなたのように、完璧主義者で責任感の強い人は要注意です。幅広い業務すべてを理解し、完璧に実行するのは大変困難です。気合いだけでカバーできるものではありません。業務の多忙さに頭を悩ませているサ責は、あなただけではないはずですし、まだ慣れないうちはとまどうことが多くても当然でしょう。
今あなたに必要なのは、仕事の優先順位をつけることかもしれません。優先順位をつけるには、まず、仕事にかけている時間を、時間割りにして整理してみてはいかがでしょう?次に、やりたいのにできていないこと、気がかりになっていることを列挙してみましょう。その中には他の人でもできることや、今やらなくても良いことが含まれていませんか?
それが整理できたら、やること、あえてやらないことを決めましょう。そして、やらないと決めたことに対しては、ストレスをためないようにしましょう。
自分だけで整理できないのであれば、管理者に相談してみることをオススメします。力を入れるべき業務、優先順位のつけかたなどを管理者としっかり話し合ってみましょう。その作業がきっかけで、新たな人員採用の必要に気づき、事業者側が動いてくれることもあるかもしれません。
そうした努力をしてもやはり無理を強いられるということであれば、転職を視野に入れることも必要になってくるでしょう。転職することになっても、今回の経験はけっして無駄にはならないはず。サ責業務の整理や優先順位づけが、次の職場選びや実際の仕事のうえできっと役立つでしょう。
《事例2》デスクワーク中心だと思っていたのに現場が多く、持病の腰痛が不安
43歳/女性/響子
施設の介護職を8年間経験。今回、訪問介護に転職してサービス提供責任者になりました。事前にサ責の仕事を調べ、サ責として活躍中の友人にも相談したうえで転職したのですが、想像していた業務とかなり違いました。デスクワーク中心だと思っていたのに、実際は現場でのヘルパー業務や同行が多くて。実は、デスクワークを希望した理由のひとつが、腰痛になったからなんです。でもこんなに現場仕事が多いと、腰痛も悪化しそうで、続けていけるか心配になります。
《アドバイス》
サービス提供責任者の主な業務は、利用者に対しての利用・契約手続きや、利用計画の立案、サービス提供の準備や管理、報告書類等の作成など。基本的にはデスクワーク中心と言えるでしょう。
ただ、ヘルパーの不在時や緊急対応で現場に行くこともあり、一定のヘルパー業務が発生する場合が多いことも確かです。しかし、そこにどれくらい時間をかけるかは事業所によって異なります。それによってデスクワークと現場でのヘルパー業務の割合に差が出てきます。
たとえば、事業所の規模によってサ責が数人配置されているところもあれば、一人の場合もあります。また、あらかじめサ責とヘルパーの兼務として採用される場合もあります。
さらに、サ責が現場に出る場合も、目的はさまざまです。
人手不足で慢性的に現場でヘルパー業務をやらざるを得ないケースもあれば、どうしても手配がつかないときに代わりに入るケース、利用者との関係性やヘルパーの技量を確認するために現場にチェックに入るケース、訪問介護に不慣れな新人ヘルパーの教育のケースなど。
今回のあなたの場合、現場から離れた理由が腰痛とのことなので、そうした背景も含め、まずは上司に相談したほうが良いでしょう。その結果、現場に出る回数が少なくなって、腰への負担が軽減するような関わりができるようになればベターですね。
しかし、事業所の事情などからそれが難しいのであれば、自分の身体とも相談して、再度転職を検討したほうが良いかもしれません。その際は、面接の場などで自分の腰痛のことを明確に伝えましょう。さらに、転職を希望する事業所のサ責の仕事内容に、どれくらい現場の業務が含まれるかをできるだけ具体的に確認することをオススメします。
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