住み慣れた自宅や地域で、できるだけ自立した生活ができるように支援する「小規模多機能型居宅介護」。利用者の選択に合わせて「通い」「短期間の宿泊」「訪問」を組み合わせて提供する今最も注目されている介護サービスです。
今回は、小規模多機能型居宅介護を提供する施設に転職した先輩の失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
《事例》小規模多機能型居宅介護ならではの多様な仕事内容に、なかなか順応できなくて…
33歳/女性/加奈
デイサービスで5年勤務し、自宅近くにできた小規模多機能型居宅介護の施設に転職。小規模多機能型居宅介護では「通い」「訪問」「宿泊」のサービスを提供していますが、すべてをこなすのは思いのほか大変です。特に辛いのは「宿泊」。今まで昼間の仕事だったので、夜勤は体調管理が難しくて…。「訪問」も施設介護とは勝手が違い戸惑うことばかり。新しい業態に挑戦して仕事の幅を広げたいと思ったけれど、自分には向いていないのかも…。
《アドバイス》
必要な介護サービスを受けながら、住み慣れた地域や自宅で安心して暮らしたい。そんなニーズに応えてスタートしたのが、地域密着型サービスの小規模多機能型居宅介護(以下、小規模多機能)。デイサービスを軸に、必要に応じてショートステイや訪問介護を組み合わせて提供するのが特徴です。
複数の介護サービスを提供しているので、初めはとまどうこともあるかもしれません。しかし、さまざまな介護サービスの形態を知ることで、幅広い介護の知識が同時に身につくのは大きなメリットといえるのではないでしょうか。キャリアアップにもきっと役立ちます。
また、小規模多機能は一般的なデイサービスやショートステイ、訪問介護の各サービスと比べると、柔軟さが特長。利用時間や回数、内容などの面で制限がなく、利用者の要望に臨機応変に応えられます。それをスタッフの側から考えてみれば、介護技術はもちろん、コミュニケーション力や細かな気づきの力、想像力、適応力などさまざまな力が磨かれ、身につくということ。大変かもしれませんが、やりがいも大きいと言えるでしょう。
小規模多機能は、利用者や家族にとってもメリットの大きなサービスです。利用者にとっては、施設でも自宅でも顔見知りのスタッフからサービスを受けられるので安心です。ご家族にとっても、ニーズに合わせて必要なサービスを必要な時に利用できるのは大きな魅力。そのようなサービスを提供することで利用者や家族に喜んでもらえるというのは、働くスタッフにとってのやりがいでもあるはず。地域に貢献できるという喜びも感じられるのではないでしょうか。
慣れないサービスにも対応しなければならず、難しさを感じるかもしれません。しかし、自分には向いていないと諦めてしまう前に、こうした小規模多機能の魅力ややりがいについても考えてみるといいのではないでしょうか。そのうえで、苦手な内容を一つずつクリアしていきませんか?
慣れない夜勤で体調管理が難しいと感じているのなら、慣れているスタッフに対処法を聞いてみましょう。たとえば、睡眠の取り方や、リフレッシュ法、夜勤の際の心構えなど。先輩のやり方を参考に、自分なりに夜勤が楽になる工夫をしてみてください。夜勤も回数を重ねることで、少しずつ体も慣れてくるはずです。
訪問介護に対する戸惑いもあるとのこと。まずは、具体的にどういう内容が苦手なのか、どうして苦手なのかを整理しましょう。たとえば調理が苦手なら、その理由はなんなのかを考えてみては。もしかしたら、丁寧なあまり時間がかかりすぎていたり、レパートリーが少なくて対応できないのかもしれません。そのように自己分析をすれば、どう対処すべきか答えも見えてくるでしょう。調理が得意な先輩や同僚にアドバイスを求めるのも良いでしょう。
大事なのは、一人で悩みを抱え込まないこと。前職のデイサービスとは仕事内容が異なるので、夜勤や訪問介護で不安な面があるのは当然です。無理をせず、サービス提供責任者や上司に相談してみてください。小規模多機能のサービスが未経験で転職してくる人は多いはず。そうした人たちをたくさん見て来た上司であれば、きっと適切なアドバイスがもらえるのではないでしょうか。
こうしたことを試してみても、訪問介護への苦手意識が消えなかったり、夜勤で体調を崩してしまう可能性があるということであれば、転職を検討するのも良いかもしれません。その際は、夜勤がないなど、働き方も考慮して転職先を選ぶようにしましょう。
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