毎回、ちょっと困った介護スタッフの珍行動や、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、些細なことがトラブルや苦情の元になるケースについて紹介します。
年月を経過することによって習慣や作法が変化したり、忘れられてしまったりすることは、どの世界よくあること。しかし、介護の現場ではサービス利用者の年代が高いだけに、介助者と利用者とのジェネレーションギャップが摩擦を生むことも少なくない。例えば、若い世代にとっては「何それ?」というようなことでも、年配者にとっては当たり前のことができないと、利用者の信用は一気にガタ落ちに。
「敷居や畳のへりを踏まない」
「窓の桟は綿棒で掃除する」
「ガラスを新聞紙で拭く」
といったマナーや手順を知らないため、高齢の利用者から「あの人はダメ」という烙印を押されるケースは少なくないという。
そして、こちらは介助者のミスではないのだが、洗濯物の干し方、たたみ方、お皿の洗い方、片づけ方、掃除機のかけ方など、些細なことによって利用者から苦情が出たり、トラブルの元となることもある。例えば、靴下の干し方でだけでも、「1足ずつ」「2足揃えて」「足首部分が上」「つま先が上」「洗濯バサミを使わず引っ掛ける」など、その家族ごと、その人ごとに干し方が異なるのは当然のこと。しかし利用者のそれと介助者のそれが違う場合に、やはり「そんな靴下の干し方があるか」と怒る利用者は決して珍しくないという。
「敷居や畳のへり…」「窓の桟は綿棒…」などは“正解”があるから良いようなものの、洗濯物の干し方やたたみ方には正解があるわけではなく、言うなれば歩き方や話し方などに難くせをつけられるようなもの。しかし、まさか介助者が利用者に言い返すことなどできるはずはなく、このあたりは嫁姑戦争にも相通じる介護業界ならではのストレスが存在するようだ。
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