毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「介護業界 男性スタッフは引く手あまた?」という話題について紹介します。
男性利用者は、介護男子がいい?
介護業界は圧倒的な女性社会だ。介護労働安定センターのデータ(*)によれば、施設などで働く介護職員の女性比率は75%。訪問介護員(ホームヘルパー)となると92%。見渡せば女性ばかり、という状態だ。しかし、介護現場の声を聞くと、男性スタッフが求められていることがよく分かる。
なぜ、男性が重宝されるのか? それはホームヘルパーしかり介護施設のスタッフしかり、介護の仕事は“力”が要求される場面も少なくないからだ。介護スタッフは、人間の身体の仕組みを理解し、最小限の力で利用者を介護する方法を学ぶ。それでも、「利用者をベッドから起こす」「ベッドから車椅子に移す」「お風呂に入れる」「車に乗せる」といった場面では、やはり力が必要。利用者が暴れた場合など、男性がいると頼りになる状況もある。
また、利用者が同性の介護スタッフを求める傾向があることも、男性が重宝される大きな理由の1つだ。男性利用者の中には、女性スタッフに身体を拭かれたり、排泄介助をされたりすることを嫌がる人もいる。「女性スタッフに裸を見られるから恥ずかしい…」という男性利用者も少なくないのだとか。
男性職員は、介護現場のアイドル?
介護現場に男性スタッフが加わることで、利用者や施設内の雰囲気がガラリと変わることもある。若い男性スタッフがいるだけで、女性の利用者が目に見えて生き生きするようになる例は、よくある話。それまでしなかった化粧をしたり、おしゃれに気を使い始めたり…。男性スタッフが、女性利用者たちからアイドル視されるようなことも決して珍しくないそうだ。
そして男性スタッフが、スタッフ間にも好影響を与えることもある。先述の通り、介護業界は圧倒的な女性社会。だが、同性ばかりとなると、どうしても派閥や人間関係のトラブルが生じてしまうこともある。そんな時に、男性スタッフが派閥間の調整役や、場をなごませる存在として活躍するようなことも。
もちろん、女性スタッフから、男性スタッフが恋愛対象として見られる可能性も高いということだ。
「女性が多いから……」という理由で、介護業界に飛び込むことを躊躇している男性は、いま一度検討してみてはいかが?
*こちらのページで、介護業界の職種別の男女比や年齢を詳しく紹介しています。
公開日:2015/9/7
最終更新日:2019/4/3