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2020年01月01日

Wワークで働ける登録ヘルパーは私の性格にピッタリ~転職体験Oさん2 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」



◆訪問介護事業所(登録ヘルパー)・特別養護老人ホーム(パート)→ショートステイ(特別養護老人ホーム内)(正社員)

O・Rさん(女性・51歳)
介護業界での経歴詳細
●デイサービス(パート)(勤務期間:1年6カ月/月収約10万円)
●介護老人保健施設(パート)(勤務期間:1年/月収約6万円)
●訪問介護事業所(登録ヘルパー)3か所掛け持ち(勤務期間:17年/合計月収約30万円)
●特別養護老人ホーム(パート/夜勤専従)(勤務期間:10年/月収約16万円)
●ショートステイ(正社員)(勤務期間:6カ月/月収約27万円+ボーナス約4カ月分)


保有資格:介護福祉士
家族構成:一人暮らし

*O・Rさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目(前回)はこちら


【初めての訪問介護】利用者さんの個性に合わせる介護へのやりがい

「登録ヘルパー」で希望のシフトで働きたい

訪問介護の仕事を始めようと思ったときには、迷わず『登録ヘルパー』の働き方を選びました。
母親の介護をしながら働くことになるので、フルタイムの正社員ではなく、母の急変時にも臨機応変に勤務日や勤務時間に対応できる仕事がいいと思ったのです。
事業所の正社員になると、登録ヘルパーの都合が悪くなったときにヘルプで訪問に行くことが多いと聞き、当時の私の状況では難しいと感じました。

ただ、仕事はたくさんしたかった。
というのも、夫があまり働かなくなってしまったのです。
精神的に弱いところがあり、職場でうまくいかなくなると欠勤してしまう。
私が介護の専門学校に行っているときはそれなりにがんばっていたのですが、ヘルパーの仕事を始めるとすぐに、がまんが切れたかのように欠勤が目立つようになりました。
そんな夫を見るのもいやだったので、事業所には「とにかくたくさん仕事をください」とお願いしました。
事業所も人手不足だったので、「お母さんの具合が悪いときはいつでも交代するから」と気遣ってくれ、仕事を多めに入れてくれました。

ヘルパー業務の中でも生活援助を担当

最初は、生活援助の業務だけでヘルパーとしての仕事を始めました。
身体介護のほうが時給はずっと高いですが、まだ自信がなかったのです。
また、当時は生活援助の仕事のニーズが高く、仕事はたくさんありました。
特に、調理の仕事は、以前、給食調理の仕事をしていた経験があるので、安心して取り組むことができました。

訪問介護のヘルパーは、利用者さんのお宅を訪問して援助をします。
調理器具も掃除用具もすべてその家にあるものを使うので、臨機応変さが必要ですし、道具が足りなくてもきちんと仕事をこなさなくてはいけません。
そこが、介護施設での働き方とは大きく違うところです。

訪問介護のやりがいは、1対1の関係で支援できること

また、利用者さんは自分の城にヘルパーを迎え入れるので、自分のほうが上でヘルパーは下、というような上下関係を持つ人もいます。
そういう利用者さんへの対応が苦手な人は、「訪問ヘルパーはやりたくない」と思うのかもしれませんが、私はまったく気になりませんでした。

人は、いろいろと文句を言いたがるもの。
言ってすっきりするのなら、私が受け止めましょう、というふうにあっさり考えるほうなので、ストレスはあまり感じませんでした。
むしろ、デイサービスのように、いつもたくさんの人に囲まれて仕事をし、自分の仕事ぶりを人に見られるほうが、自分としてはやりにくさを感じていました。

利用者さんひとりひとりの個性を大事にし、1対1のよりよい関係を作って仕事をすることは、むしろやりがいになります。
私は訪問介護に合っているのだな、と実感しましたし、実際、利用者さんに喜んでいただけることも増えてきました。


【登録ヘルパーのメリット】ダブルワークで2つの事業所に登録

訪問ヘルパーとして働いて半年ほど経った頃、定期的に訪問していた利用者さんから、別の事業所に利用を変えることになったと告げられました。
利用者さんに「短い間でしたが、お世話になりました」と伝えると、「次の事業所でもあなたに頼みたいのだけれど、お願いできませんか?」というお願いを受けました。

その方は、うちの事業所のサービス提供責任者と折り合いが悪く、他事業所に移ることになったのですが、私のことは気に入っていたようなのです。
「あなたは登録ヘルパーなのだから、どこの事業所にも登録できるでしょう?」と。

そんなことができるのか、と半信半疑でしたが、事業所の管理者に聞いてみると、「利用者さんからすでにお願いされています。あなたさえよければ、その事業所にも登録して、引き続き支援してください」と言われたのです。
事業所も公認の形で、その利用者さんが移った先の事業所にも登録ヘルパーとして登録し、担当を続けました。

後から聞いてみると、複数の訪問介護事業所に登録して掛け持ちでヘルパーをするケースはまれではなく、むしろ多いとのこと。
それまでは、最初に登録した事業所でフルに仕事をもらい、月20万円ほどの収入を得ていましたが、ひとつの事業所で得られる仕事には限界があります。
しかし、別の事業所にも登録すると、そこからも仕事がもらえる。
実際、引き継いだ利用者さんだけでなく、「他の人も担当して」と言われ、仕事が広がっていきました。
登録ヘルパーとは、こういう形で仕事をしていくのだ、と驚きました。


【ダブルワークのメリット】事業所の様子を冷静に比べられる

実際、2つの事業所に登録すると、気持ちがラクになるのを感じました。
どこの事業所でも、人間関係が難しくなることがあります。
サービス提供責任者の要求と登録ヘルパーの事情がかみ合わなかったり、現場をあまり知らない管理者が突拍子もないことを言い出して、サービス提供責任者が困っていたり。
自分たちも人間関係に巻き込まれ、苦しい思いをすることもあります。

でも、複数の事業所に登録すると、
「こっちはなかなか仕事が回ってこないけれど、ヘルパー同士の仲が良くて急なシフト変更も対応してもらえる」
「あちらは時給はいいけれど、体力を使う仕事が多い」
など、それぞれの良いところ・悪いところが見えてきて、冷静になれます。
「何もかも整っている職場はないのだから、考えすぎずに、利用者にとってよいと思うことを取り組んでいこう」と、前向きになれます。

また、自分のライフスタイルを大事にして仕事ができるのも、登録ヘルパーのよい点です。
私の場合は母の介護の時間を捻出することができることでした。

結婚している人や子どもがいる人は、家族のために時間を融通することができます。
逆に、たくさん働きたい人は、複数の事業所からどんどん仕事をもらえばいい。
時期によって働き方を変えることも簡単です。
子どもが小さいときは仕事を少なめに、教育費がかかるようになったらたくさん働いて収入を多くする、ということも可能です。
特に女性には働きやすい職場だと感じますね。


【働き方への自問自答】訪問介護事業所3つと特養の夜勤を掛け持ち

家事や母の介護と両立しやすいし、介護施設よりも気が楽、という理由で始めた訪問介護の『登録ヘルパー』の仕事ですが、合計で17年間働きました。
利用する事業所を移ることになった利用者さんにお願いされる形で2つめの事業所に登録したあと、また別の利用者さんからの依頼で、3つめの事業所にも登録。
3つの訪問介護事業所に掛け持ちで登録して働いていました。

そして、ヘルパーを始めて8年目くらいの頃、母の病状が悪化し、闘病の末に亡くなりました。
母が亡くなったあと、時間があいて、手持ち無沙汰になってしまったんです。
それにちょうどその頃、夫とは離婚し、自分1人で家計を支えなくてはいけない状況に。
実家のそばのアパートで寂しさをまぎらわせるためにも、夜勤の仕事をしよう。そんな思いで、特別養護老人ホーム(特養)の夜勤の仕事も始めました。

特養の夜勤の仕事は19時半~7時半で、1回の夜勤でもらえる給与は12,000円。土日に出勤するとプラス3,000円上乗せされる待遇でした。
月に13日ほど特養で夜勤をこなし、そのまま訪問介護に出ることもありました。
「タフだ」と驚かれましたが、私は夜勤の休憩時間の3時間はぐっすり眠れるタイプ。
だからこそ、やっていけたのでしょう。
訪問介護と特養の夜勤を掛け持ちしてがむしゃらに働いたこの時期の月収は、合計で45万円ほど。ずいぶんと貯金ができ、生活にも余裕が生まれたと思います。

とはいえ、50代になり、思うところもありました。
25年以上続けてきた母の介護も終わり、離婚もした。
このままがむしゃらに働く生活を続けていていいのか……と思い始めたのです。


<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>

次回は、Oさんが登録ヘルパーから正社員へ、転職しようと思ったきっかけや、ショートステイの職場での仕事内容などをお伝えします。
次回「特養で正社員デビュー!ショートステイのやりがいは?~転職体験Oさん3」は、1月8日に公開予定です。

*O・Rさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目(前回)はこちら





●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●

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