◆グループホーム(パート→契約社員)→住宅型有料老人ホーム(パート→正社員/リーダー)
U・Kさん(女性・53歳)
介護業界での経歴詳細
●デイサービス(パート)(勤務期間:5年/月収約14万円)
●デイサービス(パート)(勤務期間:3年/月収約15万円)
●グループホーム(パート→契約社員)(勤務期間:3年/月収約17万円)
●住宅型有料老人ホーム(パート→正社員)(勤務期間:7年/年収約500万円/介護福祉士手当あり)
保有資格:介護福祉士
家族構成:長女、長男
*U・Kさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【転職時に必要と考えた条件】自分のライフスタイルを中心に
子どもが小さい頃は昼の勤務のみ、成長したら給与の高さ優先に
私は18年の介護業界勤務の間に、3回の転職をしています。
最初の勤務を含め、すべての面接で、自分の
「これだけは外せない」条件を伝えて了解をもらってきました。
最初の3つの職場では、まだ子どもが小さかったので、稼ぎたい気持ちをぐっと我慢して、パートとして昼間の勤務だけを希望しました。
正社員になりたくなかったわけではなく、正社員として働くとなると夜勤に入る必要がある施設が多いからです。
子どもが中学生になるまでは、夜は家にいて子どもと一緒に過ごしたい、と思っていました。
特に多感な中学生の時期は、親が家にいないと寂しさも不安も感じるはずです。
特にうちは父親がいませんでしたから、母親である自分がしっかりしないといけないと感じていました。
パートで働くと時給も安くボーナスも出なかったけれど、それは仕方がないと割り切りました。
養育費は夫が出してくれていたので、それほど困窮はしませんでしたが、「もう少し生活費がほしい」と思う分は、休日にダブルワークで働くことで、補っていました。
ライフスタイルの変化に合わせて正社員で夜勤もばりばりこなす
しかし、下の子が高校生になる頃には、「夜勤をしたい」と子どもたちに話していましたし、子どもたちも了解していました。
なので、転職するときには『法人内に入居施設があって、ゆくゆくは夜勤も担当させてもらえるところ』を探しました。
近い将来、子どもが高校生になったら、その職場で夜勤ができるように、と考えたのです。
結果的には3回目の転職先ではじめて夜勤をすることになりましたが、時期を早めなくてよかったと、今でも思っています。
転職で希望する条件は、きちんと理由を説明する
そして、下の子どもが高校生になったとき、3回目の転職先は給与の高さで決めました。
子どもの教育費がかかるようになり、
子どもの将来も見据えて、もっと貯蓄をしておきたいという気持ちが強かったからです。
ライフスタイルに合わせて条件を考え、面接に臨むときは、なぜその条件が自分にとって必要なのか、しっかりと説明しました。
そうすれば、法人側も納得してくれ、協力してくれます。
本当に自分にとって大事な条件は、ブレずに持ち続け、それをかなえてくれる転職先を妥協せずに探すことが大事だと思います。
【現在の勤務先の待遇】生活のため、高給与なこの職場は理想的
今の職場に転職したいと思ったのは、給与の高さでした。
勤務している友人が見せてくれた給与明細を見て、びっくりしたのです。
今、私も当時の彼女と同等、あるいは少し高いくらいの給与をもらっています。
基本給が22万円、扶養手当と処遇改善手当を含めて手取りが30万円程度。
ボーナスは1回2.3ヶ月分を2回、そして残業代も10分単位でつきます。
これらを合計すると、毎年、500万円以上の年収になります。
高卒、シングルマザーでこの年収を得られるところはそれほど多くないと思います。
仕事では大変なこともありますが、もう少しここでがんばるつもりです。
【現在の勤務先での本音】給与がよい反面、業務で苦労することも
基本給、残業代、福利厚生など待遇面には満足
今の職場は、以前と比べて大きな法人ですし、社会的な信用もあります。
給与はとてもよいし、福利厚生もきちんとしている。
以前はろくに残業代も出ない事業所ばかりで働いていたことを考えると、本当に恵まれていると思います。
しかし、それだけに、仕事の面では非常に厳しい点もあります。
利用者さんは「お客様」であり、どんなに理不尽なことをおっしゃられても、介護職はできるだけイエス、と答えることになっています。
時に、暴力をふるう方もいますが、上司には「利用者さんの怒りをうまく収めてほしい」と言われます。
利用者さんも介護職に対する目は厳しく、ちょっとした受け答えやふるまいにクレームが来ることもあります。
私たちはホテルのスタッフのように礼儀正しく、そしてにこやかに対応し、かつスマートに利用者さんのわがままを回避することを求められます。
昇進を望むよりも、今の立場でできることを考える
また、今の職場は、なかなか昇進できないのが事実です。
本部スタッフが施設長になることが決まっているので、事業所が雇用した私たちのような現場職員は、フロアリーダーの役職が一番の昇進です。
リーダーのまま、ということは、これ以上の給与もそれほど望めないということにもなります。
でも、私も53歳。これからもっと条件のいい職場に転職するのも難しいかもしれません。
今の職場でよいサービスを提供できるように努め、リーダーとして職場環境をできるだけ良くする努力をするほうがいいのかな、と思い始めています。
【介護職としてのキャリアアップ】マッサージの資格を取得したい
介護の現場職としてのスキルを高めることも大事なことですが、自分が介護の仕事を続けていくためにも、最近はプラスアルファのスキルを持つことを考え始めています。
たとえば、マッサージの資格です。
国家資格でもあるあん摩マッサージ指圧師の資格を取れれば、機能訓練指導員としても働くことができる。
介護福祉士と両方の資格を持つことで、新たな自分のキャリアを築くことができると思うのです。
また、アロマテラピーにも興味があり、アロマテラピーの民間資格を取得しようと考えたこともありましたが、やはり国家資格のほうが強いかな、と思います。
ただ、働きながら国家資格を得るのは大変なので、どのようにキャリアアップしていくのか、慎重に考えていきたいと思っています。
1つのキャリアで行き詰まりを感じてしまうなら、別のキャリアを得て、両方を融合させるのは、ひとつの手だと思っています。
【転職願望】グループホームや訪問介護など「寄り添う介護」
今の職場は、給与はいいですが、キャリアという面では頭打ちになってしまっているので、次のステージを考えたくなっています。
次に転職するなら、給与の高い職場へ転職するというよりも、介護の仕事として、社会の役に立つことをしたいと思っています。
子どもたちも社会人になり、これまでのように猛烈に稼がなくても、自分の生活ができるお金を得られればそれでいいのです。
給与だとか条件だとかは別として、グループホームか訪問介護にも興味があります。
利用者さんと近い関係で、しっかりと寄り添える仕事がいい。
やっぱり私は介護の仕事が好きなのです。
介護の仕事で人に喜ばれたいし、自分も手応えを感じたい。
そのために、何ができるのかを模索しています。
介護を通じて、自己実現でき、社会貢献できることは何か。
迷い考えながら、日々介護の仕事に取り組んでいます。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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