◆グループホーム、デイサービス(契約社員/介護職) → デイサービス(契約社員/介護職)→住宅型有料老人ホーム(契約社員/施設長)
M・Oさん(女性・33歳)
●グループホーム、デイサービス(勤務期間:2年)
●デイサービス、住宅型有料老人ホーム(勤務期間:1年/月給手取り約19万円、ボーナス年1回15万円)
保有資格:ヘルパー2級(現介護職員初任者研修)
家族構成:夫、長男(4歳)
*M・Oさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【住宅型有料老人ホームでの仕事の流れ】デイサービスの施設長も兼任
施設長の仕事と現場の仕事も両立
住宅型有料老人ホームは、それぞれのお部屋に住む高齢者の方が、ご自身で訪問介護やデイサービスなどのサービスを利用するシステムです。
そして多くの住宅型有料老人ホームと同様、うちのホームでも同じ建物の中に併設のデイサービスがあり、長時間の利用ができます。
看護師が昼間は常駐し、月に2回は訪問診療も入ります。
ケアマネジャーは系列の別の事業所に所属し、それぞれの方のケアプランを作ります。
有料老人ホームのほうは、専門スタッフがいますので、私が基本的に夜勤をする必要はありません。
仕事のメインは運営なので、入口脇の事務所でパソコンに向かっている時間が多いです。
ときどき、デイサービスの支援に入ることは、有料老人ホームのホーム長としても、利用者さんの素顔がわかるので、有効だと思っています。
1日の仕事の流れ
勤務時間は9時~18時。
できるだけ早く帰りたいですが、事務処理も多いので19時を回ることもありますし、時には子どもを保育園へ迎えに行き、連れてきて残務をすることもあります。
現在、勤務時間中はおおむね以下のような仕事をしています。
9:00~ 出勤。本部からの連絡その他、メールをチェックする。デイサービスのリーダーとともに夜勤職員と引き継ぎをし、デイサービスの看護師とも今日の活動予定を報告し合う。
9:30~10:00 利用者さんの顔を見に、デイサービスのスペースへ。職員が足りないときはヘルプに入る。特に、食事どきや食後は人手が足りないので、デイのスペースにそのまま入ってしまうことも多い。
10:00~11:30 経理関係の内容は本部からFAXが来るので、その内容を見つつ、運営関連の事務。利用者さんのことで特別な内容があれば、家族に連絡をすることもある。
11:30~12:30 昼食の配膳、食事介助の手伝い。このホームは比較的元気な利用者さんが多いが、食欲がない方には、励ましながら食べてもらうこともある。
12:30~ お昼休憩に入りたいところだが、事務処理が満載のときは、事務所でおにぎりなどをさっと食べて昼食は終わりということも多い。
14:30~17:30 日によって内容は異なるが、利用者さんの請求作業や職員の勤怠管理、給料計算などの事務作業に追われる。
17:30~ 不満や悩みを持っていそうな職員に声をかけ、面談室で話し込むことも多い。そのままにしておくと辞めてしまう可能性もあるが、よく話を聞くことで解決した例も。
18:00~ 本来であれば18時退社だが、基本的には残業。
【理想の介護】ホーム長なら前向きに理想を追求できる
前職のグループホームやデイサービスではとにかく忙しく、時間に追われていました。
そして、ただ忙しいだけでなく、本当に細かいことまで「こうでなければいけない」と決まっていて、従うことを強要されました。
それが、利用者さんのためになることなら良いのですが、単に個人的な好みで終わってしまうようなことが多くて。
ベテラン職員が幅を利かせていて、私のような若くて経験のない者は、「別のやり方のほうがいい」と思っても、手も足も出ません。
今は、自分がホーム長になったことで、みんなと相談しながら「こうしていこう!」と前向きに介護ができるようになりました。
うちのホームは経営的にぎりぎりで非常に苦しいのですが、なんとかお金を捻出して楽しいことをやろうと思い、今年は夏祭りと秋祭りを開催しました。
夏に利用者さんたちがテレビを見ていると、枝豆とビールでお疲れ様会をやっているシーンが流れたんです。すると、男性の利用者さんから「俺も飲みてぇなぁ」という声が上がって。
そうだよね、そりゃ飲みたいよね、老人ホームにいたって! そう思って、早速ドクターに相談したら、「ノンアルコールならよい」との返事。秋祭りのときはノンアルビールと枝豆を出して、大好評でした。
段ボールのおみこしは、要支援の元気な利用者さんが中心になって作ってくれました。
職員と利用者さんが一体になって楽しめるような工夫を、これからもしていきたいです。
【職員への対応】ホーム長として、できることはしたい
残業代が出ない職員たちのために、残業は減らしたい
私や介護職のみんなは残業代が出ません。本部から決められています。
だから、できるだけ仕事を効率よく進めて、みんなが早く帰れるようにしたいと思っています。
また、がんばっている職員にはちゃんと報いたい。
言葉に出して、「あなたがいるから本当に助かる、ありがとう」と言うようにしていますが、それだけでなく報酬もなんとかしたいですね。
今後は、優秀な職員さんを表彰して、商品券などをプレゼントするような機会を作りたいと思っています。
離職者を減らすために、職員の不満や悩みをじっくり聞く
半年でホーム長2人と生活相談員1人、その他介護職も4~5人辞めて、オープン当時は本当にひどい状態でしたが、1年経った今ではかなり落ち着いています。
人がたくさん辞める老人ホームはトラブルが多いですし、落ち着いて働く職員がいなければ、利用者さんも落ち着きません。
そこで、職員同士が衝突しているときなどは、別々に面談室で話を聞くようにしています。
話をじっくり聞けば、それだけで自ら問題解決できることも多いですし、ホームの問題なら、私が判断して、システムを替えることもできます。
職員の不満をそのままにしておかないことが大切だと思っています。
私自身は、今は辞める気はまったくないですね。
今、ホームの状態がよくなってきていますし、グループ全ホームの中でも、「一番良好」と本部から言われています。
この状態をキープするだけでなく、さらによいホームになるよう、努力していきたい。モチベーションは高く持てているつもりです。
次回は、転職時の面接での注意点などをMさんの視点でお伝えします。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
*M・Oさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
→ 「こんなはずじゃなかった…」 転職先選び 私の失敗談
●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●
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