◆デイサービス(正社員/生活相談員)→介護老人保健施設(正社員/支援相談員)→リハビリ特化型デイサービス(パート/介護職・受動運動担当(カイロプラクティック))・カイロプラクティック事業所(パート/施術スタッフ)
W・Fさん(女性・50歳)
●デイサービス(勤務期間:1年/月収手取り約15万円)
●介護老人保健施設(勤務期間:3年/月収手取り約30万円・ボーナス約45万円×年2回)
●リハビリ特化型デイサービス(勤務期間:5年/月収手取り約9万円)
保有資格:社会福祉主事任用資格、カイロプラクター(民間資格)
家族構成:夫、長男、長女
*W・Fさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【転職で気を付けたいこと】応募の前後によく転職先を調べておく
情報収集をしっかりすることも大切
デイサービスの生活相談員、介護老人保健施設(老健)の支援相談員を経て、現在のリハビリ特化型デイサービス(リハビリデイ)へと転職。介護業界では2度の転職をし、現在に至っています。
思えば、デイサービスへの就職活動と、老健への転職活動では、その場の流れに身を任せすぎたと思います。
最初のデイサービスでは、介護業界のこと、生活相談員の仕事のことを何も知らずに飛び込んでしまいました。
福祉の専門学科を出たのに、専門性を生かせなかったため、デイサービスで採用してくれるとなったら舞い上がり、仕事内容も会社の経営姿勢も調べずに働き始めてしまったのです。
面接の時に「相談員の仕事は、利用者さんと契約をすること。あとは利用者さんとお茶を飲んでいればいい」と言われましたが、そんな簡単な仕事があるわけがありません。
デイサービスの生活相談員は、利用者さんの獲得から説明、利用後のトラブル処理、現場のマネジメントと、非常にやることが多く、知識や経験、地域でのコミュニケーション力などがモノを言います。
そういう知識を身につけずに、社会福祉主事任用資格を生かせるということだけで入職してしまったことを反省します。
施設の特徴や仕事内容についても、情報収集はとても大切だと思いました。
また、面接のときに、わからないことはもっと突っ込んで聞くことも重要です。
面接の場ではつい遠慮してしまいますが、わからないこと、納得がいかないことはきちんと確かめることが大切ですね。
母体が健全でも、現場が健全とは限らない
次の介護老人保健施設(老健)は、その前のデイサービスの給料の安さ、経営状況の悪さを回避したくて見つけた転職先です。
給料と経営状況の2点に関しては、たしかに前の職場より恵まれていました。
しかし、「在宅支援の一翼を担う」と理想を掲げても、現実には、老健から自宅へと戻れる人がほとんどいなかったのです。
これは、ほかの老健でもよくあることです。
そうした介護業界の実態をよく知らなかったことが問題でした。
また、デイサービスのような小さな組織と違って、転職先の老健は利用者さんが100人以上いる大きな組織であること、また、老健は医療職が中心になりがちで、介護職や相談員は軽んじられることがあるという実態も知りませんでした。
しかも、私が転職した老健は、人間関係に悩んで辞めていく人も多く、人間関係もあまりよいとは言えませんでした。
入職を決める前にしっかり職場を見学したり、近隣の評判を聞いたり、インターネットで調べたりすることも、非常に大切だと身をもって知りました。
【転職を成功させるには】自分はどんな介護職になりたいのか
社会福祉主事の資格を持っていたことから、相談員として2ヵ所で勤務をしました。
しかし、マネジメント力が必要な相談員よりも、現場で利用者さんに接するほうが自分には向いているのだということに、あとから気づきました。
そういう意味では、老健を辞めたあと、すぐに就職しなくてよかったかもしれません。
1年間仕事をせず、自分を見つめ、カイロプラクティックに出会ったことが、その後の仕事を大きく変えたのです。
目先の利益や都合に翻弄されず、自分が本当に何をしたいのかを見つめる時間を作ってよかったと心から思います。
そうすることで、おのずと道が開かれてくるものだと、実体験から感じました。
【給料と労働時間】サービス残業の少ない職場がよい
2つめの転職先の老健は、手取りで約30万円の月収でした。
しかし、毎月残業が60時間もあり、そのうちの35時間はサービス残業です。
血圧が急上昇するほど身体を壊し、最後は交通事故を起こしてしまいました。
30万円の価値について、考えさせられます。
無理をしすぎず、自分らしい働き方を考えるべきでしょう。
結婚しているのであれば、さまざまな計算をし、夫の扶養の範囲内で働くことも選択肢に入れていいと思います。
【近い将来の夢】出張整体を中心に仕事をしたい
リハビリデイでの施術は、まさに私の仕事の中心であり、やりがいになっています。
しかし、ダブルワークとして働いているカイロプラクティックの仕事を通じて、デイサービスにもカイロプラクティックなどのお店にも来られない人こそ、安全に安心して健康的に暮らすために、施術を受けるべきなのではないかと思うようになりました。
お金を払ってくれる人も大事だけれど、お金に余裕のない人にも、この癒しの感覚を味わってほしい、と強く思っています。
そこで、今後の仕事としてやっていきたいのは、「出張整体」です。
その方の望む時間に、自宅で施術を受けられれば、より元気になれると思います。
介護保険や後期高齢者医療保険でも、自宅での訪問リハビリの一環としてマッサージを受けることができます。しかし、これらのマッサージを受けられるのは、要介護認定があったり、病気があったりするときです。
でも、要介護認定ではなくても、肩が凝ることやストレスであちこちが痛くなることはありますし、要支援の方ならなおのこと、身体の節々が痛いということがあるでしょう。
そんなときに、アロマを焚いてカイロプラクティックを受ければ、元気になれると思うのです。
事業として立ち上げるにしても、ほかに人材が必要なわけではありません。
私が個人で出張整体の仕事を開業することもできるので、ある程度、お客様の見込みがついたら、始めたいと思っています。
こんな夢があるから、デイサービスやカイロプラクティックの仕事も楽しくできます。
これまでずっと、育児を中心にしてきましたが、これからは、現在のカイロプラクティックの仕事と将来の夢である出張整体に向けた準備、介護が必要な母との関わりといった、自分のやりたいことを第一に考え、よりよいハンドルさばきで、人生を豊かに、そして親孝行もしっかりしていきたいと思っています。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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