資格を取ると、収入アップや転職のチャンスが広がります。この記事では、シングルマザーにおすすめの資格を5種類ご紹介!
30代・40代の資格選びのポイントや、シングルマザーが利用できる資格取得支援制度についても解説します。
目次
■シングルマザーが資格を取るメリット
・シングルマザーの年収はどれくらい?
■シングルマザーが稼げる資格5選
1. 介護福祉士
2. 看護師
3. 保育士
4. 医療事務関連資格
5. Webデザイナー関連資格
■30代・40代シングルマザーの資格選びのポイント
・需要がある資格か
・難易度や適性は問題ないか
・40代以降のキャリア形成につながるか
■シングルマザーの保有資格ランキング
・持っている資格トップ10
・役立っている資格トップ5
■シングルマザーが利用できる資格取得支援制度
・高等職業訓練促進給付金
・ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業
・自立支援教育訓練給付金
■資格を取って収入アップを目指そう
シングルマザーが資格を取得するメリットには、以下が挙げられます。
・キャリアアップにつながる
・応募できる求人の幅が広がる
・年収アップにつながる
資格を取ると専門的な知識や技術が習得でき、日々の業務に活かせるほか、昇進や昇給につながることも。
また、資格があれば身に付けたスキルを証明できるため、転職にも役立ちます。
無資格者に比べて応募できる求人の幅が広がり、給与面でもより好条件の職場に採用されやすくなるでしょう。
「今より年収を上げたい」「もっと育児と両立しやすい職場で働きたい」と考えるなら、資格を取って転職するのも一つの方法です。
「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」によると、シングルマザーの就業率は86.3%。平均年間収入は272万円で、平均年間就労収入は236万円です。
■母子世帯の状況
世帯数 | 119.5万世帯 |
就業率 | 86.3% |
平均年間収入 | 272万円 |
平均年間就労収入 | 236万円 |
*平均年間収入…生活保護法に基づく給付、別れた配偶者からの養育費等含む
一方「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、全国の一般労働者の平均年収は約382万円、女性のみの場合は約315万円です。
■一般労働者の平均賃金
平均月収 | 年収換算 (月収×12) |
|
女性 | 262,600円 | 3,151,200円 |
男性 | 350,900円 | 4,210,800円 |
男女計 | 318,000円 | 3,819,600円 |
2つのデータを単純に比較すると、シングルマザーの平均年収は全国平均よりも低い水準にあると考えられます。
生活基盤を整えるためにも「今より年収を上げたい」と考える方は多いでしょう。
年収アップを目指すシングルマザーにおすすめの資格は、以下の通りです。
ここでは上記5種類の資格の詳細と、資格を活かせる仕事について紹介します。
全国的な高齢化の進行に伴い、介護職は今後さらに需要が高まる仕事です。
求人数が多く、無資格からでも転職できますが、資格を取るとより好待遇で採用されやすくなります。
複数ある介護の資格のなかでも、特におすすめなのが「介護福祉士」です。
介護分野で唯一の国家資格であり、取得すると多くの事業所では資格手当が支給されるなど、年収アップにつながります。
【介護福祉士を取得する方法】
・養成施設を卒業して国家試験に合格する
・実務経験3年以上+所定の研修を修了して、国家試験に合格する
・福祉系高校を卒業して国家試験に合格する(一部実務経験必要)
*その他EPAルートあり
「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職の保有資格ごとの平均給与は以下の通りです。
■介護職の平均給与(介護職員処遇改善支援補助金を取得する事業所で働く常勤の場合)
保有資格 | 平均月収 | 年収換算 (月収×12) |
介護支援専門員 | 376,770円 | 4,521,240円 |
介護福祉士 | 331,080円 | 3,972,960円 |
実務者研修 | 302,430円 | 3,629,160円 |
初任者研修 | 300,240円 | 3,602,880円 |
資格なし | 268,680円 | 3,224,160円 |
介護職は上位資格を持つ人ほど給与が高い傾向にあり、介護福祉士の平均年収は約400万円となっています。
雇用形態や役職にもよりますが、シングルマザーの平均年収と比べて、高い水準にあると言えるでしょう。
介護福祉士取得後は、さらに経験を積んで介護支援専門員(ケアマネジャー)に挑戦することもできます。
働きながら年収アップやキャリアアップを目指したい方におすすめの資格です。
看護師は、ケガや病気に苦しんでいる方に対して、療養上の世話や診療の補助を行う仕事です。
看護師になるには、看護大学や短期大学などを卒業したあと、試験に合格して国家資格を取得する必要があります。
シングルマザーが働きながら目指す場合、仕事や育児と並行して通学することになるため、周囲の協力がないとややハードルが高くなるかもしれません。
ただし資格取得後は活躍の場が広く、収入が安定しやすいというメリットがあります。
看護師の給料の目安は、以下の通りです。
■看護職員の平均給与
平均月収 | 年収換算 (月収×12) |
|
勤続10年・非管理職 (31~32歳) |
324,446円 | 3,893,352円 |
高卒+3年課程 (新卒・初任給) |
263,711円 | 3,164,532円 |
大卒 (新卒・初任給) |
271,730円 | 3,260,760円 |
出典:日本看護協会「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」
看護師の勤務先には、病院や診療所などの医療機関はもちろん、介護施設や研究機関など多様な選択肢があります。
なかには託児所や院内保育園が整備されている職場もあるため、子育てと両立しやすい働き方を見つけることが可能です。
保育士は、乳児から小学校入学前の子どもを預かり、保護者と連携して子育てを担う仕事です。
保育士として働くには国家資格が必要で、指定養成施設を卒業するか、保育士試験を受けて合格すると取得できます。
養成施設以外の卒業者でも受験資格を満たせば試験を受けられるため、社会人になってから目指す方もいます。
「令和5年度賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均給与は以下の通りです。
■保育士の平均給与
平均月収 | 年間賞与 | 年収換算 (月収×12+賞与) |
271,400円 | 712,200円 | 3,969,000円 |
保育士の平均年収は、賞与も含めると約400万円です。
保育士は現在人手不足のため、人材確保に向けた処遇改善も進められており、今後も給与が上がる可能性があります。
働く場所は、保育所や企業の託児所のほか、児童養護施設や乳児院など幅広い選択肢があります。
なかには親子登園が可能な保育園もあるため、子育てと両立しやすい職場で働くことも可能です。
医療事務は、病院やクリニックなどの医療機関において事務作業を担う仕事です。
受付業務や診療報酬の請求処理、会計事務、医療機関内の書類作成など、業務内容は多岐に渡ります。
医療事務の給与は雇用形態や地域によっても差がありますが、介護求人ナビに掲載中の求人の平均年収は約349万円です。(2024年10月30日時点・正社員)
医療事務の関連資格には、以下のようなものがあります。
・医療事務技能認定試験
・医療事務検定試験
・医療事務認定実務者試験(R)
・医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))
・医事コンピューター技能検定試験
・医科医療事務管理士(R)技能認定試験
・診療報酬請求事務能力認定試験
医療事務は無資格でも働けますが、関連する資格を取得しておくと有利に転職活動を進めやすくなります。
主な就職先には、病院や診療所、クリニック、調剤薬局などがあり、「未経験可」の求人も少なくありません。
土日祝休みの職場も多いため、子育てと両立しやすい仕事だと言えるでしょう。
Webデザイナーは、Webサイト(ホームページ)のデザインを行う仕事です。
依頼された案件によって、Webページのデザインや画像の作成、サイトの進捗管理などを1人で担当する場合や、それぞれの専門職と分業して進める場合があります。
厚生労働省の「職業情報提供サイト(jobtag)」によると、Webデザイナーの平均年収は509.3万円ですが、一般的には300~400万円前後と言われることが多いです。
無資格でも就職・転職は可能ですが、資格があるとスキルを証明でき、より高給与で働ける可能性が高まるでしょう。
Webデザイナーの関連資格には、以下のようなものがあります。
・ウェブデザイン技能検定(国家資格)
・Webクリエイター能力認定試験
・Webデザイナー検定
・HTML5プロフェッショナル認定資格
・マルチメディア検定
・Photoshop(R)クリエイター能力認定試験
・Illustrator(R)クリエイター能力認定試験
Webデザイナーはリモートワークを取り入れたり、フリーランスとして働く人も少なくありません。
いずれにしても、資格を取ってスキルを磨けば、ライフスタイルに合う働き方を実現しやすくなるでしょう。
「どの資格を取るか迷っている」という30代・40代のシングルマザーは、以下の観点で選ぶとよいでしょう。
転職や就職に活かせる資格を取りたい方は、「社会的に需要があるか」を考えてみるとよいでしょう。
たとえば、高齢化が進む日本において、介護関連の資格を活かせる求人は多いです。
需要の高い資格を取得することで、30代・40代からでも転職しやすくなります。
シングルマザーのなかには、「できるだけ早く資格を取得して収入を上げたい」と考えている方も少なくありません。
難易度が高い資格の場合、大幅な年収アップにつながる可能性もありますが、取得までに長期間かかるケースもあります。
また、興味や適性のない資格を目指そうとすると、試験勉強そのものが苦痛になり、なかなか合格できないことも。
資格を選ぶ際は、試験内容や過去の合格率もチェックした上で、適性のあるものを選ぶと安心です。
取得した資格が「長く使えるか」「昇進や昇給につながるか」といった視点で選ぶと、その後のキャリア形成に役立ちます。
たとえば「介護福祉士」など介護関連の資格を取得すると、今後も需要が高まる介護業界で長く活躍できるでしょう。
また、資格ごとに手当が支給される職場が多いため、働きながら年収を上げていくことが可能です。
資格取得後のキャリアまでイメージしておくとよいでしょう。
「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」によると、就業中のシングルマザーのうち、65%の人が何らかの資格を持っています。
シングルマザーの保有資格について、同調査結果をもとにランキングにまとめました。
シングルマザーの保有者数が多い資格の上位10種類は、以下の通りです。
資格 | 保有者数 | |
1位 | 簿記 | 146,532人 |
2位 | パソコン | 103,235人 |
3位 | ホームヘルパー | 101,873人 |
4位 | 介護福祉士 | 62,379人 |
5位 | 看護師 | 58,237人 |
6位 | 医療事務 | 57,281人 |
7位 | 保育士 | 50,527人 |
8位 | 教員 | 38,336人 |
9位 | 准看護師 | 30,053人 |
10位 | 理・美容師 | 29,767人 |
最も保有者数が多いのは簿記で、次いでパソコン、介護、医療関連の資格となっています。
シングルマザーのうち、保有資格が「今の仕事に役に立っている」と答えた方が多い資格は以下の通りです。
資格 | 「役立っている」と回答 | |
1位 | 理学療法士 | 100% |
2位 | 准看護師 | 96.9% |
3位 | 看護師 | 96.0% |
4位 | 介護福祉士 | 87.3% |
5位 | 保育士 | 73.1% |
最も多かったのは理学療法士で、資格保有者全員が「役に立っている」と回答しました。
そのほか看護師や介護福祉士など、医療・介護・福祉関連の資格を現職に活かしている方が多くなっています。
資格を取得したいと考えたとき、講座の受講料や勉強中の生活費など、費用面で悩む方も少なくありません。
そういったとき、シングルマザーが利用できる公的な資格取得支援制度には、以下があります。
「金銭的なサポートを受けて資格取得を目指したい」という方は、制度の内容を確認してみましょう。
高等職業訓練促進給付金とは、資格取得を目指すひとり親に対して生活費を支援する制度です。
詳しい要件は、以下の通りです。
【対象者】
●次の要件を満たすひとり親
1. 児童扶養手当を受給している
2. 1と同等の所得水準である
3. 養成機関で6ヵ月以上訓練を受け、資格取得見込みである
4. 仕事または育児と修業の両立が困難と認められる
【対象資格】
介護福祉士、看護師、准看護師、保育士、調理師、理学療法士、作業療法士 など
【支給される金額】
●訓練期間中
月額10万円(住民税課税世帯は月額70,500円)
●訓練修了後
5万円支給(住民課税世帯は25,000円)
対象の資格を取得するための訓練期間中は月額最大10万円、訓練修了後には最大5万円が支給されます。
利用にあたっては、お住まいの自治体に問い合わせるようにしましょう。
ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業とは、高等職業訓練促進給付金を活用して資格取得を目指すひとり親に資金を貸し付ける制度です。
東京都の貸付資金の内容は以下の通りです。
【入学準備金】
●対象者
高等職業訓練促進給付金を受給するひとり親
●用途
養成機関の入学金、教材費、交通費など
●貸付金額
50万円以内
【就職準備金】
●対象者
高等職業訓練促進給付金を受給し、資格を取得したひとり親
●用途
就職に必要な費用(転居費用、被服費など)
●貸付金額
20万円以内
東京都では、資格取得から1年以内に都内で就職して、対象の資格が必要な業務に5年間従事することで返済が免除されます。
制度の詳細は実施主体により異なるため、返還の免除要件や貸付額など、お住まいの自治体に確認してから利用しましょう。
自立支援教育訓練給付金とは、ひとり親の主体的な能力開発の取り組みを支援する制度です。
対象となる教育訓練を受講して修了することで、かかった経費の一部を受け取ることができます。
詳しい要件は以下の通りです。
【対象者】
●次の要件を満たすひとり親
・母子・父子自立支援プログラムの策定等を受けている
・当該教育訓練が適職に就くために必要であると認められる
【対象講座】
・厚労省の指定を受けた講座
・都道府県等の長が対象とする講座
【支給される金額】
経費の60%(下限は12,001円、上限は受講講座により異なる)
対象となる講座は自治体により異なる可能性があるため、受講前にお住まいの都道府県、市区町村へご確認ください。
多くのシングルマザーが、仕事と育児を両立しながら家計を支えています。
収入アップや働きやすい職場への転職を目指すなら、スキルを身に付けて資格を取ると、希望の実現に一歩近づきます。
特におすすめなのが、将来性があり求人の幅も広い、介護・医療・福祉関連の資格。
シングルマザーが使える支援制度もあるため、上手に活用しながら取得を目指すとよいでしょう。
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