リハビリテーションの専門職として医療・福祉の現場で活躍する「理学療法士」。その平均年収はどのくらいでしょうか?今回は性別、年齢、経験年数などの観点で比較しながらご紹介します。
目次
■理学療法士の平均年収
・短時間勤務の場合
・【年収比較】性別
・【年収比較】年齢
・【年収比較】経験年数
・【年収比較】施設規模
■年収アップを目指す方法
・【方法1】資格を取得する
・【方法2】副業する
■専門知識を活かして納得の年収を目指そう
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士の平均月給は300,900円で、年間賞与は714,400円。
ここから単純計算すると、平均年収は4,325,200円になります。
同じ医療職である医師、看護師、薬剤師と比較するとやや低い額ですが、介護職員や訪問介護職員と比べるとかなり高水準といえるでしょう。
理学療法士は短時間労働で働ける勤務先も多い職種です。
短時間勤務の理学療法士の平均時給は2,167円、年間賞与は99,100円。
1日当たりの平均労働時間は5.9時間で平均実労働日数は12.7日のため、平均労働時間は月約75時間。年間だと約900時間です。
ここから単純計算すると、平均年収は約2,049,400円になります。
出産・育児・介護などによりフルタイムの勤務がむずかしい方でも、安定した収入を得やすいでしょう。
平均月給 | 年間賞与 | 年収換算 | |
男性 |
31.53万円 | 73.74万円 | 452.1万円 |
女性 |
28.4万円 | 68.71万円 | 409.51万円 |
※データは作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含む
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
理学療法士の平均年収は、男性が約452万円、女性が約410万円となっています。
男性の方が42万円ほど高くなっていますが、女性は結婚や出産に合わせてキャリアの途中で一度退職する方が多いことが理由のひとつだと考えられます。
平均月給 | 年間賞与 | 年収換算 | |
20~24歳 | 25.17万円 | 39.46万円 | 約342万円 |
25~29歳 | 27.03万円 | 62.81万円 | 約387万円 |
30~34歳 | 29.13万円 | 71.17万円 | 約421万円 |
35~39歳 | 31.61万円 | 78.65万円 | 約458万円 |
40~44歳 | 32.43万円 | 81.45万円 | 約471万円 |
45~49歳 | 34.39万円 | 92.41万円 | 約505万円 |
50~54歳 | 34.24万円 | 86.27万円 | 約497万円 |
55~59歳 | 39.93万円 | 110.1万円 | 約589万円 |
60~64歳 | 35.71万円 | 95.53万円 | 約524万円 |
65~69歳 | 19.96万円 | 67.66万円 | 約307万円 |
※データは作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含む
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
理学療法士の平均年収は、基本的に60歳までは年齢とともに上昇する傾向にあります。
特に、役職や管理職に就くなど施設内でのステップアップが起きやすい、20代後半・50代後半は上昇率も高いです。
理学療法士の資格自体に年齢制限はないものの、60歳~65歳を定年と定めている施設が多いため、60歳以降の給与は比較的落ち着いています。
平均月給 | 年間賞与 | 年収換算 | |
1年未満 | 24.86万円 | 7.77万円 | 約306万円 |
1~4年 | 25.41万円 | 63.82万円 | 約369万円 |
5~9年 | 27.74万円 | 68.77万円 | 約402万円 |
10~14年 | 30.63万円 | 79.78万円 | 約447万円 |
15年以上 | 33.85万円 | 95.29万円 | 約501万円 |
※データは作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含む
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
理学療法士は基本的に、経験年数によって給与や賞与額が上がる職種です。
特に勤続15年以上のベテランは、管理職や役職に就く割合が増え、経験給・能力給などの手当てがつくケースも多く、平均年収500万円以上となっています。
平均月給 | 年間賞与 | 年収換算 | |
1,000人以上 | 29.77万円 | 84.28万円 | 約442万円 |
100~999人 | 29.77万円 | 69.4万円 | 約427万円 |
10~99人 | 31.65万円 | 56.36万円 | 約436万円 |
※データは作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含む
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
理学療法士の年収を施設規模ごとに見ると、1,000人以上の施設が一番高くなっています。
規模の大きい施設は受け入れる患者や利用者の数が増え、症例の幅も広がることが理由だと考えられます。その分、高いスキルが求められるでしょう。
一方、平均月給は10~99人の施設が高いことが分かります。規模が小さく職員数が少ない施設だと、その分一人あたりの業務量が増えることが理由だと考えられます。
比較的安定した収入を得られる理学療法士。さらに年収アップを目指すにはどうしたらよいのでしょうか?
ここでは2つの方法をご紹介します。
医療・介護関連の資格を取得することで、年収アップが見込めます。
理学療法士は医療や福祉の現場において、さまざまな専門職と連携しながら業務を行います。
よりよいサービスを届けるためには、理学療法の専門知識だけではなく、医療・介護などの幅広い知識が欠かせません。
資格を取得し、業務に役立つ知識やスキルを身につけることで信頼が高まり、資格手当がもらえるだけでなく、昇進につながる可能性もあります。
転職の際にも、より待遇の良い勤務先を見つけられるはずです。
勤務先で禁止されていなければ、理学療法士は副業によって年収アップが目指せます。
理学療法やリハビリの知識・スキルを活かした副業に挑戦してみましょう。
介護施設や訪問介護のスタッフとしての短時間勤務や、スポーツ分野でトレーナーとして働くという選択肢もあります。
ただし、無理をして本業に影響が出てしまっては本末転倒です。自分の体力やワークライフバランスも考慮した上で、慎重に選びましょう。
理学療法士は、介護・医療業界の中で比較的高水準な給与を得られる専門職です。
年収は経験年数や施設規模などによって変化するため、今の給与に満足できていない場合は「転職すべきか」「このまま勤続すべきか」考えてみるとよいでしょう。
専門知識・スキルを持った理学療法士は、資格の取得や副業で収入を増やすこともできます。自分に合った方法で、納得のいく年収を目指しましょう。
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