《目次》
履歴書やエントリーシートの志望動機は、転職希望先の採用担当者が面接を行う上での参考になるため、その採用担当者に十分な熱意が伝わるような内容を書く必要があります。
しかし、具体的にどのような内容を書けばいいか、何文字書くべきかなど、書き方が気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、志望動機を書く際に気をつけることや、採用担当者に印象づけられるポイントを解説します。
履歴書・職務経歴書・志望動機書それぞれの文字数や、内容についてもご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
志望動機を書く上で、具体的に何文字書けばいいのか迷う方もいるでしょう。
結論から言うと、「300文字程度」にまとめることをおすすめします。
300字にまとめることで、企業が提示する文字数に合わせて削減・増加することが可能になります。
また、文章の作成に慣れていない方は、なるべく1文の文字数を60~80字にまとめるように練習しましょう。
1つ1つの文に、しっかりと意味を持たせることで、志望する理由を明確に伝えられます。
相手に読みやすい文章にまとめるためには、文章を書く前に構成を組み立てる必要があります。
文章作成に慣れていない方が、行き当たりばったりに文章を書くと、面接官に自分の思いが正確に伝わらないことがあるためです。
志望動機の文章構成を組み立てる際に、意識したいのが以下の3つのポイントです。
まず、志望動機の冒頭では、どういった経緯から志望企業や業界に興味を持つようになったかを説明しましょう。
志望する理由を最初に書くことで、結論から伝えることができます。
そして、志望する理由に厚みを持たせるために自分の経験やエピソードを加えることも重要です。
最後のまとめとして、スキル・経験・知識などを通して、どのように志望企業に貢献できるかを記載します。
採用担当者に「自分がどういう人物であるか」「自社にとって何ができる人材なのか」を伝えられるように構成を考えましょう。
志望動機は、採用担当者にとって「面接に進めていいか」を判断する基準となるため、文章を順序立てて書く必要があります。
前項の文章構成例を踏まえて、どのような志望動機にまとめるか難しいと感じる方も多いかもしれません。
そこで、実際に介護士に転職する際の志望動機例をご紹介します。志望動機の強調部分や、相手に伝わる文章作成の例として参考にしてみてください。
また、異業種から介護士に転職したい方向けに「飲食業系から介護系」の志望動機例も解説します。
約3年間、介護職員として特別養護老人ホームで勤務しています。
入居する高齢者の方に対する適切な介護方法や、生活サポートを学ぶなかで、さらなる技術を学びたいと考えるようになりました。
きっかけとなったのは、貴施設の研修制度を拝見したときです。
職員の介護技術を高めるために、外部アドバイザーによる研修や、介護士の能力別による研修会が行われている点に興味を持ちました。
わたし自身、未経験から介護福祉士の資格を取得し、自己成長のために常に介護技術を学び続けています。
貴施設に入職後も、絶えずスキル向上を目指し、入居者に欠かせない存在になりたいと考えております。
■例文1の解説
例文1は、自身の経験・体験を踏まえたあとに、志望する特別養護老人ホームでしか達成できないことを詳しく述べています。
同業種への転職を希望する際には、現在所属する施設では得られないことや、なぜ志望先の施設を希望するかを詳しく説明しなければなりません。
例文1では、「自身の介護技術をさらに伸ばすために、志望する施設への転職が必要であること」「転職を希望する施設で、現在の所属先にはない特別な研修制度を設けている点」をピックアップして、志望動機にまとめています。
そして3段落目に、自身の経験をもとに、志望先の施設でも介護技術の向上を目指し、介護運営に貢献することが記載されています。
『興味を持った背景→自身の経験→どのように貢献できるか』という構成を具体的に説明した志望動機です。
現在、飲食店にてホールスタッフの業務を務めています。都市部から離れた立地である点や、和食を提供していることもあり、お客様のほとんどが高齢者の方です。
高齢者のお客様のなかには、足が不自由な方もおり、従業員によるサポートが欠かせない場面もあります。
わたし自身、このような環境で働いているなかで、自然と介護業界に興味を持つようになりました。
過去に、特別養護施設でボランティアをした際に、入居している方から何度もお礼されたのが、介護士への転職を決意した理由です。
貴施設に入職後も、高齢者に対する接客やお手伝いをする気持ちを忘れずに、高齢者の方の生活をサポートしたいと考えております。
■例文2の解説
例文2に関しても、過去の経験から、介護士への興味を持った理由が明確に説明されています。
また、異業種から介護士への転職を希望する際には、転職先の業界にどれほど興味を持っているかを記載すると説得力が増します。
例文2では、飲食店で務めている背景をもとに、「高齢者をサポートする機会が多いこと」や「ボランティアを通して実際に体験してみたこと」で、志望度の強さが表現されているのが特徴です。
さらに、ボランティアの経験を通して介護にやりがいを感じてる点も、採用担当者にとって響く内容となっています。
異業種への志望動機は、『新しい業界に興味を持った理由や、実際に行動したこと』をアピールすると好印象を残せる可能性が高くなります。
転職活動を行う際には、履歴書とは別に「職務経歴書」や企業によっては「志望動機書」が求められることもあり、準備をしておかなければなりません。
すでに履歴書に志望動機を記入している場合でも、別途それぞれの書類に志望動機を書くと、さらなるアピールにつながる可能性があります。
■「職務経歴書」の志望動機は400字程度
職務経歴書には、過去の勤務先ごとに「どのような業務を行ってきたか」「仕事を通しての実績や成果」を書き出します。
志望動機の文字数の目安としては、400字程度に収めるのがおすすめです。
志望する企業の業務内容と関連性を持たせるように書くことで、高い評価につながります。
■「志望動機書」は履歴書の内容に肉付けを
次に、志望動機書は履歴書に記載した志望動機を参考にしましょう。
1000字ほどの志望動機を求められることが多く、300字にまとめた志望動機に肉付けする作業を進めていきます。
文章構造をそのままにしながら、具体性を高めたり、過去の経験の詳細を書き出したりすることで、採用担当者に気持ちが伝わる内容に作り上げます。
職務経歴書に志望動機を記入する際には、履歴書に記載した志望動機に過去の業務経験や成果を絡めましょう。
自身の経歴を志望動機に組み合わせることで、採用担当者に対して、入社後の姿をイメージしてもらいやすくなります。
また、文字数は400字を目安にし、あらかじめ用意した300字の志望動機の文章構成を崩さずに記入します。
それでは、先ほどの例文1と例文2をもとに、具体的にどのような志望動機にまとめるのがいいのかをご紹介します。
■職務経歴書の志望動機の例文1:介護士から介護士の志望動機
特別養護老人ホームで約3年勤務をしています。
入居する高齢者の方の生活サポートだけでなく、輪番制であるため、次のシフトへの引継業務や日誌の作成を主に行っております。
現在勤めている施設に入職後、入居者のために活躍したいという思いから、日々自己成長のためにスキルの向上を目指してきました。
自分が担当できる範囲で積極的に手を挙げ、自ら進んで経験するように努力しています。
転機となったのは、介護現場で働く方が参加する交流会です。
さまざまな背景を持つ介護士の方と会話をし、自身の技術力がまだまだ足りないことを痛感しました。
そこで、外部アドバイザーによる研修や介護士の能力別による研修会が行われている貴施設の研修制度に興味を持ちました。さらなる介護技術の向上を目指し、入居者様へ貢献したいと考えております。
■職務経歴書の志望動機の例文2:異業種から介護士(飲食系→介護士)の志望動機
飲食業界にて、5年ほど勤務をしております。
ホールスタッフでの接客業務やレジ打ち業務、予約受付など幅広い業務に携わってきました。
また、現在ホールスタッフのチームリーダーとして、後輩従業員の教育も平行して行っています。
わたしが勤務する飲食店は、立地の関係や和食店ということから、ご高齢のお客様がほとんどを占めます。
足が不自由な方もおり、席までご案内するサポートもわたしが担当する業務の一つです。
ご高齢のお客様の案内を行っているうちに、さらに自身のスキルを活かした仕事を行いたいと感じるようになりました。
過去に、特別養護施設でボランティアをした際に、入居している方から何度もお礼され、介護士として働きたいという思いが異業種からの転職のきっかけです。
一から学ぶことも多いですが、接客業で学んだおもてなしの心を忘れずに、高齢者の方の生活をサポートしたいと考えております。
貴施設の入居者にとって欠かせない存在となり、介護士として貢献したいです。
最後に、志望動機書の書き方もチェックしておきましょう。
履歴書や職務経歴書に記載する志望動機よりも長文であることが多く、文字数としては1000字が目安です。
志望動機書を膨らませるポイントとして、300字でまとめた志望動機を事細かく記載することが求められます。
「転職を決めた理由」「前職でどのような業務を行っていたか」「転職先で具体的にどのような仕事や経験をしたいか」といった内容を明確に書くようにしましょう。
ただし、1000字を書く際に、論点のズレや文章構成がバラバラにならないように気をつけることが必要です。
それでは、先ほどの例文1と例文2をもとに、志望動機書の書き方を参考にしてみてください。
■志望動機書の例文1:介護士から介護士の志望動機
介護士としてのスキルをさらに伸ばしたいため、貴施設への転職を希望しています。
わたしはこれまで、現在所属している特別養護老人ホームで、3年ほど勤務をしてきました。
入居する高齢者の方の生活サポートだけでなく、輪番制であるため、次のシフトへの引継業務や日誌の作成が主な業務です。
また、新人の教育係も務めたこともあります。
転職を希望するようになったきっかけは、介護現場で働く方が参加する交流会での出来事です。
さまざまな背景を持つ介護士の方と会話をするなかで、わたし自身の技術力がまだまだ足りないことを痛感しました。
そこで、さらに介護士としてのスキルを身につけるために、研修制度が整っている施設や、より積極的に業務の幅を広げられるような環境を求め、転職活動を行っております。
今回、数ある特別養護老人ホームのなかで、貴施設を志望した理由は、充実した研修制度があるためです。
外部アドバイザーによる定期的な研修会や、介護士の能力別による研修会が行われていることを知り、介護士のスキルを学べる機会が多くあると感じました。
現在勤めている施設は規模が小さく、施設内での勉強会はあるものの、外部の研修会を受講する機会が限られております。
そこで貴施設の研修制度を活用し、さらに自身の介護スキルを身につけたいと考えております。
わたしの強みは、自ら進んで業務に取り組み、自己成長を目指せることです。
現在勤めている施設に入職後、入居者のために活躍したいという思いから、日々努力を続けています。
現在働いている施設でも、自分が担当できる範囲で積極的に手を挙げ、介護技術を向上させてきました。
貴施設でも研修に参加するだけでなく、学んだことを活かせるようにさまざまな業務に取り組みたいです。
ご縁があり、貴施設への入職が叶いましたら、介護士の業務範囲を広げ、将来的にはチームリーダーとして活躍したいと考えております。
また、わたしが学んだ知識や介護技術を後輩にも伝えていき、施設全体の質を高める努力を継続します。
入居者にとって欠かせない存在となり、あらゆるサポートを行える人材として貢献したいです。
■志望動機書の例文2:異業種から介護士(飲食系→介護士)の志望動機
高齢者の方の生活を支援したいという気持ちがあり、介護士への転職を希望しています。
わたしは、飲食業界にて、5年ほど勤務をしてきました。
業務範囲は、ホールスタッフでの接客業務やレジ打ち業務、予約受付など幅広く経験をしております。
また、今年からはホールスタッフのチームリーダーにも指名され、後輩従業員の教育も担当しています。
わたしが貴施設への転職を希望する理由は、現在勤務している飲食店での経験です。
立地の関係や和食を提供しているということもあり、ご高齢のお客様の来店がほとんどを占めています。
高齢者の方のなかには足が不自由な方もおり、席までご案内するまでのサポートも、業務の一つとして欠かせません。
高齢者のお客様の案内を行っているうちに、介護職への興味が高まるようになりました。
介護職への転職を目指すために、過去に特別養護施設でボランティアをした経験があります。
ちょっとしたお手伝いのみでしたが、入居している方から何度もお礼され、介護士として働きたいという思いが強くなりました。
また、異業種から介護士に転職した方のお話を聞く機会を設け、日々勉強を続けております。
わたしの強みは、強い責任感です。
現職の飲食店でチームリーダーをしていたこともあり、来店されたお客様に満足して食事を楽しんでもらえるように努力してきました。
また、クレームを頂いた際にもホールスタッフ全員で共有し、常に改善を意識しながら業務を行っております。特別養護老人ホームでも、入居者が満足して生活を送って頂けるように、わたしの責任感を通して快適な環境作りを目指したいです。
貴施設への入職が可能となりましたら、接客業で学んだおもてなしの心を忘れずに、高齢者の方の生活を支援したいと考えております。
まずは実務経験を続け、介護福祉士の資格を取得するのが目標です。
そして介護士のスキルを身につけていき、将来的にはチームリーダーや教育係として、後輩の人材育成にも貢献したいと考えています。
履歴書や職務経歴書などに記載する志望動機の書き方をご紹介しました。
それぞれの書類によって、記入する文字数も異なり、どのようにして志望動機を膨らませるかを考えましょう。
また、志望動機を書く際には相手にしっかりと伝わるように文章構成を整えることも重要です。情報がバラバラになってしまわないように、気をつけながら作成しましょう。
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