介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材がどういった傾向なのか、ぜひ知っておきたいこと。今回は東京都足立区を中心に20以上もの介護施設を運営する、医療法人社団苑田会グループ・株式会社明昭管理部の筑田哲也さんにお話を伺いました。
<取材・文・写真 西山武志>
*この記事の1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
株式会社明昭が経営する『ハートランド明生苑』は、300以上の病床を有する大型介護付有料老人ホーム
○●○ インフォメーション ○●○
株式会社 明昭
東京都足立区竹の塚4-2-17 明昭ビルディング201
TEL : 03-5851-3581
FAX : 03-3850-1581
http://www.fukushi-e.com/
書類で見極める“相手に対する配慮”
インターネットが発達した現在では、求人の応募がWeb上で済ませられる会社も増えてきています。しかし、株式会社明昭ではあえて、履歴書を本社に送ってもらう形を取っているとのことです。
「手書きの履歴書を拝見することによって、その方の仕事に対する考え方を確認したいんです。例えば、字が上手くないからと言って評価を下げることはありませんが、それが読めないレベルであれば『相手のことを考えられない人』と判断せざるを得ないですよね。重要なのは、『相手に対する配慮があるかどうか』なんです。仮に履歴書の文字を手書きでなくパソコンで打っていたとしても、それが相手のことを考えた上での選択ならば、まったく問題はありません」(管理部・筑田さん)
ただ、応募者の中にはこんな方もいるのだとか……。
「写真の枠にいろいろな写真を貼ってくる方・写真を貼っていないまま出してくる方もいらっしゃいます。また、採用についての問い合わせがあって、こちらが『まずは書類を郵送してください』とお願いしても、書類を送付せずに何度もメールしてくる方もいました。おそらく『とりあえず、介護業界ならどんな形でも応募すれば入れるだろう』と思っているのだと感じます」(筑田さん)
介護は“誰でもできる仕事”ではない
そう言った応募者がいる状況について、筑田さんは次のように内心を語ってくれました。
「介護業界は一時期、派遣切りの受け皿として見られていたこともありました。現状、人手が圧倒的に不足していることも事実です。しかし、私たちが相手にするのは“人”なんです。その対応に決まった正解はなく、1000人いれば1000通りの方法を見つけ出さなきゃいけない。介護って、やりたくないのにできる業務ではないし、やはり性格的な適正も必要だと思うんです。だから、誰にでもできる仕事ではないと思います」(筑田さん)
最後に、これから介護業界を目指す人たちへ向けて、筑田さんはこうメッセージを贈ります。
「いつも頑張る人じゃなくていいんです。常に御利用者様のことを考えられる優しささえ持っている人であれば、あとは普通でいいと思うんです。御利用者様が楽しく過ごすために何ができるかを考え続け、その先に『自分がここで何をしたいのか』という意識を持てるようになれれば、より充実した働き方になるはずです」(筑田さん)
余談になりますが、明昭では採用のプロセスで送られてきた書類は、すべて返送するそうです。会社の方で破棄することが一般的ですが、費用をかけてでも送り返すのは「送ってきてくれた誠意に応えるため」なのだとか。そうした対応やシステムの一つひとつから、この会社の“人に対する真摯さ”がはっきりと感じられました。
*この記事の
1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
●あなたの履歴書は大丈夫?
介護・福祉業界の履歴書のルールやマナーはこちらをcheck!
●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●
介護求人ナビの求人数は業界最大級! エリア・職種・事業所の種類など、さまざまな条件で検索できます