介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材がどういった傾向なのか、ぜひ知っておきたいこと。今回は福祉用具・介護機器のリースからスタートし、数々のグループホームや高齢者専用住宅からレストランまで多岐にわたる介護ビジネスを展開する「株式会社アイシマ」の採用担当、奥田貴生さんにお話しを伺いました。
<取材・文 中条佳子>
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グループホームれんげ施設内
○●○ インフォメーション ○●○
株式会社アイシマ
グループホーム、小規模多機能施設、高齢者住宅、訪問看護施設、訪問介護・入浴施設、レストラン
神奈川県横浜市瀬谷区三ツ境73-7
TEL : 045-360-6021(代表)
FAX : 045-360-6051
http://www.aishima.co.jp/
「ほかの施設とくらべて楽だから」という答えはOK?
グループホームれんげ外観
アイシマは、医療法人ほうゆう会を創設し、理事でもあった相澤利彦社長が立ち上げた介護ビジネス会社です。基本的な理念は、医療法人で培われたものが受け継がれているので、社員は医療法人と同じく福利厚生があり、利益が出れば職員にも還元するという方針で運営されています。
そんなアイシマの職場に「採用したくない人」について、奥田さんにお話を伺いました。 「まず、女性も男性も、経験があってもなくても、自己主張が強すぎる方は難しいケースが多いですね」 (奥田貴生さん)
それでも余程のことがない限り、不採用にはしないということですが、先日こんなことがあったそうです。
「特養の経験者で、グループホームの面接に来た50代の女性の方が、グループホームで働きたい理由について尋ねたところ、『特養と比べたら楽だから』とおっしゃったので、不採用にさせていただきました。グループホームで働いた経験がないのに、なぜ楽だと決めてしまうのかなと思いますね」(奥田さん)
高齢者の方に、いつも安らぎと安心のある生活を感じていただくことを大切にし、「利用者第一主義」を理念に掲げているアイシマ。その職場で働く人を採用する奥田さんにとっては、「自分が楽な仕事が出来るから転職したい」という理由では、仕事に対するモチベーションが感じられず、面接時に良くない印象を抱かれても無理はないでしょう。
仕事内容をまったく知らないのに応募する人がいる
採用の現場で奥田さんが困っているのは、某公共機関で職を探している人が、自分のやりたい仕事に就けない場合の“最後の砦”として、「介護の仕事をやれば?」と簡単に勧めて紹介することだそうです。
「その機関の紹介で面接に来た人に、グループホームのことを知っているか訊いたところ『何も知りません』というのです。自分が働く仕事内容をまったく知らなくて応募してきても大丈夫なの? と訊いたら、『そうですね』と平気で言うので、帰っていただきました」(奥田さん)
一方、未経験者で、資格を取り立てで面接に来る人もいますが、「介護の仕事をがんばるぞ!」と気負いすぎの人もうまくいかないことが多いそうです。
「『ヘルパー2級の資格を取ってきました』と張り切っていても、1日で辞めてしまったりする人もいます。勉強したことと、実際に現場で仕事をするのとではかなり違いますから、未経験の方には資格があるなしにかかわらず、現場での厳しさをまずお話をさせていただくことが多いです」(奥田さん)
介護で働く理想像ばかり思い描いても、現実はかけ離れていくばかり。未経験であればなおさら、まずはプレーンな気持ちで採用に臨むことが大切かもしれません。そして現場の厳しさは、先輩や利用者さんとのコミュニケーションや話し合いで解決できると言います。それは、奥田さんが人間性とコミュニケーション能力を大切にしているというお話(
第2回目)につながっています。
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