毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「女性が多い介護業界に転職して良かった!」という話題を紹介します。
介護業界は女性が7割以上!
介護業界の特徴の1つは、
女性スタッフの割合が極めて高いこと。「平成30年度 介護労働実態調査結果」(公益財団法人 介護労働安定センター)によれば、介護職員の77.7%が女性で、訪問ヘルパーに限れば、その数字は88.0%まで跳ね上がる。
都内の介護付き有料老人ホームに勤めるヒラタさんは、他の業種からの転職組だが、
「介護業界は女性が多くて良かった」と、心の底から痛感した瞬間があったという。
新卒入社した企業での緊張とストレス
ヒラタさんは都心のオフィス街にある一流企業で働いた経験の持ち主。幼い頃からバリバリと働くことを夢見てきた彼女だったが、男性が多い職場は緊張とストレスの連続だったという。
当時の仕事についてヒラタさんはこう語る。
「私は大学で英文学を学び、卒業後は英語力を生かす仕事がしたいと考えて、通信系企業に入社しました。
同期は8割が男性で、女性の総合職はわずか数人。
新入社員研修では男性と同じハードなメニューを課せられたのに、いざ部署が決まると、職場でお茶くみをするのは何年たっても私の役割でした」
今なら男女差別として問題視されること必至だが、ヒラタさんが入社したのは20年以上前。『女性だから』という理由でお茶くみをするのは当然、という雰囲気だったという。
結婚したら厄介者扱いされて、退職を決意
ヒラタさんが華やかなキャリアをあっさり捨てたのは、結婚がきっかけだったそうだ。
「男性の上司に結婚することを伝えると、『おめでとう』と言われる前に『仕事はどうするんだ?』と言われました。男性の同僚からも『いつまで働けるの?』『今は忙しい時期なのに』など、まるで厄介事のように言われたのは一生忘れません」
露骨に退職を促され、愛想が尽きて会社を辞めたヒラタさん。そんな彼女が転職先として選んだのは介護業界だったが、転職2年目に転機が訪れる。
転職2年目に“おめでた”!上司に妊娠を伝えると…
「施設で働き始めて2年目に赤ちゃんを授かったんです。前の職場で上司や同僚に結婚を伝えた時のことがトラウマで、妊娠したことを伝えるのが怖かったのですが、報告しないわけにはいきません。
チーフに妊娠したことを伝えると、彼女は『みんな集まって!』『ヒラタさんが“おめでた”よ』と、我がことのように大喜びしてくれ、他のスタッフも一斉に『おめでとう!』『良かったね』『頑張ってね』と、温かい声をかけてくれました」
本来ならこれが当たり前の光景だが、ヒラタさんにとって周囲のお祝いの言葉は驚きだった。妊娠するまでは、スタッフが女性ばかりなのを嫌だと思うこともあったが、今では感謝しかないという。
妊娠・子育てに理解のある女性スタッフばかりで安心!
「周りの女性スタッフは出産経験がある方も多いので、『つわりは大丈夫?』『無理しないでね』と、常に優しい言葉をかけてくれました。
これまで気が合わないと思っていた後輩の女の子が、『重いものなんか持っちゃダメじゃないですか』と言って代わりに荷物を持ってくれた時は、感激して泣いてしまいました」
もちろん、男性スタッフにも心優しい人はいくらでもいるが、「妊娠」という状況に関して、同性である女性スタッフの気遣いには敵わない。
妊娠や出産を理由に女性に不利益を強いる「マタハラ」は一向になくならないが、女性スタッフが圧倒的に多い介護業界では、妊娠や出産への理解がある職場が多い様子。
介護業界は男性ももちろんウェルカムだが、女性にとって働きやすい要素があるのは間違いないようだ。
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