毎回、ちょっと困った介護スタッフの珍行動や、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は「これだから介護施設は辞められない?」という話題について紹介します。
「介護職以外考えられない!」と語るEさん
日本語には「適材適所」という言葉があるように、その人にピッタリな仕事に就けるのはとても幸せなこと。
介護施設のスタッフとして20年近くも働いている女性Eさんは、「この仕事以外は考えられない」と語るほど、介護の仕事が自分に合っているという。
その意外な理由とは、いったい何なのか?
Eさんは20代で結婚し、3人の子どもを持つ50代の女性。
子どもの手が離れた30代の頃から介護施設で働くようになったEさんは、こんな経緯で介護業界に飛び込んだのだという。
「私は実家がお寺で、その手伝いを小さい頃からやらされていました。
そして自営業で花屋をやっている夫のもとに嫁ぎ、結婚後は夫や義父母とともに花屋も手伝っていましたが、不景気で売り上げが大幅にダウン。
夫に『お前は外で稼いでこい』と言われ、見つけたのが今の介護施設でした」
お寺や花屋にはない、介護施設の良い点とは?
もともと「勉強するぐらいなら、家の手伝いをしろ」という家庭で育ち、「勉強はさっぱりダメ」。それに、家の手伝い以外の仕事がはじめてというEさん。
しかしある経験から、介護施設では戸惑いを覚えることはなかったそうだ。
「入った当初から『何でそんなにお年寄りと上手に話せるの?』って周りの介護スタッフに驚かれました。
自分では考えたこともなかったんですが、小さい頃から、実家のお寺にお墓参りに来る人、お葬式や法事でやって来る人などのお世話をしていたので、年配の方と話すのは“当たり前のこと”だったんです」
しかしEさんが語る“一番気に入っている点”は、意外なことだった
「介護施設の何が良いって、冷暖房完備の場所で働けることよ!
実家のお寺は、夏は暑いし冬は寒いし、雑草は抜かなきゃいけないし、虫には刺されるし。
嫁いだ先の花屋は、水仕事で手は荒れるし、ナメクジや毛虫は出てくるし。
でも今の仕事は、冬は暖房、夏は冷房が効いてるでしょ?
ここで仕事を始めた時、『ここから二度と出たくない』って思ったわよ(笑)」
世のオフィスビルは、今や大半が冷房や暖房は常識であり、「冷暖房完備」に惹かれる人はあまり多くはないと思われるが、“当たり前”になっていると気づかないメリットというのはあるようだ。
公開日:2017/2/20
最終更新日:2019/5/11