毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「売り手市場の今、吟味せず職場を決めるのは損!」という話題について紹介します。
売り手市場=介護職の方が、職場を選べる立場
昨年、米・大リーグのニューヨーク・ヤンキースから日本球界に復帰した黒田博樹投手は、20億円とも言われるオファーを蹴って、数分の一の給料の古巣・広島カープに戻り、その”男気“が話題になった。
一般的には、どんな職業であれ、少しでも良い条件の職場を探すのは自然なことといえる。しかし、条件以外にも、職場選びには重要なことがある。
いま現在、介護の世界は人手不足が恒常的に続く、売り手市場。つまり、仕事を探している求職者側が職場を選べる状態だ。面接に行くと、待ってましたとばかりに採用が即決定し、早速来週から来てほしい、などと言われるケースもある。
採用決定がスピーディーなのは喜ばしいこと。しかし働きはじめてから、もっといい職場があったのに…、とか、もっと考えればよかった…と後悔したのでは意味がない。
せっかくの売り手市場、選べる立場だからこそ、職場選びは慎重にしてほしい。
これまで十数年のキャリアの中で数か所の事業所を渡り歩き、現在は都内の事業所で採用を担当しているHさんは、経験からこう語る。
「まず、求人情報を見るときには、仕事内容をしっかり見る必要があります。事業所をよく調べず、給与と「自宅から近い」という条件だけで決めてしまう人が少なくないんですよね。同じ介護の仕事でも、職場によって仕事内容はかなり違います。
あと、『アットホーム』とか、『やりがいがある』などの雰囲気系ワードは、人によって感じ方が違います。給与1200円とか、徒歩10分とかと違って、数値にもできませんし。雰囲気に魅力を感じた人は、面接で具体的な内容を確認したり、下見して自分で雰囲気を体感した方がいいですね」
面接や職場の下見で、ココをチェック!
さらに彼女はこう語る。
「面接や、職場の下見に行った時に、スタッフの表情をチェックしてみて下さい。いかにもギスギスした雰囲気なら、入職しても居心地が悪いことが想像できます。それに、目が合ってもスタッフが挨拶してこないようなら、マナー教育がなっていないかも。施設には利用者の親族なども出入りしますから、見慣れない人でも挨拶するのが基本です。
あとは、スタッフ同士が話している様子を見てみて下さい。利用者や家族には愛想が良くても、スタッフ同士の会話がとげとげしかったり、乱れているようなら…一緒に働きたいと思えますかね?」
Hさんによれば、「最低でもパンフレットやホームページはしっかり見る。さらに職場の見学もさせもらうこと。その手間を惜しんだり、事前見学なんてずうずうしい?と遠慮してしまうと、働き始めてから、結局辞めることになるかも」と言う。
自分が長く気持ちよく働ける職場を見つけるには、やはり自分の目でしっかり確認し判断するのが、一番重要と言えるだろう。
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