毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。今週は、「介護業界、人手不足で生まれるこんな働き方!」というネタについて紹介します。
昨年までならこの時期にはすでに大学生が対象となる就職説明会は終了していたが、今年(2016年卒業予定)からは、いわゆる「就職活動解禁」が3月1日となり、大幅に後ろ倒しされた。
リクルートキャリアの昨年12月の発表によると、2015年春卒業の大学生の就職内定率(就職内定取得者数÷就職志望者数)は90.7%で、前年同月より4ポイント以上も高くなっているが、そのような“売り手市場”の煽りをもろにくらっているのが介護業界だ。
厚生労働省が昨年12月26日に発表した2014年11月分の「一般職業紹介状況」によると、全国の介護職の求人倍率は2.42倍、東京都は4.34倍に達しており、雇う側が働きたい人を取り合う状況となっている。
とかく「キツい」「賃金が安い」などとささやかれがちな介護業界。売り手市場の就職状況で、人気薄なのは驚くことではない。しかし、こうした状況を上手に利用している人もいる。都内の事業所でヘルパーとして働いている30代の女性・Hさんはこう語る。
「自分はもともと、他に夢があるんです。その夢のために、今はがっちり稼ぎたいと思って、介護と飲食店のバイトを掛け持ちしています。掛け持ちなので、勤務時間などでかなり自分勝手なことをお願いしちゃってますが、基本的にほとんど認めてくれていますね。『人手が足りない』が職員の口癖みたいな事業所だからだと思います(笑)。」
Hさんはヘルパーとして働きながら、夜は飲食店でバイトをし、せっせとお金を貯めて自分のお店(=飲食店)を持つという夢に向かっている。彼女は、「職員を募集している事業所は近所に他にもありますし、自分の年齢と経験なら、転職活動をしても必ずどこかで採用してもらえるはず」と語っており、人手不足ゆえ、ある程度のワガママが通るヘルパーの仕事は、彼女にとって非常に都合が良いのだという。
またHさんのしたたかさは勤務時間中にも発揮されている。Hさんはこう語る。
「私も労働条件ではワガママ言ってますけど(苦笑)、お年寄りの利用者さんもワガママな人が多いんですよ。でも、そういう人たちと日々接していると、自ずと対処法が分かるようになってくる。『聞き流せばいいんだ』とか『すぐ謝ればいいんだ』とか、逆に怒った方がいい人もいる。将来お店をやろうと思っている自分には、全部が勉強になる。
それに、お年寄りが自分の人生経験から話してくれることがとっても役に立つこともあるし、中には自分が料理人だったり、飲食店をやっていた人もいて、私が『将来お店をやりたい』っていうことをポロッと話すと、それこそ我が子のように親身にアドバイスをしてくれる人もたくさんいます。そんなことは他の職業では絶対にありえない」
職場には、他にもヘルパーをやりながら劇団員として女優を目指している人もいるそうで、「夢を目指す人には居心地の良い職場かも」と語るHさん。
“雇う側”にしてみれば、業界の人手不足は憂うべき事態。だが、働く側にとっては、意外なメリットや活用法も生まれているようだ。
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