毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「転職で気になる『職歴の汚れ』」にまつわる話題を紹介します。
あなたは気になる?「職歴の汚れ」
就職や転職をする際、必ず必要となるのが履歴書。
学生時代から色々なアルバイトを経験してきた人は、数え切れないほど履歴書を書いてきたかもしれない。
履歴書にウソを書くことはもちろん許されないが、転職回数が多い人が気にするのが「職歴の汚れ」と呼ばれるものだ。
「職歴が汚れている」ってどういうこと?
都内の訪問介護事業所で、ヘルパーの採用や面接を担当するタナカさんは、自身が複数回の転職を経て、介護業界に飛び込んだ40代の女性。
勤務歴が長くなり、社内のポジションも上がるうちに、採用も担当するようになったが、当初は「職歴の汚れ」という言葉を知らなかったそうだ。
「ある時、かなり短いスパンで介護施設を転職している応募者がやって来て、面接でもあまり良い印象を抱かなかったので、上司に相談したところ、履歴書を眺めながら『
職歴がずいぶん汚れてるわね』と言ったんです。
私の反応を見た上司はすぐに、『履歴書の用紙や字が汚いって意味じゃないわよ。
転職回数が多いってことよ』と教えてくれ、意味を理解しました。
失礼な単語なので、応募者に面と向かって言うことはありませんが、応募者の方から『汚い履歴書で恥ずかしいのですが……』というセリフを聞いたことはあります」
「職歴に汚れ」=「転職回数が多い」は採用に不利?
確かに、1年足らずで退職を繰り返していれば、「どうして?」と、理由を聞きたくなるのももっともだ。
転職回数が多い人は、本当に採用を見送られてしまうことがあるのだろうか?
タナカさんいわく、退職した理由についてしっかり答えられれば、いわゆる“汚れた職歴”は問題にならないという。
「かつては転職というとマイナスイメージがつきまといましたが、今や有名企業でも経営不安がささやかれる時代。
終身雇用という言葉などまったく信用できなくなっていますから、転職にネガティブな印象を抱く人はいないでしょう。
もし、転職回数や在職期間の短さが気になるのであれば、職務経歴書を添えて、以前働いていた会社での
仕事内容や退職理由などをきちんと説明すると良いでしょう。
逆に言えば、それがしっかり説明できないなら、採用から遠ざかるのは当然です」
面接中に履歴書より重視している3つのポイントは?
「ただ、私が面接する時は、履歴書はあくまでも参考程度で、
『きちんと
志望理由が言えるか』
『仕事を
長く続ける意志はあるか』
『
コミュニケーション能力に問題はないか』
など、話してみた上での印象を一番大切にしています。
もちろん、これまで身につけてきたスキルも重要ですが、介護の仕事はコミュニケーションがすべての基本ですから、どれだけ“きれいな職歴”でも、人の目を見て話せないような人は信用できません。
それは他の介護系の会社でも同じだと思いますよ」
過去は消せないものだけに、職歴の多さを指摘されたら辛いが、面接はそれを逆転できる場だということ。
転職理由をしっかり説明できれば、むしろアピールポイントにすることも可能なので、必要以上に過去の経歴にコンプレックスを持つ必要はなさそうだ。
公開日:2019/9/16
最終更新日:2020/2/26
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