《 画像:「Change.org」より引用 》
要介護1と2の高齢者に対する訪問介護、通所介護のサービスを、現行の介護給付から市町村の「総合事業」の枠組みへと移管する構想をめぐり、「認知症の人と家族の会」による反対のオンライン署名運動に支持が集まっている。1日16時の時点で2万9065人が賛同。Twitterでは一時、「#要介護1と2の保険外し」がトレンド入りした。【Joint編集部】
この構想は、次(2024年度)の介護保険制度の見直しに向けて財務省などが具体化を求めているもの。狙いは膨らみ続ける介護費の抑制にある。
総合事業の特徴は、運営する市町村が地域の実情に応じてサービスの運営基準や報酬などを独自に決められる点。全国一律のルールに基づく介護給付と異なり、例えば地域の住民やボランティアを主体とするなど人員配置を緩和しつつ、その分だけ低い報酬を設定することも可能だ。現行では、要支援の高齢者に対する訪問・通所などがこの枠組みで運営されている。
地域の多様な資源・人材を活かす仕組みを作れたり、より効率的な体制を実現できたりする一方で、課題も少なくない。報酬の低さもあって請け負う担い手が十分に存在しないこと、サービスの質が低下しやすいことなどを指摘する声が多く、地域による多少の違いはあれど、総じてまだまだ発展途上と認識されているのが実情だ。このため介護関係者の間では、この総合事業を要介護1と2の訪問介護、通所介護にも拡大する構想への慎重論が大勢を占めている。
家族の会はオンライン署名サイト「Change.org」で、「制度はあってもサービスが使えないものになってしまう」と問題を提起。「到底容認できない」と訴えている。
※ 家族の会はこのほか、介護の利用者負担の引き上げを見送ることもあわせて主張している。
政府は9月28日の「全世代型社会保障構築会議」で、このテーマを今後の論点として扱っていく方針を明示。厚生労働省に対し、社会保障審議会などで検討を深めていくよう要請した。次の介護保険制度の見直しでどう対応するのか、厚労省は年内に大枠の方針を固める予定だ。
<介護のニュースサイトJOINT 2022年10月1日>
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