■書名:ケアマネ一年生の教科書―新人ケアマネ・咲良ゆかりの場合―
■監修:後藤佳苗
■漫画:鈴村美咲
■出版社:株式会社ユーキャン学び出版、自由国民社
■発行年月:2017年10月
>>『ケアマネ一年生の教科書―新人ケアマネ・咲良ゆかりの場合―』の購入はこちら
新人ケアマネの奮闘記をマンガで紹介!ケアマネの仕事がわかる入門書
ケアマネジャー(ケアマネ)の仕事ってどういうもの?そんな疑問に、マンガを使ってわかりやすく具体的にイメージさせることで答えていくのが本書だ。
本格ストーリーマンガを軸に、新人ケアマネが押さえておきたいポイントが解説されている。
また、文章や図表での補足説明も充実しているので、ケアマネ入門書として十分に役に立つ内容だ。
主人公は、ケアマネ試験に合格したばかりの新人ケアマネ、咲良ゆかり。
これまでのサービス提供責任者の仕事とは違うケアマネの仕事にとまどい、失敗も重ねるが、同じ訪問介護事業所で働く先輩ケアマネの的確なアドバイスに助けられながら、少しずつ成長していく物語だ。
マンガには、ケアマネの業務について細部までリアルな設定で描かれており、ストーリーを追っていくことで、ケアマネに必要な基本的な情報や知識をもれなく得ていくことができる。
ストーリーは次のように展開。(カッコ内は、それぞれのパートに付属するコラムの主な内容)
プロローグ 合格しちゃった(ケアマネ試験から実務開始までの流れ・実務研修の内容)
Part1 ケアマネの一日(ケアマネの業務概要・スケジュール管理・1ヶ月の予定)
Part2 新規を任された(アセスメントの基本・アセスメントの23項目)
Part3 書くのが大変(ケアプラン原案作成の基本・個人情報保護について)
Part4 サービス担当者会議です(サービス担当者会議の基本・サービス担当者って?)
Part5 爆発しそう…(ケアプラン失敗例・ケアマネ失敗談)
Part6 その後どうですか?(モニタリングの基本・ケアプランを見直す)
エピローグ この仕事が好き!(障害高齢者・認知症高齢者の日常生活自立度判定表)
ケアマネが経験していくことになる業務を、ステップごとにまずはマンガで手早くリアルにイメージ。
その後に続くコラムで、マンガでは説明しきれなかった内容について文章を読んで理解していく。
このような二段構えの構成となっている。
ケアマネ試験に合格したばかりの人にとっても、これからケアマネを目指そうとしている人にとっても、理解しやすく記憶にも残りやすい構成だ。
コラムでは、ケアマネの業務に必要な知識やチェック内容を詳細に解説。
たとえばPart3のケアプラン原案作成の項目では、標準様式の第1表から第7表までのすべてを見開きで掲載。それぞれの欄にどのような内容を書けばよいのかまで紹介されている。
このケアプラン原案の作成は、ケアマネの代表的な仕事の1つでもあるので、実際の書き方がていねいに解説されているのはありがたい。
またPart5には、介護現場で起こりがちなケアマネの失敗例が数多く紹介されている。マンガを読むことで失敗をイメージしやすく、より身が引き締まる思いをしそうだ。
コラムにも、さまざまなパターンの失敗と先輩ケアマネからのアドバイスが載っているので、日々の業務に大いに参考になるだろう。
目で見てイメージしやすいという、マンガならではの利点が生かされており、わかりやすさは抜群だ。
それでいて、コラム部分が充実しているため、実用的な面も持っている。
マンガとコラムを上手に組み合わせた良書と言えよう。
ケアマネを目指す人、ケアマネとして働き始めたばかりの人だけでなく、ケアマネ業務のコツやポイントを再確認したい人も、一度手に取ってみるとよいだろう。
監修者プロフィール
後藤 佳苗(ごとう・かなえ)さん
あたご研究所代表。看護学修士(地域看護学)、保健師、介護支援専門員、千葉県介護支援専門員指導者、千葉県介護予防指導者、千葉市認知症介護指導者、特定非営利活動法人千葉県介護支援専門員協議会理事。千葉県内を中心に、介護職・看護職などに向けて年200回以上のセミナーを実施。主な著書に『記載例で学ぶ居宅介護支援経過~書くべきこと・書いてはいけないこと~』(第一法規株式会社)、『法的根拠に基づく ケアマネ実務ハンドブック【介護報酬・加算減算編】』(中央法規出版)など多数。
漫画家プロフィール
鈴村 美咲(すずむら・みさき)さん
商業漫画、イラスト、広告などを中心に活動。また、漫画アシスタントとしても活動している。