■書名:事例とQ&Aでわかる ケアマネジャーのための医療連携ガイド
■監修:一般社団法人日本ケアマネジメント学会 認定ケアマネジャーの会
■出版社:中央法規出版
■発行年月:2019年6月
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ケアマネは介護と医療の連携の要!スムーズな支援のために今すぐ使える1冊
介護と医療の連携について、課題を感じながら働いているケアマネジャーは少なくないのではないだろうか。
病院、かかりつけ医、訪問看護師、薬剤師、リハビリ職、訪問歯科など、連携が必要となる場面はさまざまだ。基本的な利用者情報の引継ぎのようなことでも、スムーズに行うのは簡単ではない。
本書では、ケアマネジャーがどのように医療関係者と連携を図っていけばよいのかを具体的に解説。
認定ケアマネジャーが中心となって執筆したものなので、ケアマネジャーの立場で実践的に学ぶのに絶好の1冊となっている。
本書は次の5章からなっている。
第1章 医療と連携するために
第2章 医療連携に係る介護報酬と診療報酬
第3章 医療連携の実際
第4章 Q&A―こんな時どうする?
第5章 資料編
第1章、第2章のように知識を学ぶページも読みやすくわかりやすいが、現場をよく知る介護職にとっては、第3章、第4章がより実践的で頭に入ってきやすいかもしれない。
特に第3章の
「医療連携の実際」は、本書の約半分のページを占める主要部分で、具体的な事例をふんだんに織り込みながら解説が展開されている。
たとえば
訪問看護との連携では、
「事例1 退院前カンファレンスの実際」
「事例2 看取りにおける医療連携の実際」
「事例3 精神科訪問介護との連携の実際」
の3つの事例を使って、連携の流れと連携の実際についてていねいに説明がされていく。
第4章の
「Q&A―こんな時どうする?」が一番使えると感じるケアマネジャーも多いのではないだろうか。
介護の現場で出会いがちな問題を豊富に取り上げ、それぞれQ&A形式で解説してあるので、自分が課題と感じている内容から読み進めていくことができる。
Q&Aの項目は全部で40。次のような質問に回答している。
<Q5>初めての利用者の担当になった時、主治医にどのタイミングで挨拶に行くのがよいでしょうか? 挨拶に行く以外の連携のポイント、マナーを教えてください。
<Q13>ヘルパーから「薬が飲めていないみたい」との報告を受けた場合、どうすればよいでしょうか?
<Q38>利用者が、食事や服薬、通院やデイサービス等への通所を拒む場合、医療とどのように連携することが必要でしょうか?
かゆい所に手が届くような質問も多く、現場をよく知る執筆者ならではと言えよう。
それぞれの質問に対して、まず2~3行で簡潔に回答されていて読みやすく、ていねいな解説はその後に続いている。
各章の終わりには、日本各地のケアマネジャーによる医療連携の取り組みが、コラム形式で紹介されている。地域性はあるものの、同じケアマネジャーとして工夫を重ねてきた実践の記録からは、学べることも多いだろう。
第5章には、
オリジナルの「入院入所時情報提供書」や「退院連携シート」などを収録。
所定のフォームがない現場なら、是非とも利用して連携を改善したいところだ。
医療連携をスムーズにするためには何をすればよいか、必ずヒントが得られる1冊と言えよう。
監修者プロフィール(引用)
一般社団法人日本ケアマネジメント学会 認定ケアマネジャーの会
『認定ケアマネジャー』の資格を取得し、登録された人々のスキルアップ活動を支援する組織。認定ケアマネジャーの会では、会員の認定ケアマネジャーに対し、より高度なケアマネジメント能力を身につけるための自己研鑽の場を用意し、介護支援専門員に対する実践的な支援および指導ができるような質の高い人材の育成を目指している。