たこ焼きの製造・販売からデイサービスの職員へ。介護の仕事を選んだのは、将来設計への深い思いがあってこそでした。3人の子どもを育てながら介護業界に飛び込んだTさんのお話を伺います。お話を伺った介護士さん
Tさん(40代後半・女性)
■どんな仕事をしていましたか?
デイサービスの職員として送迎、お茶や食事の配膳、食事介助、入浴介助、体操、レクリエーションなど一通りのことをやっていました。小さな事業所なのでなんでもやらせてもらえ、自分の力になったと思っています。
■仕事のスケジュールを教えてください。
<1日のスケジュール>
8:30 送迎する利用者さん宅のルートの確認をして車でお迎え
9:20 利用者さんと事業所に戻る
9:30 テレビや新聞を見たり、塗り絵をする利用者さんの見守り。入浴介助も行う。
12:00 食事介助 自分も利用者さんと一緒に同じものを食べる。
13:00 休憩 休憩室で仲間と過ごす
14:00 ラジオ体操、ゲームなど。ペットボトルでボーリング、壁に貼る飾りなどを利用者さんと共同制作することも。
15:00 おやつの提供
16:15 利用者さんを自宅に送る
17:05 事業所に戻る
17:30 報告所を書き、退社。
■以前はどんな仕事をしていましたか?
たこ焼きのチェーン店でたこ焼きを焼き、販売する仕事をしていました。実家がたこ焼きの個人店だったので、たこ焼きを焼くのは得意でした。一番下の子がまだ幼稚園に入ったばかりだったので、パートで働けるところ、フルタイムでなく休みやすいところと考えて、職場を選びました。
■介護職に転職したきっかけは?
たこ焼き店で働いているときから、一番下の子が小学校に入る前には、介護の仕事に就きたいと思っていました。母親が介護を受けていて、家に訪問ヘルパーさんが来ていて、「こういう仕事があるのか」と知りました。
主婦としての経験が生かせるのに専門性も高く、経験を積んで国家試験を受け、キャリアアップすることもできる。在宅介護・施設と仕事先も幅広く選べるし、転居をしてもどこでも仕事ができるのもよいと思いました。
そこで、ヘルパー2級の資格を取り、下の子が幼稚園年長のときに、介護専門の求人サイトで紹介してもらったデイサービスに就職しました。
■介護職としての仕事に不安はありませんでしたか?
高齢の方と接する仕事をしたことがなかったので、ヘルパー2級の資格を取ったとはいえ、「大丈夫かな」と少し不安でした。車にお乗せして送迎もするので、安全に怪我がないようにと緊張感もありました。
また、子どもたちが幼稚園年長、小学校4年、6年だったので、たこ焼き店よりも勤務時間が長くなることが「寂しくないかな」と心配でした。
■転職後、その不安は解消されましたか?
仕事内容に関しては、先輩がたくさんいらっしゃったので、不安に思うことはその都度教わることができ、不安は解消されていきました。
子どものことは特に一番下の子がまだ未就学だったので心配でしたが、同じ幼稚園で仲良くしていた子のママが、「うちの子と一緒に遊ばせておくから大丈夫よ」と応援してくれたので、とても助かりました。仕事が終わると、その子の家に子どもを迎えに行っていました。
デイサービスの管理者は私に子どもがいることを考慮してくれて、子どもの急な発熱や学校行事のときなどは「休んでいいですよ」と言ってくれましたし、職員の人間関係もよかったので、結局私は6年間その事業所で勤務しました。
■転職する前に準備したことはありますか?
ヘルパー2級を取ったこと。また、就職前にインターネットなどで仕事内容を調べ、介護に関する本も読みました。子どもが3人いたので「夜勤はできない、しかし正社員になって安定した収入は欲しい」というのが条件だったので、その条件に合うのはデイサービスだということも、インターネットや本で知識を得たからわかったことでした。
■それはうまくいきましたか?
求人サイトでは、家から近いデイサービスを中心に探してもらいました。2つの仕事先を提示していただき、両方面接を受けたのですが、先に決まったこぢんまりした事業所が自分に合っていると思い、そちらに決めさせてもらいました。
車の免許持っていて送迎ができたことも、就職にプラスに働いたと思います。それらも、あらかじめ知識を得ていたからこそで、やはり自分なりに業界のことを少し勉強しておくことは大事だと思いました。
■介護事業に転職してよかったことは何ですか?
デイサービスで勤務している間に体調を崩して退職したんですが、その後は体調と相談しながら老健に勤務したり、訪問ヘルパーをやったりと、自分の健康や家族の意向なども考慮しながら仕事先を選んできました。
そのように自分の生活を大事にしながら働けるのが、この仕事のよいところだと思っています。デイサービスに勤務中、介護福祉士の資格を取ったので、手当がつき、信頼されて働けるのも仕事のモチベーションになります。
そして、介護や医療の知識がつき、自分の健康を見直すことができました。特に食べるものに関して、添加物の少ないものを選び、小麦や砂糖を摂りすぎないように、など、気をつけるようになりました。家族のためにもよかったと思います。
■転職して大変だと思ったことは何ですか?
大変というほどではないのですが……、私は髪色を明るくしたり、ネイルをしたりするのも好きなのですが、高齢者の利用者さんをお相手にするので、かつては両方ともNGのことが多かったんです。
しかし、最近では髪色などについては問わないところも増えてきました。副業OKのところも増え、個性を生かしながらさまざまな働き方ができる法人が増えてきた、と感じています。
現在、障害分野の作業所に勤務していますが、ここは服装やヘアスタイル、ネイルなどもかなり自由です。ただ、高齢者向け介護とはまた違う知識や経験も必要で、精神障害や知的障害についても改めて勉強をしているところです。少し大変ですが、自分の知識も広くなるので、ありがたいことだと思っています。
■これまでの経験やスキルで転職後に役立ったものはありますか?
夏祭りなどのイベントで、「たこ焼きを焼いて」とリクエストされることが多く、実際に焼いて楽しんでもらっていました。みなさんに「すごい、おいしい」と褒められるのでうれしいですし、利用者さんと仲良くなるきっかけも、たこ焼きが作ってくれます。
■今後の目標や、やりたいことはありますか?
今、私は介護福祉の仕事のほかに、キャンドルを作ってネットショップやマルシェで販売したり、化粧品のアドバイザーとして商品販売をしたりと、複数の仕事をしています。
パラレルにいくつかの仕事をしていると、それぞれの場で刺激をもらい、それが他の仕事にもいい影響をもたらすのを感じています。
今後も自分らしくさまざまな仕事に関わり、自分を成長させていき、利用者さんにとっても魅力的な人間になりたいと思っています。
社会福祉士、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級。
幅広くライターとして活動中、親の介護を機に2012年に社会福祉士国家資格を取得。以後、法定成年後見人として支援が必要な方の財産管理や身上監護も行う。
現在は介護、医療、教育、子育て、食などのテーマを中心にWEB・雑誌・書籍などの記事執筆を多数担当。
社会福祉士、介護職員初任者研修、福祉住環境コーディネーター2級。
幅広くライターとして活動中、親の介護を機に2012年に社会福祉士国家資格を取得。以後、法定成年後見人として支援が必要な方の財産管理や身上監護も行う。
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