管理栄養士とは栄養に関するプロフェッショナルです。栄養士と並んで名前を聞くことがありますが、管理栄養士・栄養士にはそれぞれどのような業務・役割があるのでしょうか?この記事では、管理栄養士と栄養士の違いや仕事内容、給料などを徹底解説します。管理栄養士を目指したいと考えている方は確認してみてくださいね。
1 管理栄養士とは
2 管理栄養士と栄養士の違い
3 管理栄養士の仕事内容
4 管理栄養士の働き方
5 管理栄養士の給料
6 管理栄養士になるには
6-1 管理栄養士の必須資格
6-2 学生から管理栄養士になる方法
6-3 社会人から管理栄養士になる方法
7 管理栄養士は栄養に関するプロフェッショナルです
管理栄養士とは栄養に関する専門的な知識を用い、栄養指導や栄養管理を行う職業です。健康な方からケガや病気の療養中の方まで幅広い方を対象とし、1人1人に合わせた栄養のサポートをします。管理栄養士は、食事の力で対象者の栄養状態を良くすることが主な仕事です。
栄養士法第一条には、管理栄養士は下記のように定義されています。
e-GOV法令検索「昭和二十二年法律第二百四十五号 栄養士法」
戦後、食糧不足に陥った国民の栄養状態を改善するために、栄養に関する知識を有する職業の需要が高まり、1947年に栄養士法にて栄養士という職業が既定されます。その後、栄養士の人数は徐々に増えていき栄養士をまとめるための職業が必要に。こうして1985年に管理栄養士という職業が誕生しました。
2000年には栄養士法が一部改正され、管理栄養士が登録制から免許制に、また、管理栄養士の業務が明確に規定されたことで、栄養士と管理栄養士の違いが明確になりました
現在では管理栄養士は健康な人だけでなく、病人やケガ人に必要な栄養指導を行なうなど、栄養のスペシャリストとして活躍しているのです。
管理栄養士と栄養士の一番大きな違いは免許の種類です。
管理栄養士は厚生労働省が認定する国家資格であるのに対し、栄養士は都道府県知事が認定する都道府県知事免許です。
また、国家資格である管理栄養士の場合、管理栄養士にしかできない業務があります。
栄養士は主に健康な方向けの栄養指導を行なうのに対し、管理栄養士は病人やケガ人など、病院に通う患者にも栄養指導を行なえます。さらに、メタボリックシンドロームの該当者や予備軍に対する特定保健指導も管理栄養士のみが行なえます。
国家資格であり、傷病者への栄養指導も行なえる管理栄養士。
管理栄養士の具体的な仕事内容は下記の通りです。
ここでは、管理栄養士の仕事内容について詳しく解説します。
食育とは、子どもたちが食に関する正しい知識や食習慣を身に付けるための教育のことです。近年、偏った栄養摂取や食生活の乱れにより、子どもたちの健康に関する問題が深刻化しています。こういった現状を踏まえ、文部科学省が推進しているのが学校における食育です。
教員免許と栄養士・管理栄養士資格を保有していると、栄養の知識を持つ教師「栄養教諭」として子供たちに食事・栄養に関する指導を行なえます。
管理栄養士の資格だけではなく、教員免許も必須であるため、栄養教諭になるには免許取得のために学校に通わなければなりません。
栄養教諭は、肥満や偏食、食物アレルギーがある児童に対して個別で指導したり、学級活動や学校行事等の時間に食に対する指導を行なったりします。
栄養指導とは食事に関する不安が軽減されるよう、食事に関する相談にのったり個々に合わせた食事内容を提案したりすることです。
管理栄養士の場合、健康な人だけでなく、病院に入院している患者に対し、療養のために必要な栄養指導をも行ないます。
適切な栄養指導を行うには日々の勉強や教材の準備が欠かせません。
給食管理とは、施設を利用している方々に対して継続的に提供している食事を管理することです。給食は利用者の健康保持・増進を担うものであり、利用者の状況に応じた食事であることが重要になります。
管理栄養士は利用者が安心して食事をできるよう、栄養計画や食事計画に基づき、給食の品質を管理しなければなりません。
例えば、乳児院の給食では、子どもの嚥下機能に応じて離乳食・刻み食などの献立・調理法を考える。病院の給食では、固形物が呑み込めない人には流動食、塩分制限がある人には特別治療食を用意するなど、状況に応じて食事を管理します。
メタボリックシンドロームの該当者や予備軍など生活習慣病になるリスクが高い方を対象に、管理栄養士または保健師が指導を行います。
特定保健指導における管理栄養士の役割は、対象者の健康状態を把握し適切な食事を指導すること。例えば血圧が高めな方には、減塩するためにどのような目標を立てるか一緒に考え、支援をします。
対象者に対して直接指導を行なうため、カウンセリング力やコーチング力も大切です。
管理栄養士の働き方は勤務形態により異なります。
管理栄養士が希望できる勤務形態や1日のスケジュール例を紹介しますので、参考にしてみてください。
管理栄養士は常勤だけでなく、パートやアルバイトなどの非常勤としても勤務可能です。
下記のようにライフスタイルに合わせた働き方も望めます。
年代 | 勤務形態 | 仕事内容 |
20代 |
常勤 | 病院で栄養指導 |
30代 |
パート | 給食センターで給食管理 |
40代 |
常勤 | 企業で食事メニューの開発 |
50代 |
常勤(リモート) | 生活習慣に関する栄養指導 |
年齢に合わせた勤務形態がとれるのは、国家資格である管理栄養士ならではの魅力です。
スケジュールは施設によって異なります。ここでは病院でのスケジュールを例に挙げてみたので参考にしてみてください。
令和5年賃金構造基本統計調査によると、管理栄養士・栄養士の平均月給は268,100円、年収換算すると3,901,700円です。
日本の平均賃金318,300円と比較すると、管理栄養士・栄養士の給与は低い方であるといえます。
ただし、栄養士・管理栄養士は資格を保有していなければ名乗れないため希少性が高く、今後給料が上がっている可能性もあるでしょう。
学校や病院、企業など幅広い場で活躍する管理栄養士。
管理栄養士になるにはどのような方法があるのでしょうか?
ここでは、管理栄養士の必須資格やルート別の目指し方を紹介します。
管理栄養士の必須資格は「栄養士」「管理栄養士」の2つです。
管理栄養士として働くには、まず栄養士の資格を取得し、そのうえで管理栄養士の国家試験を受験します。
国家試験に合格してようやく管理栄養士の資格を取得できるのです。
学生から管理栄養士になる方法は管理栄養士ルートと栄養士ルートの2種類があります。
【管理栄養士を目指すルート】
管理栄養士ルートの場合、栄養士の免許取得後、実務経験なしで管理栄養士国家試験を受験できます。
一方、栄養士ルートの場合は栄養士免許取得後、1~3年の実務経験後に管理栄養士国家試験を受験できるようになります。
実務経験の年数は何年制の栄養士養成施設に通ったかにより異なります。
社会人から管理栄養士を目指す際には、昼間開講されている通学制の学校に通わなければいけません。
なぜなら栄養士の養成施設は現在のところ夜間や通信制の学校が認可されていないからです。
昼間に仕事がある正社員として働きながら管理栄養士を目指すのは難しい可能性があります。
もし働きながら学校に通いたいのであれば、「昼に学校へ行き、夜に仕事をする」もしくは「平日に学校に行き土日に仕事をする」といったサイクルをとりましょう。
管理栄養士は厚生労働省が認可した国家資格です。
健康な方だけでなく傷病者を対象とした栄養指導や、特定保健指導も行ないます。
病院や企業でも需要があるため、常勤ではなくパートやアルバイトとしても勤務可能。
ライフスタイルに合わせた働き方ができるのは、共働きが増えた現代では嬉しいポイントです。
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正社員や派遣、アルバイトなど雇用形態ごとのリサーチもできるため、理想の職場を探しやすいでしょう。
介護求人ナビを活用し、自身のライフスタイルに合った職場を探してみてくださいね。
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