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2023年01月25日

介護食士とは?管理栄養士との違いや仕事内容、資格の取得方法を解説

介護食士とは?管理栄養士との違いや仕事内容、資格の取得方法を解説
公開日:2021/10/20 最終更新日:2023/1/25

高齢者になると身体機能の低下によりケガや病気のリスクが高くなるため、食事には気を遣う必要があります。そういった高齢者のために介護食のメニュー考案や調理を専門に行なうための資格が「介護食士」です。この記事では介護食士と管理栄養士との違いから、介護食士の仕事内容、資格の取得方法まで徹底解説します。

目次

1 介護食士とは
2 介護食士と管理栄養士の違い
3 介護食士が活躍できる就職先・職種は?
4 介護食士の資格を取得するメリットは?
5 介護食士の資格を取得する方法
6 介護食士に関するよくある質問

介護食士とは

介護食士とは?

介護食士は、公益社団法人 全国調理職業訓練協会が認定する民間資格です。内閣総理大臣認定・公益事業として行われているため、将来性のある資格の1つといえます。

介護食士のカリキュラムでは、高齢者食品学食品衛生学はもちろんのこと、高齢者の食事と心理の関係性や調理方法などといった専門的な知識を身に付けられます。

介護食士の資格取得の勉強を通して、利用者の嚥下(えんげ)能力に合わせて特別食を提供したり、必要な予算を提示したりなどができるようになるでしょう。また、少量しか食べられない方に対し、必要なエネルギーをどのように摂取すればいいかなどの指導の方法も学べます。

食事とは栄養を摂取するだけでなく、「楽しむ」「喜ぶ」などの要素を脳へ送り、いきがいをつくる大切な要素でもあります。

つまり介護食士は、身体的な食事介助のみならず、精神的なサポートをする大切な役割も担っているのです。

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市販の高齢者向け食品、固さはどれくらい?「学会分類」「UDF」「スマイルケア食」の基準と上手な使い方

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介護食士と管理栄養士の違い

介護食士と似ている資格として挙げられるのが管理栄養士です。
介護食士と管理栄養士は資格を認定する団体や勉強する内容が異なります。

ここでは、介護食士と管理栄養士の違いについて具体的に解説します。

民間資格か国家資格か

介護食士が民間資格であるのに対し、管理栄養士は国家資格です。
民間資格は公益法人や民間団体が独自に認定したものですが、国家資格は国の法律に基づき一定の基準で認定されます。

国家資格である管理栄養士の受験資格を得るためには、管理栄養士の養成課程がある学校へ進学する必要があります。
一方、介護食士の場合は受験資格がありません。全国調理職業訓練協会が定める講習を受け、試験に合格できれば誰でも介護食士の資格を取得できるのです。

勉強する内容

管理栄養士は乳幼児期・青年期・高齢期など幅広い層の栄養指導や栄養管理などを行ないます。そのため、栄養に関する幅広い知識を学ぶ必要があります。
一方、介護食士とは介護食の専門家であり、高齢者の食事に特化した内容を学べるのが特徴です。そのため、介護施設で働く管理栄養士が、より専門的に介護食を学ぶために介護食士の資格を取得することもあります。

>>管理栄養士について詳しくはこちら<<

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介護食士が活躍できる就職先・職種は?

介護食士が活躍できる就職先・職種は?

誰でも取得を目指しやすい民間資格であり、介護食に関する専門的な知識を学べる介護食士。
介護食士の資格を取得すると、高齢者施設で活躍できる可能性があります。

ここでは、介護食士が活躍できる就職先や、就職する際の職種について解説します。

就職先

介護食士は介護食を提供することの多い高齢者施設で活躍できるでしょう。
介護食士の資格を活かした具体的な就職先としては以下が挙げられます。

・訪問介護事業所
・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
・介護老人保健施設
・デイサービス
・養護老人ホーム
・有料老人ホーム
・病院(調理現場)
・高齢者健康増進施設
・高齢者交流施設

上記の施設の中でも、食事提供を行う有料老人ホームデイサービスなどでは特に力を発揮できます。
そのほかにも、市町村やボランティア団体が行っているような高齢者健康増進施設高齢者交流施設など、多彩な施設で活躍できるでしょう。

職種

現在のところ、求人情報では「介護食士」という名前で募集があるケースは見られません
実際に介護食に関連する仕事に就職・転職する際には下記の職種で募集が出ていることが多いです。

・介護職員
・訪問ヘルパー
・調理師
・栄養士・管理栄養士

上記の職種に応募する際、介護食士の資格を持っていることをアピールすることで、戦力として見てもらえる可能性があります。
介護職員や栄養士として高齢者施設で働きたい方は、介護食士の取得を検討してみてください。

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介護食士の資格を取得するメリットは?

介護食士は介護食に関する専門的な知識を学べるうえに、多くの高齢者施設で重宝される資格です。
介護食士の資格を取得すると、下記のメリットも得られるでしょう。

・介護食の意義について根拠をもって理解できる
・利用者とのコミュニケーションの幅が広がる
・介護食の知識を有することを証明できる
・対応できる業務の幅が広がる

ここでは、介護食士の資格を取得するメリットについて詳しく解説します。

◆介護食の意義について根拠を持って理解できる
介護食士の資格を取得すると、介護食の意義など根本から理解できます。また、介護食の知識があると介護技術の自信にもつながることも。介護食に関して、職場で頼られる存在になれるかもしれません。

◆利用者とのコミュニケーションの幅が広がる
施設の利用者にとって、食事は楽しみの1つです。食事の希望を聞いたり、ときには提案したりなど、利用者とのコミュニケーションの幅が広がるきっかけになります。

◆介護食の知識を有することが証明できる
介護食士の資格自体は知名度が高いわけではありません。しかし、就職・転職時の面接では、介護食士の資格を取得していることをアピールすることで介護と食事の両方を勉強していることを証明できます。
近年では食事に力を入れている介護福祉施設も多いため、施設で重宝されることもあるでしょう。

◆対応できる業務の幅が広がる
高齢者施設における調理師の求人は、無資格で募集されていることもあります。
しかし、無資格で応募するよりも、介護食士の資格を持っているほうが採用につながる可能性は高くなるでしょう。
介護食士の資格を取得することで、活躍できる職場の幅が広がります。

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介護食士の資格を取得する方法

介護食士の資格を取得する方法

取得することで転職でも有利になることがある介護食士。
介護食士の資格を取得するには、講習会受講後に修了試験を受けて合格する必要があります。

講習を受講する方法は下記の2パターンです。

① 介護食士講座の講習会を行っている学校に入学し、受講する
② 一般の方を対象とした講習会を開講している施設で受講する

①は、栄養士や調理師などの資格を取るための学校に進学し、「介護食士のコース」を選択する場合などを指します。多くの方にとっては、②の方法で受講するのが近道となります。

介護食士の講習・試験の基本情報

介護食士の講習・試験の基本情報は下記の通りです。

資格区分

3級・2級・1級

受験資格

3級:誰でも受験可能
2級:3級取得者
1級:25歳以上かつ2級の取得後に介護食調理の実務経験を2年以上積んだ方

受験料

70,000~90,000円
(講習会開講施設によって異なる)

登録料

6,600円

試験会場

全国54か所の協会認定の認定校

合格率

非公開

問い合わせ先

全国調理職業訓練協会

介護食士の合格率は非公開です。
ただ、最初に挑戦する3級に関しては合格率が100%に近いといわれています。しっかり講習を受けて臨みましょう。

介護食士の講習・試験の内容

介護食士の講習のカリキュラムは下記の通りです。

■介護食士3級講習会のカリキュラム・内容
学科(計25時間)
・介護食士概論
・医学的基礎知識
・高齢者の心理
・栄養学
・栄養学基礎
・高齢者栄養学
・食品学
・食品学基礎
・高齢者食品学
・食品衛生学
・食品衛生学基礎
・高齢者食品衛生学

実習(計47時間)
・調理理論・調理実習の基礎
・調理理論・調理実習

■介護食士2級講習会のカリキュラム・内容
学科(計16時間)

・医学的基礎知識
・高齢者の心理
・栄養学
・食品学
・食品衛生学

実習(計56時間)
・調理理論
・調理実習

■介護食士1級講習会のカリキュラム・内容
学科(計32時間)
・医学的基礎知識
・関係法規
・栄養学
・臨床栄養学
・食品学
・食品衛生学

実習(計40時間)
・調理理論
・調理実習

学科により栄養学や医学に関する知識を学ぶほか、実習により調理の技術を身に付けます。

■試験
講習会終了後に、修了試験があります。

試験内容

筆記試験
実技試験

合格基準

筆記・実技ともに60点以上

また、試験を受けるためには講習会全日程の80%以上の受講が必要です。
講習の際には寝坊や遅刻をしないよう気をつけてください。

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介護食士に関するよくある質問

ここでは、介護食士に関するよくある質問に対して回答します。

介護食士に似ている資格はある?

介護食士に似ている資格として、介護食アドバイザーが挙げられます。
介護食アドバイザーとは、社団法人FLAネットワーク協会が実施する民間資格です。
食の多様化とともに変化し続ける食生活について学び、消費者が健康的な生活を送れるよう提案を行なういわば「食生活のスペシャリスト」。
衛生管理や食品表示、法律についてなど食に関する幅広い知識を学べます。

介護食アドバイザーについて、詳しくはこちらをご覧ください

食品についての基礎知識や衛生管理についても学べるため、高齢者施設や病院でも知識を活かせるかもしれません。
ただし、介護食に携わる仕事をされている方が本格的に介護食を学びたいのであれば、実習を行なっている介護食士がおすすめです。

介護食士は独学でも取得できる?

介護食士の資格を取得するには講習を受ける必要があります
独学で知識を付け、試験だけ受けることはできないため注意しましょう。
 

 

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著者:介護求人ナビ編集部

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