履歴書には、すべての職歴を正しく記載するのがルール。とくに、正社員の職歴を勝手に省略するのはNGと心得るべきです。
「大手企業の職歴」だけ抜粋したり、アピール度が低そうだからと勝手に省略したりするのはやめましょう。
職歴を省略してもバレないだろうと思うかもしれませんが、実は雇用保険等から転職先企業には伝わるもの。あとでバレるのは気まずいですし、故意に省略したという印象を持たれてしまうと、その後のキャリアにおいてマイナスになるかも。
職歴をごまかす行為は、場合によっては経歴詐称になる可能性もあるので注意しましょう。
履歴書の職歴欄は、勤務先企業の名前や職種でアピールするためのものではありません。
自社に必要な人材かどうかを応募者の経験やスキルから判断する大事な材料です。中身を都合のいいように変えられたのでは、判断する側が困ります。
それに、履歴書で自分を必要以上に飾ったところで、採用後に能力や経験とのアンマッチが発生し、苦労してしまっては意味がありません。
そもそも「履歴書に書きたくない職歴」とはどのような職歴ですか?この機会に見直してみましょう。
●アルバイトだから省略したい
アルバイトの職歴については省略しても構いません。
正社員への転職ならば、正社員や派遣社員の経歴のみに絞って記載した方がかえって見やすくなります。アルバイト以外の職歴が少ない、あるいはアルバイトの業種が応募の業種とマッチしている以外は、省略しても良いでしょう。
●在籍していたのが短期間だから
短期間であっても、すべての職歴は記載すべきです。
それに、短期間の職歴がマイナス評価につながるわけではありません。
面接で、短期間で辞めた理由をきちんと説明し、採用担当者に納得してもらえるかがポイントです。履歴書で短期離職の印象をカバーしておきたいのであれば、自己PR欄を利用しましょう。
短期離職の理由に触れつつ、その経験を反省材料として転職活動に取り組んだことや、今回の応募では腰を据えて働く覚悟や意欲をアピールすると良いでしょう。
●応募先とはまったく異なる分野の職歴だから
異なる分野の職歴だから「書きたくない」と考えているようなら、貴重なアピールチャンスを逃すことになりかねません。
応募する企業とは異なる業界や職種で働いた経験も、視点を変えれば、立派なアピールポイントになることがあります。
応募先企業が求めるスキルとの接点がないか、自分の職歴をもう一度見直してみてください。応募先が求めるスキルにずばり当てはまらなくても、求める人物像に役立つ経験があるかもしれません。応募先企業のホームページや募集要項をじっくり読み込んで、自分の職歴を武器に変える糸口を探しましょう。
転職の回数が多くて所定の職歴欄に書ききれない、だから省略したいという人もいるでしょう。「転職回数の多さが採用判定で不利に働くのでは」という不安もあるかもしれません。
でも、転職回数が多いということはデメリットばかりではなく、「経験豊富である」「幅広い知見がある」という強みにもつながります。
その強みに着目してもらえるような履歴書にするにはどうすればいいでしょうか。
職歴欄では長々と書き込むわけにはいきませんから、経験やスキルの豊富さをピンポイントで強調する工夫が必要です。
たとえば、応募先の業務内容にマッチした職歴があれば、部署名や担当した業務名で関連性を伝えたり、採用担当者に「この人の経歴を詳しく知りたい」と思わせるような専門性が光るワードを入れると良いでしょう。
あるいは、同じ職種で複数の転職をしてきた場合は、担当した業務のレベルがわかるように書くことで、転職によってスキルアップしてきたことをポジティブに示せるのではないでしょうか。
そのうえで職務経歴書では、豊富な経験や幅広い知見を裏付ける実績をしっかり伝えることを意識して記載するようにしましょう。
また、転職回数が多い人は「チャレンジ精神が旺盛」という見方もできます。そうしたポジティブな面を志望動機や自己PRでアピールしましょう。
面接でも、転職回数の多さや退職理由について質問される可能性が高いですが、不安に思う必要はありません。きちんと説明できれば、たとえ履歴書でマイナスの印象があったとしても逆転できます。
その質問が来れば「アピールのチャンス!」と思えるくらい、ポジティブな説明ができるように準備しておきましょう。
転職回数が多くて、どうしても職歴欄に収まらない場合、次のような方法で対処してください。ちなみに、書ききれないからといって履歴書を2枚にするのはNGです。
《対処法1》 学歴欄のボリュームを減らす
小中学校の学歴は省略できます。義務教育の部分を省くことで、職歴欄のスペースを広げます。
《対処法2》入社・退社を1行に記入する
企業ごとに入社と退社で行を変え、2行にして記載するのが一般的ですが、それを1行にまとめるという方法もあります。
▼ 一般的な書き方
▼ 1行にまとめた書き方
《対処法3》 職務経歴書で補う
直近の職歴を優先し、できる限りの職歴を記載します。そのうえで書ききれなかった職歴を、業種ごとにまとめ、従事していた期間や在籍した会社の数を記載します。そして最後に「詳細は職務経歴書をご参照ください」と記し、職務経歴書にはすべての職歴を記載します。
《対処法4》 他の履歴書を探す
市販の履歴書や転職サイトでダウンロードできる履歴書のフォーマットは、すべて同じではありません。職歴欄のスペースが広めの履歴書を探すというのもひとつ方法です。
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