履歴書の中で、一番大きい枠が、「学歴・職歴」欄。
「学歴」はその最初の部分なので、ていねいな字でしっかりと書きましょう。
今回は、「学歴欄」の具体的な書き方をご紹介!
パターン別のサンプル見本も参考にしてください。
高校入学、場合により中学卒業から書き始める
履歴書の学歴は、一般的には
高校入学から書き始めます。
中学までは義務教育で、よほどのことがなければ留年などもないため、書く必要性があまりないからです。
しかし、高卒、あるいは高校中退で就職した人の場合は、
2015年4月 ●●高等学校 入学
2018年3月 ●●高等学校 卒業(または中退)
と、学歴がこの2行しかなくなってしまいます。その場合は、高等学校入学の前に、
2015年3月 ■■中学校 卒業
2015年4月 ●●高等学校 入学
2018年3月 ●●高等学校 卒業(または中退)
と中学校の卒業年月を入れてもよいでしょう。
「高校」ではなく「高等学校」
履歴書では、どの場面でも
正式名称を使います。
「高校」ではなく
「高等学校」、「中学」ではなく
「中学校」と書きます。「卒業」も「卒」などと略しません。
つまり、履歴書への正しい書き方は
「山田高等学校 卒業」となります。
学校名と「入学」「卒業」との間は、少しだけあけると読みやすくなります。
和暦か西暦かは統一
学歴も職歴も、年月は和暦で記しても西暦でもかまいません。
しかし、不統一なのはNG。
どちらかに統一します。
また、現在の年齢からさかのぼって、高校卒業の年を記入するときに、数え間違った数字を入れてしまう人もいます。
すると、採用担当は「留年か浪人したのかもしれない」と考えます。
転職の不利にならないように、くれぐれも間違いのないように記入しましょう。
ケース1:専門学校や大学を卒業した場合
専門学校や大学は、「学部・学科・コース」も記入しましょう。
短大や専門学校、大学の学歴については、
学部・学科だけでなく、
コース名があるならコース名も記入します。
特に、介護業界に関連のある学科・コースの場合は「専門的に学んできている」というアピールになります。
卒論や修論で、応募する業界や法人に関連のある研究テーマを扱った場合は、学歴欄に記入しておくと大きなアピールになります。
<記入例>
〇〇年3月 △△大学□□学部 卒業
(卒論テーマ「老年医学における介護の役割」)
また、福祉系専門学校で、卒業と同時に国家資格などを取得した場合は、
〇〇年3月 ▲▲福祉専門学校卒業 同時に介護福祉士資格取得
と、資格の欄とは別に、学歴の欄にも書いておくといいでしょう。
ケース2:夜間大学、通信制大学などに通った場合
夜間大学や通信制大学を卒業した場合は、大卒資格になります。
最近はインターネットだけで学べる大学や大学院もありますが、それらも卒業と認められ、不利になることはほとんどありません。
特に、大学や大学院、各種学校などで学んだことが、応募職種につながるのであれば、ぜひ積極的に書きましょう。
ケース3:中退(退学)した場合
高校や専門学校、大学を修了しないまま中途退学した場合でも、
学歴はすべて正確に記入します。
中退していると少しうしろめたく、「書きたくない」という思いもあるでしょう。
しかし、採用担当者は、それほど中退についてネガティブな思いを持っていません。
健康的な理由、家の経済的な理由で学校を中退する人は想像以上に多く、職員にも学校を中退した人がいる場合が多いからです。
また、介護業界の場合、有名大学を出たかどうかというより、一般的には介護の技術や知識が豊富であるか、あるいはチームワークでやる仕事が多いため、協調性があるかなどに、判断の重きが置かれることが多いようです。
高校卒で介護業界に就職する人は多く、また、高校中退後に別の業界で仕事をし、転職して介護業界に入ってくる人なども珍しくないので、学歴を気にする必要はそれほどありません。
家庭の事情や健康の理由など、
退学の理由があるのであれば、その理由を学歴欄に書いたほうが良いでしょう。
<記入例>
〇〇年10月 △△大学▽▽学部▲▲コース 家庭の経済的事情により中途退学
〇〇年10月 △△大学▽▽学部▲▲コース 病気療養のため退学(現在は完治し、フルタイム勤務可能)
ケース4:留年、浪人した場合
留年や浪人した場合は、特に「留年」「浪人」と記す必要はありません。
入学と卒業との間の年数が長ければ、それが留年だとわかります。
高校卒業と大学入学の間に1年、2年と間があいていれば、浪人だとわかります。
<記入例(留年の場合)>
2015年4月 △△大学 〇〇学部●●コース 入学
2020年3月 △△大学 〇〇学部●●コース 卒業
病気や家庭の都合など「やむを得ない事情」で長期にわたって浪人、留年した場合は、その旨を備考欄で補足しましょう。
なお、予備校は正式な学歴には入れないので、浪人中の予備校名を入れる必要はありません。
ケース5:編入や留学をした場合
大学入学後に、別の大学へ編入した場合は、入学年月の次の行に編入の年月を記入します。
<記入例>
2015年4月 △△大学 〇〇学部●●コース 入学
2016年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科●●コース 編入学
留学していた場合も学歴に書きますが、夏休みを使って4週間、というようなものは除き、少なくともその国の言語を簡単な日常会話で話せる程度になっている場合のみ記しましょう。
介護業界では、アジアから介護を学びに来ている、あるいは働きに来ている外国人が多くなっています。
そうした外国人を受け入れている法人では、外国語ができる職員は歓迎されるでしょう。
「〇年〇月~〇年〇月 フィリピン〇〇大学に留学」などと記しましょう。
学歴はとにかく正直に!学歴詐称は採用取り消しも
介護業界は、学歴より技術や経験がものを言います。
また、現場に入ってから、専門的な技術や、介護福祉、医療を学ぶ機会もたくさんあります。
学歴のことはあまり気にせず、正直に書くことが重要です。
むしろ、卒業していないのに「●●大学卒業」などと嘘の経歴を書くほうが問題です。
学歴詐称が発覚した場合は、採用取り消しの理由にもなるので、とにかく事実通りに間違いなく書くよう、肝に銘じてください。
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