◆グループホーム(パート→契約社員)→住宅型有料老人ホーム(パート→正社員/リーダー)
U・Kさん(女性・53歳)
介護業界での経歴詳細
●デイサービス(パート)(勤務期間:5年/月収約14万円)
●デイサービス(パート)(勤務期間:3年/月収約15万円)
●グループホーム(パート→契約社員)(勤務期間:3年/月収約17万円)
●住宅型有料老人ホーム(パート→正社員)(勤務期間:7年/年収約500万円/介護福祉士手当あり)
保有資格:介護福祉士
家族構成:長女、長男
*U・Kさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
1回目、2回目、
3回目、
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【1度目の転職】いずれは夜勤もしたい!入居施設もある介護事業法人へ
最初に介護の仕事に就いたときは、友人の紹介を受けた形でしたが、次の転職先はさまざまな職場の中から自分で選び、決めていこうと思いました。
当時、子どもたちは長女が中学1年生、長男が小学5年生。下の子が高校生になったら、夜勤のできる職場で手当をもらい、さらにお金を稼ぎたいという気持ちがありました。
まずはデイサービスで働くとしても、グループホームや特別養護老人ホーム(特養)など、
夜勤のできる施設もある、総合介護事業法人で働きたいと思い、その条件で探しました。
ちょうど家からほど近い場所に、条件に合う法人を見つけ、自分で電話をかけて、面接に行きました。
これまで5年間、デイサービスに勤務し、利用者さんの送迎やリハビリ体操の計画・実施も担当してきたこと、施設の事務や経理も少し担当していたことなどを話すと、「即戦力になる」と、すぐに就職が決まりました。
【2度目の転職のきっかけ】生活のために時給の高いグループホームへ
デイサービスではいじめに遭い、苦々しい気持ちに……
転職後、デイサービスで勤務しました。時給1,100円で週3日の勤務だったので、以前からパートで働いていたファミレスでの勤務を増やしました。
でも、この時給でパートの掛け持ちをしていては、たいした収入にはなりません。
それに、転職した総合介護事業法人は、全社的に人間関係が悪く、私が勤務していたデイサービスもいじめのようなことが蔓延していました。
新入りの私はその標的でした。
みんなが仲良く話しているところに出くわすと、急におしゃべりをやめるのです。
職員全員が集まる飲み会にも、私だけ誘ってもらえません。
このデイサービスでも私は利用者さんの送迎をしていたのですが、「利用者さんを乗せているのに居眠りをしていた」とか、あることないことを言われるのです。
だいぶがまんして勤務したものの、収入面を考えても、職場環境を考えても、もう一度転職した方がいいのかな、と思っていたら、子どもの保護者会で知り合った男性が、グループホームを経営しているという話を聞きました。
その方から、「うちのグループホームに来ない?Uさんは経験者で即戦力になるし、うちならあと100円か200円、時給を高くしてあげられるよ」と言うのです。
給与と人間関係、どちらも良くなると思える転職先があった!
子どもたちが大きくなってくるにしたがって、お金もかかるようになり、これはとても魅力でした。
それに、以前のように社長との人間関係が悪かったり、今回のように仲間であるスタッフからいじめに遭ったりするようなことはあまり味わいたくない。
その点でも、声を掛けてくれた知り合いの男性の人柄の良さがわかっていたので、安心でした。
また、下の子が高校生になるまでの間に、夜勤ができるところを就職先として考えておきたいと思っていましたが、総合介護事業法人の職場環境が悪くて、そこで夜勤をするのもどうか、という思いもありました。
知り合いの男性に声を掛けてもらったのは、グループホームだけという法人でしたが、大手企業と違って何かと融通をきかせてくれるから、シングルマザーとしても安心です。
このグループホームでも働いてみたい!と思い、まずは週2日、働かせてもらうことにしました。
つまり、総合介護事業法人のデイサービスに3日、グループホームに2日、ファミレスに2日と、トリプルワークです。
【2度目の転職先】週2日勤務のグループホームで契約社員に
介護福祉士の資格を取得。リーダーに昇進!
2度目の転職で働き始めたグループホームは、法人としては規則もゆるく、緊張せずに働けました。
期待通りいじめもなく、スタッフみんなが和気あいあいとしていて、楽しく仕事ができました。
以前より時給も高いし、3年勤めたところで、人間関係の悪いデイサービスは辞める決意をしました。
このグループホームでは週5日勤務の契約社員にしてもらい、週2日のファミレスでのパート勤務とのダブルワークも認めてくれたのです。
体調の面でも気持ちの面でも楽になって、いい選択だと思いました。
ちょうどその頃、介護福祉士の資格も取得でき、リーダーに昇進しました。
ただ、社長が少しお金にルーズだったため、経理も担当することになりました。
結婚前のこととはいえ、営業事務をしていたことが、役に立ちました。
ここはグループホームしか経営していなかったので、私が法人全体の経理を担うことになったのです。
なんだか、社長のおかみさんみたいな感じになり、みんなから冗談で「おかあさん」と呼ばれるようにもなりました。
経理がルーズなため、「給与の計算が合わない」という職員の申し出が多く、それが少ないだけでなく、多すぎることもあり、めちゃくちゃだったのも、私が直し、みんなから感謝されてきました。
公私混同の経営に疑問。もっと経営が安定したところに移ろうか……
ただ、経理を任されてみると、グループホームを経営しているだけなのに、営業経費が高いことに疑問を持つようになりました。
社長は人がよく、飲みに行けばみんな払ってくれる人。
居宅介護支援事業所のケアマネジャーに営業し、ビールを飲みに行こうと誘い、その都度おごる、という感じなのでしょう。
職員の私たちに対しても何かにつけ会合をセッティングし、おごってくれる。
でも、それが経営を圧迫していました。
私に多めに時給をくれているのはうれしいけれど、こんな状態で、誰よりも高い時給をもらっていることに引け目を感じていました。
【3度目の転職のきっかけ】スタッフ間の人間関係に悩んで
「人間関係の悩み」「正職員への転職希望」が原因で退職
この頃には下の息子も高校生になり、夜勤にも入りたいと思っていました。
今の職場は雰囲気がよく、経営が心配なほかは気に入っているのだけれど、いつまでも時給で働いていないで、安定した法人で正職員として働き、身分もきちんとさせたい、という気持ちもありました。
介護職という仕事は大好きで、ずっと続けていきたいから、やはり正社員がいいな、と考えるようになったのです。
正職員の求人を探しても、条件面で転職活動は難航
そして、正職員で働ける職場を、求人サイトや新聞の折り込みチラシなど、あらゆるメディアから探し始めました。
しかし、家の近所に正職員を募集している介護施設を見つけても、条件を見ると『基本給10万円』というところも。
愕然としました。これなら、パートでフルタイムで働いたほうがまだ収入は上です。
しかも、学歴優先で、大卒ならもっと基本給が高いのです。
いくら現場でキャリアを積んでも、学歴で判断されるなんて…。
知り合いが働いている有料老人ホームの給与にびっくり
八方塞がりで嫌気がさしていたら、以前の職場で知り合った女性から連絡があり、悩みを打ち明けたところ、「私が今、正職員で勤めている住宅型の有料老人ホームは、ずっと条件がいいよ」と教えてくれました。
実際に会って、給料明細を見せてもらったところ、びっくりするほどいいお給料だったんです。
「ちょうど職員が1人辞めたところなの。私が紹介してあげるよ」
この言葉に救われた気がしました。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
次回は、現在勤務している住宅型有料老人ホームでの仕事内容や勤務スケジュール、前職との違いをお伝えします。
次回「ホテルのような高級老人ホームで必要な技術や仕事内容は?~転職体験Uさん3」は、10月16日に公開予定です。
*U・Kさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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