◆デイサービス(送迎ドライバー・生活相談員)→デイサービス(生活相談員)
K・Eさん(女性・35歳)
●デイサービス(送迎ドライバー・生活相談員)(勤務期間:2年半/時給1000円)
●デイサービス(生活相談員)(勤務期間:2年/時給1500円)
介護業界以外でのその他経験:雑貨販売会社、個人営業の販売促進専門員
保有資格:社会福祉主事任用資格
家族構成:夫、長男
*K・Eさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
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【介護の仕事のやりがい】自立支援を軸に、利用者さんとの関係を積み上げる
毎回利用者さんと会うことで支援が深くなる
人と接することが好きで新卒で7年間も販売業をやってきましたが、販売で接客するのと、介護で利用者さんと接するのとでは、人間関係の深さが違います。
販売業では、ほとんどの場合、お客様とは1回限りの縁で、その後、どのように商品を楽しまれたのかさえも見届けることができません。
しかし、デイサービスでは定期的に利用者さんが来てくださるので、その日の体調、お気持ちなどがよくわかり、小さなひとことでもどんなお気持ちでおっしゃっているのかが想像がつきます。
だからこそ、利用者さんに親しみがわきます。
支援としても、利用者さん一人ひとりの体調をみながら訓練の強さを加減したり、悩みがありそうなときはお声がけしたりと、何か役立たせてもらうことができると思うのです。
継続したお付き合いができることが、介護の仕事の良さだと思っています。
要介護4から2になることを支援できる幸せ
転職してから「自立支援」の意味を知り、介護の仕事のすばらしさをさらに実感するようになりました。
高齢者の方にとっては、年齢を重ねたらゆっくり過ごすことがいいのだと思っていましたし、その裏には、身体機能が衰えていくことも仕方のないこと、と思っていました。
けれど、人は何歳になっても前向きになれ、そして筋肉は強化され、健康になれるのだとここにきて、実感できたのです。
要介護4だった方が、デイサービスで訓練して要介護2まで回復したり、ふさぎ込んで誰ともコミュニケーションを取ろうとしなかった方が、率先してデイサービスの家事を担うようになったり。
いきいきと幸せに生きて行くことを私たち介護職がサポートできる幸せを感じています。
【転職するときに気を付けたこと】あとで会っても気まずくならない辞め方を
私の場合は、以前の職場の先輩からの紹介で転職しました。
あとあと私のことを調べれば、そのことはわかってしまうと思いますが、介護業界は意外に狭くて、特に事業所同士が近いエリアにあると、いろいろな情報が飛び交います。
まずは、先輩が私を「引き抜いた」というように誤解されないように気を付けました。
私の意思で退職し、転職したのだということを、辞めるときにもきちんとお話し、今の職場でも宣言しています。
また、元々働いていたデイサービスの悪口を言わないことも決めています。
前のデイにはそこの良さがあり、次のデイにも良さがあるのです。
現に、前のデイはいつも利用者さんがいっぱいで、やむなく利用希望の方をお断りするようなこともあったのです。
それぞれ特徴があるから、利用者さんが自分らしく過ごせるところを選択できる。
何かと比べたくはなりますが、できるだけ比べるようなことは言わないようにしています。
特に面接のときなどには、前の職場のグチは言わないのが鉄則と聞きます。
文句ばかり言う人ならば、転職しても仕事に文句を言うだろうと思われても仕方ないですよね。
仕事を辞めるときも、転職してからも、特にそこは気を付けていました。
【生活相談員としてのやりがい】利用者さんと深い人間関係を築ける
今、私は社会福祉主事任用資格を活かして生活相談員として勤務しています。
ドライバーとしても、介護助手としても働いているのですが、だんだん生活相談員としての業務の比率が高くなってきました。
生活相談員は、利用者さんの獲得から始まり、入所の問い合わせ、施設の見学、契約といった、入所までの一連の流れを支え、入所後の利用者さんやご家族の疑問や悩みの解消にも努めます。
また、事業所全体を見渡し、うまく仕事が回っているか、利用者さんに負担はないかなども見ていくのが相談員の仕事で、言ってみれば、「事業所のすべてに目を配る人」でもあります。
そのなかでも、重要なのは人間関係だと思っています。
スタッフと利用者さんとの深いつながり、そしてスタッフ同士の和やかな関係が、利用者さんを安心させ、意欲を沸き立たせるのだと思います。
今後も人間関係を大事にしながら、仕事をしていきたいと思います。
「利用者さんと深く接する」という意味では、アセスメントも大事です。
うちのデイサービスでは、「その人らしさを大事にし、その人が本来の力を出せるような支援をする」のがモットーです。
そのためには、利用者さんとよく話し、ご希望を伺ったり、夢を語ってもらったりしたいのです。
「何がしたいのですか」という漠然とした聞き方では答えられない利用者さんでも、雑談を交えながら、好きなこと・家族のこと・昔話などを聞いていくうちに、「孫のところに歩いていきたい」「次の親戚の法事には元気な姿で参加したい」「若い頃に行ったハワイにもう一度行きたい」など、さまざまな思いを語っていただけるものです。
そうした利用者さんひとりひとりの夢をまず、口に出していただくことが大切。
そして、口に出したら実現していくためにとことんサポートすることが大切。
私たちはそんなスタンスで、利用者さんと接していきたいと思っています。
【資格取得の必要性】介護職員初任者研修を取得したい
以前のデイサービスで働いていた頃から、介護の仕事に魅力を感じ、介護の世界で長く働きたいと思うようになっていたので、資格が欲しいと思っていました。
とりあえず身体介護をするためにも、介護職のスタートラインの資格である介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)を取りたいと思っていましたが、子育てと仕事をしながら資格を取る時間を捻出するのは大変でした。
週末に集中して講習を受けるコースなどもありますが、夫も母も土日関係なく働いていましたし、何より子どもとこれ以上離れているのも、寂しく思いました。
どうしようかと悩んでいたら、社会福祉主事任用資格を持っていることが判明。
この資格で身体介護をすることはできませんが、福祉施設の生活相談員になることはできます。
介護業界では、生活相談員の需要もありますし、現実に今は生活相談員をしていますので、「この資格だけでもいいか」と思ってしまったのです。
今も、介護職員初任者研修は受けていませんが、介護業界で働いていく以上、いつか取得したいと思いますし、経験を増やして介護福祉士も取得したい。
子どもが小学生になり、落ち着いたら考えていこうと思っています。
【生活相談員としての今後の目標】事業所の顔になれるような働き方を
以前の職場では、「小さな子どもがいながら働く若いスタッフ」という位置づけでしたが、今では相談員としての専門性、営業力、また事業全体を経営の視点でも見られるマネージャー的な役割もあります。
いつの間にこうなったのか、自分でも驚くのですが、でも違和感はまったくなく、自分でも成長したのだな、と実感します。
なかでも身に付けなければいけないな、と痛感するのは営業力です。
デイサービスは、毎日来てくださる利用者さんで満席にならないと、意味がありません。
あまり少人数だと、経営的にも厳しくなります。
ですから、常に利用者さんの獲得には気を配るのが生活相談員の役目だと思っています。
近隣の居宅介護支援事業所のケアマネジャーさんのところにも、もっと頻繁に行き、人間関係を築いていきたいですね。
うちのデイサービスは「自立支援」を徹底するという特徴がありますから、それを理解してきていただける利用者さんを見つけることが大事です。
そのためには、ケアマネジャーさんにも私たちのデイサービスの特徴をよく知ってもらわなければなりません。
「この方はKさんのデイサービスがピッタリ」と思い浮かべていただけるように、印象づけるには、どんなツールやどんなトークが必要なのかも考えていきたいと思っています。
うちの会社は3か所のデイサービスを運営していますので、社長と副社長はその経営で非常に多忙です。
私が所属する事業所については、私が責任を持つくらいの気持ちで、上司をサポートすることも重要だと感じています。
【仕事と家庭以外の自分らしさ】バスケットのクラブチームを作った
子どもが2歳の頃から介護業界で働き始め、ようやく4年半が経ちました。
子どもも春から小学生になります。
早いものだなと思うと同時に、本当に必死に走り抜けてきた気がします。
ともすれば、育児と仕事で手いっぱいになってしまうこともありましたが、子どもの成長とともに、自分も少し、自分らしさを取り戻したいな、と思っています。
学生時代はずっとバスケットボールをやってきていて、最近になって余裕が出てきたのか、身体を動かしたいと思うようになりました。
そこで、昔の仲間にSNSでコンタクトをとり、チームを作って、最近は体育館などでバスケの練習をしています。
みんな仕事や家庭で手いっぱいの時期なので、月に1度、2度程度がせいぜいですが、それでも、自分らしい時間を持つことは新鮮です。
仕事や家庭のことを忘れて、没頭できる時間を持つことがまた、仕事にも家庭にもいい影響を与えているように思います。
今後はこうした時間も少しずつ増やしていければいいな、と思っています。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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