◆デイサービス(正社員/生活相談員)→介護老人保健施設(正社員/支援相談員)→リハビリ特化型デイサービス(パート/介護職・受動運動担当(カイロプラクティック))・カイロプラクティック事業所(パート/施術スタッフ)
W・Fさん(女性・50歳)
●デイサービス(勤務期間:1年/月収手取り約15万円)
●介護老人保健施設(勤務期間:3年/月収手取り約30万円・ボーナス約45万円×年2回)
●リハビリ特化型デイサービス(勤務期間:5年/月収手取り約9万円)
保有資格:社会福祉主事任用資格、カイロプラクター(民間資格)
家族構成:夫、長男、長女
*W・Fさんの「転職 成功・失敗 体験談」…
1回目、2回目、
3回目、
4回目(最終回)はこちら
【老健の支援相談員に転職して】手取り月収30万円という好条件
介護老人保健施設(老健)での支援相談員の仕事は、給料はよかったです。
それまでデイサービスでは手取りで15万円だったのが、転職後に倍増し、毎月30万円くらいもらっていました。
ボーナスは年間3カ月分。母のための生活費や医療費に加えて教育費のかかる我が家には、ありがたい処遇でした。
大規模な老健だったので、支援相談員も私以外に2人いました。
しかしこのうちのひとり、50代の大先輩がとても口調がキツく意地悪な人で、この人が原因で4、5人も職員が辞めたと言われるほどでした。
看護師長も嫌味だったけれど、この先輩も扱いが大変で、2人にはさまれている立場だったからこそ、血圧が300まで上がったのかもしれません。
また、残業も多く、月に60時間くらいありました。
そう考えると、手取り30万円の条件がよかったのかどうか。
当時は必死だったから、なかなか気づきませんでした。
【資格取得に向けた勉強】社会福祉士資格取得を目指していた
私の勤務していた老健では、支援相談員の要件としては、社会福祉主事任用資格だけを求められました。
しかし、社会福祉士の資格を取得すると、相談員としてレベルアップできる、という業界の認識があります。
国家資格でもあり、取得するのはなかなか難しいのですが、キャリアアップのためにも社会福祉士を目指そうと思い、厳しい労働条件の中で、社会福祉士受験のための勉強もしていました。
通信教育で資格の勉強ができるとはいえ、レポート提出は頻繁ですし、週末のスクーリングも何度かありました。
精神的にも肉体的にもヘトヘトでしたが、この資格さえ持っていれば、別の場でも輝けるという希望がモチベーションにもなっていました。
だからこそ、仕事を続けられたのだと思います。
【介護業界2回目の転職】ストレスが原因で老健を退職
肋骨3本を折る交通事故で、支援相談員が続けられない
老健では、ストレスを抱えながら高血圧の状態で働き続けていました。
自家用車で通勤していた私ですが、老健に入職してから3年ほどたったある日、帰宅時に街路樹に車を強くぶつけ、車が大破。
私は肋骨3本を折り、今も顔面神経痛が残るほどのケガをしました。
その前から忙しすぎて体調をくずしていた私を見かねた夫は、「もうその仕事はいいでしょう、辞めてもいいんじゃないの」と言いました。
私も、車を運転するのが怖くなりました。
しかし、相談員は車に乗れなければ仕事になりません。利用者さんのお宅を訪ねるには、車は不可欠なのです。
車に乗れないのなら辞めるしかない、と判断して、3年務めた老健を辞めることにしました。
ケガがきっかけで気づいたカイロプラクティックの魅力
老健での3年間がとてもハードだったので、すぐに働く気にはなれず、しばらくは専業主婦として過ごしていました。無理をして働いていたせいか、腰も悪くなっていて、カイロプラクティックに通い始めたのもこの頃です。
カイロプラクティックに通い始めてすぐ、「私がやりたかったことはコレだ!」と直感的に感じました。
利用者さんをただ医療で救うだけでなく、精神的にも癒したい。
病気はなかなか治らなくても、身体を正して心地よくすれば、グッと状態はよくなるのです。
また、アロマテラピーにもはまりました。
いい香りをかぐと、鼻から脳に心地よさが伝わってリラックスできるし、皮膚から成分が浸透して鎮静作用が得られるとも言われています。
老健にいるときも、リハビリ職の人がボランティアで訪問し、次々に利用者さんを和ませてくれていたのを思い出して、介護の仕事・人を支援する仕事の根幹はここにあるのだと強く感じました。
カイロプラクティックを学んで、身体の仕組みを理解した支援を
それからすぐにカイロプラクティックの勉強を始めました。
筋骨格の仕組みを学んで、どこをどう触れば心地よいのかを知りたかったのです。
それとともにアロマテラピーの勉強もしました。香りと身体への癒しを組み合わせると、人は心から和めるのだということを知ったからです。
マッサージ師の国家資格を取ったり仕組みをきちんと学んだりするにはお金がかかるので、カイロプラクティックのお店で働きながら、店が運営している学校に2年間通いました。
お店では最初は受付業務をしていましたが、学校でカイロプラクティックを専門的に学んだあとは、施術スタッフとして働かせてもらいました。
リハビリ特化型デイサービスこそ理想の支援!
カイロプラクティックのお店では、こんなこともありました。2度も転んで大腿骨骨折をし、人工骨頭を入れている高齢者の方が、カイロプラクティックを受けて身体をほぐして体幹バランスが正しくなったら、元気になったのです。
旅行が大好きだからとリハビリに励んだ結果、家族旅行に行けるまでに回復。
こんな癒し方もあるのか、と目からうろこで、ますますカイロプラクティックにはまりました。
身体をトリートメントすれば、転倒しにくい身体になります。
介護とカイロプラクティックを融合させた支援を行いたいと思っていたところ、リハビリを中心に行うデイサービスを見つけたのです。
ここしかない!ここで働きたい!と強く思いパートで採用してもらいました。
【転職後の働き方】リハビリデイとカイロプラクティックでダブルワーク
現在は、リハビリ特化型のデイサービス、いわゆるリハビリデイでパートとして週3日働いています。
また、ダブルワークが可能な施設なので、リハビリデイでの仕事以外の日には、カイロプラクティックの店でも施術スタッフとして働き続けています。
子どもたちはそれぞれ成人して、子育ても一段落ですが、母の介護が必要になっています。
母のために時間をあけておきたいのと、もうあまり無理せず、自分のやりたいことをやっていく、という働き方を選びました。
お金のために働くと、つらい人間関係や、長時間労働も引き受ける羽目になりがちです。
なんのために働くのか、という自分の気持ちもわからなくなってきます。
私は、人の心と体を癒したい。
それには、自分自身が元気でいなくてはなりません。
自分がストレスいっぱいでは、施術をしても心が通い合わないと思うのです。
今は夫の扶養の範囲内で働いています。
自分自身も体力や気力を保ち、本当にやりたいことのために、常に余裕を持っておきたいな、と思っています。
次回は、現在の仕事内容について、さらに詳しく語っていただきます。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
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