夢と希望にあふれて転職したのはいいけれど、働き始めたら違和感を感じること、ありますよね。「想像していた仕事と違う」「最初から知っていれば転職しなかったのに」…こんなことなら辞めたい…。
ここでは、そんな転職の先輩の失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。せっかくの転職を失敗に終わらせないためにも、ぜひ参考にしてください!
〈事例1〉利用者様から「担当を変えて」と言われてしまい、ショックから立ち直れません
46歳/女性/加奈子
デイサービスから訪問介護のヘルパーに転職したのですが、先日ある利用者様に「あなたは嫌い。担当を変えて」と言われてしまったんです。失礼なことをした心当たりはないので、本当にショックで…。
訪問ヘルパーは向いていないのかもしれないと、悩んでいます。これからどうしたらいいのでしょうか。
《アドバイス》
訪問介護の場合、老人ホームやデイサービスなどの施設と比べて、利用者からのクレームを耳にしやすいという傾向があります。しかし、それはスタッフのせいだけではありません。
多くの利用者やスタッフがいる施設の場合、ちょっと気になったことがあっても遠慮して直接言わない利用者もいます。それに対して、一対一で接する訪問介護の場合は他の人の目がなく、第三者の冷静な意見を聞くことができないため、思ったことを軽い気持ちで言ってしまうことがあるからです。
また利用者の自宅で接するため、スタッフに対して家族と近い感覚を持ってしまう利用者も多く、遠慮なく話をしたり、グチを言うことでストレスを発散することもあるようです。
集団での介護と一対一の介護では、利用者とスタッフの距離感も違うため、施設と同じ感覚で接していると、とまどうことがあるかもしれません。
今回のケースのように「担当を変えて欲しい」と言われた時は、まず事業所の管理者やサービス提供責任者などに相談し、その理由を確認してもらうようにしましょう。
クレームの原因は、あなたの対応ではなく、利用者の「もっとかまって欲しい」という思いや、単に「相性が悪い」というケース、認知症の症状によるものということもあります。
まずは理由を確認し、その上で対応を変えるか、担当者を変えてもらうか、事業所と相談しながら判断することをおすすめします。
クレームの理由はさまざまですし、その原因があなたにない場合は「今回は相性が悪かったからしょうがない」と思う割り切りも大切です。
また、訪問介護はどうしても自分の性格に合わない、と思う場合は、もう一度施設の介護に戻ることも選択肢の一つです。
〈事例2〉いきなり一人で利用者様宅へ!訪問介護は初めてなので、不安でしょうがない…
28歳/女性/みゆき
利用者様と一対一で向き合いたいと思い、特別養護老人ホームの介護職から訪問ヘルパーに転職しました。でも、初日から同行なし、一人で利用者様宅に訪問することになってしまったんです。
特養の時は、困ったらすぐ先輩に聞いていたけど、利用者様宅では自分一人。何かあったら…と思うと不安で、続けていく自信がありません。
《アドバイス》
新人ヘルパーが最初から一人で訪問介護サービスを行うことは、ほとんどありません。まず、先輩ヘルパーやサービス提供責任者が何度か「同行訪問」し、利用者宅への訪問の仕方から介護サービスのやり方を教えてくれるのが一般的です。
あなたが介護職経験者だったため、同行訪問がなかったのかもしれませんが、あなたが不安に思っていることは、利用者にも伝わります。トラブルが起きる前に、事業所の管理者やサービス提供責任者に相談し、同行訪問して欲しいと伝えましょう。
また、転職先を選ぶときには、サポート体制について確認しておくことも大切なポイントです。
「同行訪問」も、最初の1回だけということもあれば、2〜3回と回数が決まっている場合、自信をもってサービスを行えるまで無期限で同行するケースなど、事業所により回数や期間もさまざまです。入社から一人で訪問するまでの流れをしっかり確認しておくようにしましょう。
新しい介護サービスに転職する時や、業務に自信がもてない時は、面接の時などに強気な発言をしすぎないことも大切です。「自分ができること」は正しく伝えながら、「不安に思っていること」もしっかり伝えることで、安心して働ける環境を作ることができます。
〈事例3〉利用者様のお宅への移動が大変で、毎日ヘトヘト。もう体力の限界です
52歳/女性/たかこ
施設でフルタイムで働くのは体力的にキツくなってきたので、短時間勤務もできる訪問ヘルパーに転職したんです。でも、訪問先へ自転車で移動するのがつらくて…。夏は暑いし、冬は寒いし、雨の時は歩きになるし。
勤務時間は減ったのに、移動するのに疲れてしまって毎日フラフラです。
《アドバイス》
施設の介護スタッフだった人は見落としがちですが、訪問介護の場合は必ず移動があります。だから勤務時間を考える時は、移動時間を含めて考えなければなりません。
特に、1日に複数の利用者宅を訪問するシフトを組む場合は、利用者宅から利用者宅へ移動することが必要ですし、場合によっては待ち時間が発生することもあります。
訪問ヘルパーは自転車で移動する方が多いですから、移動のための体力も考えておいた方がいいでしょう。移動距離が長い時はもちろん、坂が多い道を通る場合は、思っているよりも体力が必要になります。
体力的に厳しいと思うなら、事業所に相談し、移動距離が少ないルートや集合住宅を担当にしてもらうようにすることをおすすめします。また、自転車移動だった場合でも、電動アシスト付き自転車に変えることができれば、グンと楽になります。
それでも移動がツラいと感じるなら、「サービス付き高齢者向け住宅」に併設している訪問介護事業者や、時短勤務やパートで働ける介護施設を選んで転職するという選択肢もあります。自分のやりたいことと体力とのバランスを考えて、転職先を選んでみてはいかがでしょうか。
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