毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「勤務時間がバラバラな、介護業界のシフト制」という話題を紹介します。
勤務時間帯が5種類も!介護施設のシフト制って?
介護の仕事には他の仕事とは異なるさまざまな特徴があるが、その1つが、
勤務時間が非常に多様なことだ。
タカダさん(40代・女性)が働く都内の介護施設の場合、「7:00~16:00」「8:30~17:30」「11:00~20:00」「13:00~22:00」「22:00~8:00」という5つの勤務時間帯があり、毎日同じ時間帯に働くのも、毎月シフトを決める際に希望の時間帯を申告するのも、OK。夜勤については交代で担当しているが、「夜勤なし」という働き方も可能だという。
介護施設のシフトについて、タカダさんはこう語る。
「私はこれまで通算で十数年間、介護施設で働いてきましたが、大きな魅力は勤務時間が選べることです。
介護業界で働く前は、アパレル系のショップ店員でしたが、勤務時間に融通が利かず、長男の幼稚園の入園式に行けなかったり、体調が悪いのに無理に店に出なくてはいけなかったり……。
その点、今の介護の仕事は勤務時間の選択の幅が広いので、
自分のスケジュールに合わせて上手に時間を使えるようになりました」
確かに小売店であれば、「営業時間=勤務時間」という鉄則は動かしようがない。だが、タカダさんが働く介護施設では、バラエティに富んだ働き方をしている人もいるそうだ。
プライベートに合わせて勤務時間を選べるのがうれしい
「同僚のYさんは、ある音楽グループの熱狂的なファンで、あらゆるイベントに顔を出しており、
『基本は24時間いつでも勤務可能。ただし、イベントの開催日は
イベントに行ける時間のシフトしか入らない』というスタンスで働いています。そのグループの全国ツアーが決まると、なるべく周りに迷惑がかからないようにしながらシフトを入れ、有給休暇も組みわせて全国を回っていますね。
シングルマザーのスタッフの中には、『朝は早くても良いが、
夕方は早く帰りたい』という方もいますし、早起きは苦手なので
昼スタートのシフトばかり入っているスタッフもいます。
また、ウチには
夜勤専従のスタッフもいて、どうやら資格試験の勉強をするため、効率よく稼げる夜勤を選んでいるようです」
介護業界で豊富な転職経験を持つタカダさんによれば、こういった働き方ができるのも、業界独特の事情があるようだ。
「私が介護業界に転職した20年ほど前は、面接で『夜勤はできない』や『○時から○時までしか働けない』などと言えば、平気で落とされたことがありました。
けれども今やどこの介護施設も人手が不足気味ですから、基本的には『働きたいという人は大歓迎!働ける時間は相談しましょう』という施設が多いようですね」
相手があってこその介護の仕事。これだけはやめて!
自分が働きたい時間・働ける時間をハッキリと伝えるのは大事なこと。
ただしタカダさんは、1つだけ注意点を挙げる。
「自分が好きな時間に好きなだけ働くというスタンスは、それはそれで尊重されるべきですが、介護は人間を相手にする仕事ですから、どうしても時間通りにやるべきことが終わらないことはあります。
そんな時に、『定時なので帰ります』と言って仕事を放り出したり、あからさまに時計を気にしたりすれば、同僚からも利用者さんからも信頼を失うことになるでしょうから、なんでもかんでも時間きっかりに仕事をこなそうとするような行為はぜひとも慎んでほしいです」
時間を選べるのは大きな魅力だが、介護は相手が人である仕事である以上、100%自分の思うように時間が使えるようになるとは限らないということ。
そういったことを理解した上で働けるのであれば、時間を上手に使いたい方にとっては、シフト制のある介護の仕事は魅力的な転職先になりそうだ。
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