色は、人の心や体と深い結びつきがあります。
色彩心理を活用し心のケアを行うこともできます。また、色を活用することで、思いをくみ取りコミュニケーションを図ることも可能です。
そこで近年、介護業界では「色彩福祉検定」が注目されています。
本記事では、色彩福祉検定の概要や試験などについて解説していきます。
色彩福祉検定とは、色彩に関する知識を身につけ、その知識を福祉の分野で活かすことを目的とした民間資格です。
色彩福祉検定には、1級・2級・3級があり、3級に合格すると「色彩福祉アドバイザー」として登録ができます。
さらに1級に合格すると、色彩福祉士養成講座の受講資格を得ることが可能です。色彩福祉士養成講座の受講を修了すると「色彩福祉士」として登録されます。
色彩福祉士は、色彩の知識を応用したカウンセリング活動や心のケアなどを行う色彩福祉のスペシャリストです。
色彩を用いて利用者さんの心を癒やしたり、気持ちをくみ取ったりできるようになるため、介護職としてスキルアップしたい方に適した資格といえるでしょう。
色彩福祉検定で得られる知識やできるようになることは、以下の2つが挙げられます。
・色彩に関する知識が身につく
・色彩の知識を応用して質の高い介護ができる
それでは、1つずつ解説していきます。
日常ではさまざまな色を目にし、無意識のうちに色による影響を受けています。
例えば食事では、美味しそうな色をしていると食欲が増進しますが、美味しくなさそうな見た目では食欲が減退します。
他にも、自分の好きな色の服を身にまとうと気分が上がったり、落ち着いたりするのも色の持つ力です。
色彩福祉検定では、色彩に関する知識が身につくため、色の力で相手を癒やしたり心のケアを行うことができるようになるでしょう。
色彩福祉検定を受験することで、色彩の知識を応用した質の高い介護ができるようになります。
色にはそれぞれが持つイメージがあります。
例えば、緑は癒やしや健康といったイメージ、赤は興奮や情熱など活発なイメージがある一方で怒りや警告などのイメージも大きいです。
色が持つイメージを応用することで、安全で快適な環境づくりが可能となります。
他にも、色彩の知識は利用者さんが抱えているサインをくみ取ったり、食欲を増進させたりすることにもつながります。
そのため、色彩福祉検定は、質の高い介護の提供にも役立つでしょう。
色彩福祉検定を活かせる職場は、福祉施設や介護施設が一般的です。
色彩福祉検定を取得することで、色彩が持つ力や色に関する知識の活かし方を身につけることができます。
色彩アドバイザーや色彩福祉士は、色彩を活用して気持ちをくみ取ったり心を癒やしたりすることができるため、福祉施設や介護施設で活躍できるでしょう。
他にも、事故のリスクを軽減した安全環境の整備や、食欲を増進する視覚的に楽しい食事の提供する際にも色彩の知識は必要です。
そのため、福祉施設や介護施設で働く方以外にも、内装デザインやインテリアコーディネートを行う方、飲食業界の方など幅広く色彩福祉検定の知識を活かすことができます。
色彩福祉検定は、3級に限り受験資格に制限は設けられていません。
そのため、年齢や学歴、職務経験を問わずに誰でも挑戦することができます。
色彩福祉検定1級と2級の受験資格は、以下のとおりです。
◆色彩福祉検定2級の受験資格
3級に合格し色彩福祉アドバイザーの資格登録が済んでいる人。または、2級と3級を併願している人。
◆色彩福祉検定1級の受験資格
2級に合格し色彩福祉アドバイザーの資格登録が済んでいる人。または、1級と2級を併願している人。
基本的に、色彩福祉検定は3級から順に受験していくかたちとなります。
3級と2級の併願、2級と1級の併願は認められていますが、3級・2級・1級すべての同時受験はできません。
色彩福祉検定に挑戦する場合は、一発合格を目指すためにも試験概要をしっかりと確認しておく必要があります。
■試験日程
色彩福祉検定の試験は、年2回行われています。
例年7月と11月に試験が実施され、申込受付は試験の2か月前頃から始まります。
■受験料
色彩福祉検定の受験料は、試験級によって異なります。
3級は7,700円、2級は11,000円、1級は14,300円です。
試験合格後、色彩福祉アドバイザーの資格登録を行う場合は、資格登録料として級にかかわらず別途11,000円かかります。
また、1級に合格後、色彩福祉士を目指す場合は、養成講座の受講料として30,800円が必要です。
■申込方法
色彩福祉検定の申し込みから受験までの流れは、以下のとおりです。
1. 日本色彩環境福祉協会ホームページのお問合せ・資料請求フォームより「検定ガイド」を請求
2. 払込取扱票に必要事項をすべて記入し、ゆうちょ銀行にて検定料を振り込む
3. 受験案内が自宅に届く
4. 試験日2日前頃までに試験問題と解答用紙が届く
5. 受験
受験料を振り込んだ後は、申込内容の変更や取り消しはできません。
そのため、受験希望地や受験級などに間違いがないよう注意して申し込みを行いましょう。
■受験会場
色彩福祉検定は、基本的に在宅での受験です。
試験会場での受験は、現在、色彩福祉の授業を取り入れている学校の生徒のみとなっています。
そのため、個人で色彩福祉検定に挑戦する場合は、在宅での受験となります。
2023年の色彩福祉検定試験は第29回・第30回が実施され、日程は7月9日(日)と11月12日(日)です。
どちらの日程も、1級から3級まで検定試験が受験可能です。
第29回 色彩福祉検定
申込期間:2023年5月8日(月)~6月9日(金)
受験案内の送付:2023年6月30日(金)まで
試験日:2023年7月9日(日)
合否通知:受験から約1か月後
第30回 色彩福祉検定
申込期間:2023年9月11日(月)~10月13日(金)
受験案内の送付:2023年11月3日(金)まで
試験日:2023年11月12日(日)
合否通知:受験から約1か月後
受験案内の送付に関しては、申込時期にかかわらず一斉送付となるため、早くに申し込んだ場合は案内が届くまでに少し期間が空きますが心配は無用です。
万が一、目安の日程までに受験案内が届かない場合は、日本色彩環境福祉協会に問い合わせましょう。
合否判定は、受験から約1か月後に通知がきます。
色彩福祉検定に挑戦する際は、試験内容をしっかりと把握し試験に向けて対策を行うことが大切です。
ここからは、試験の出題範囲や形式、合格基準などを詳しく解説していきます。
■試験出題範囲
色彩福祉検定の試験問題は、試験級ごとに異なりますが、基本的に色彩福祉検定公式テキストより出題されます。
また、在宅受験の場合は、カラーカード貼り付け実施試験も併せて行われます。
各級の試験範囲は、以下の通りです。
<色彩福祉検定3級>
:色彩福祉検定3級公式テキストより出題
●色彩福祉の必要性
●生活と色彩の関係の理解
●心のケアと色彩福祉
●色彩理論
●色彩調和
●色彩と香りの演出効果
●色彩福祉の実践
●自分らしさの理解
●暮らしに活かす色彩
●色彩交流法
<色彩福祉検定2級>
:色彩福祉検定2級・1級公式テキストの2級の範囲、色彩福祉検定3級公式テキストより出題
●色彩理論
●色の知覚と心理効果
●配色構成法
●色彩調和CUS
●色彩福祉の意義
●色彩福祉と心の理解
●対人援助のための心理学
●心の生涯発達
<色彩福祉検定1級>
:色彩福祉検定2級・1級公式テキスト、色彩福祉検定3級公式テキストより出題
●色彩文化
●日本の歴史と色彩文化
●色彩福祉と心の理解
●子どもと色彩福祉
●高齢者と色彩福祉
●色彩福祉の実践
●ファッションを色彩福祉に活かす
●色彩と香りの応用
●インテリアと色彩環境福祉
公式テキストは、全国の書店で購入可能ですが、カラーカードや過去問題集は協会から直接取り寄せとなります。
■試験の形式と制限時間
色彩福祉検定の試験形式と制限時間は、会場受験か在宅受験かによって異なります。
会場受験の場合は、マークシート形式の筆記試験で、制限時間は90分です。
在宅受験の場合は、記述式の筆記試験とカラーカード貼り付け実施試験が行われます。
在宅受験は制限時間は設けられていませんが、指定期日までに解答用紙を投函して提出しなくてはいけません。
在宅受験で指定期日を過ぎて投函した場合は、不合格となります。
■合格基準
色彩福祉検定の合格基準は、会場受験か在宅受験かによって異なります。
会場受験の場合は、70%以上の正解で合格です。
在宅受験の場合は、90%以上の正解で合格となります。
■合格率と難易度
色彩福祉検定の合格率は公表されていません。
現在、個人で試験に挑戦する場合は在宅受験となるため、90%以上の正解で合格です。
そのため、難易度が高く、試験に向けてそれなりに対策を実施する必要があります。
一発合格を目指す場合は、公式テキストや過去問題をこなして、きちんと知識を身につけてから試験に挑戦するとよいでしょう。
色彩福祉検定は、介護職に従事する方も取得するメリットがあります。
介護職に従事する方が色彩福祉検定を取得するメリットは、以下のとおりです。
・色で利用者さんを幸せにできる
・介護の質の向上につながる
色彩福祉検定では、色彩に関しての知識が身につくだけではなく、色彩の知識を福祉の現場でどのように活かすかも学べます。
そのため、介護職が色彩福祉検定に合格し、色彩アドバイザーや色彩福祉士になると、色彩が人に与える影響を最大限に活かした介護ができるようになります。
利用者さんの心が落ち着く施設づくりや食欲が増進する食事の提供など、介護の現場でも幅広く色彩の知識は役立つでしょう。
他にも、色彩を活用して利用者さんが言葉にしにくい悩みや不安をくみ取り、癒やすこともできます。
色彩福祉検定は、色の持つ力で利用者さんを幸せにできるため、介護の質の向上にもつながる資格です。
利用者さんに寄り添い、介護職としてスキルアップしたい方は、色彩福祉検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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