公開日:2021/11/12 最終更新日:2023/4/25
認知症介護にはさまざまな資格が存在しますが、そのなかでも特に介護サービス事業管理者にとって欠かせない「認知症対応型サービス事業管理者研修」という資格があります。
この資格は、今後、施設長や管理者を目指す方にとっては避けて通れない資格です。施設長・管理者になる予定がある方や、将来は施設長・管理者になりたいと考えている方は、認知症対応型サービス事業管理者研修について知っておくとよいでしょう。
そこで今回は、認知症対応型サービス事業管理者研修の概要や研修内容についてご紹介します!
認知症対応型サービス事業管理者研修は、認知症の人が自立した生活を送れるように支援するための方法や、事業所の適切な運営方法について学ぶことができる研修です。
認知症介護対応型共同生活介護(グループホーム)、認知症介護対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護の管理者に義務付けられた研修で、管理・運営・マネジメントするための技術などを習得します。
各都道府県が実施している研修であり、研修を受けることで修了証が交付されます。
認知症対応型サービス事業管理者研修の過程で、事業の管理者としての認知症高齢者に対する基本的な理解やケアの方法などに関する知識を学ぶことができます。事業所の運営・管理に必要な知識も学ぶことができるため、管理者にとって必須の資格となっています。
この研修で得た知識を基盤にして、現場職員の指導や施設管理・運営などの業務を行っていくことになります。
研修を通して総合的なマネジメント業務を行うことができるようになるのが、この認知症対応型サービス事業管理者研修の特徴といえます。
認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した方は、主に以下のような高齢者施設で働いています。
◆通所サービス
・指定認知症対応型通所介護
・共用型指定認知症対応型通所介護
◆高齢者入居施設
・指定認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
・指定小規模多機能型居宅介護
・指定看護小規模多機能型居宅介護
認知症対応型サービス事業管理者研修は誰でも受けられる資格ではありません。
受験資格の詳細は各都道府県により異なりますが、主に以下のような受験資格要件が課されています。
・指定認知症対応型通所介護事業所、指定小規模多機能型居宅介護事業所、指定認知症対応型共同生活介護事業所または、看護小規模多機能型居宅介護事業所管理者になることが具体的に予定される方
・認知症介護実践者研修(旧痴呆介護実務者研修基礎課程・専門課程を含む)を修了している方
・認知症の介護経験を3年以上有すること
基本的には管理者として働くことが予定されている方や、すでに管理者である方などが対象となっている研修です。受講が義務付けられている方もいるので、そのような方は所属する事業所を介して確実に申し込みするようにしておきましょう。
認知症対応型サービス事業管理者研修は、各都道府県が実施しています。日程や受講料などは都道府県によって異なるため、詳しい情報は各地域が出している情報を確認しましょう。
■研修日程
各都道府県によって受験日程が異なります。年に複数回研修日を設けている地域もあれば、年に1回だけの場合もあります。
お勤め先・お住いの都道府県の情報をしっかり確認しておきましょう。
■申込方法
お住まいの地域の福祉事務所などへ申し込みをします。各都道府県の指定している方法で申し込みするとよいでしょう。
オンライン研修を開催している都道府県では、ウェブからの応募を受け付けている場合があります。
■受講料
受験料は各都道府県によって異なります。基本的には3000円から8000円程度で設定されていることが多くなっています。
主な支払い方法は銀行振込になります。指定された日時までに支払いを済ませるようにしましょう。
■受講会場
各都道府県に指定された場所で研修を行います。
通常は県庁所在地などの大きな都市のビジネスセンターやホールなど広い会場で実施されます。人口の多い都道府県は、県内のさまざまな主要都市で開催している場合もあります。
認知症対応型サービス事業管理者研修のスケジュールは、各都道府県によって異なります。
お勤め先・お住いの地域の近くで実施されている研修を調べておくようにしましょう。
また、新型コロナウイルスの影響でオンライン研修を実施している地域もあります。例年のスケジュールや研修内容と異なっている場合もあるので、事前に調べたうえで申し込むようにしましょう。
■東京都 2023年度「認知症対応型サービス事業管理者研修」(全6回)
研修日程 | 申込期間 | |
第1回 |
5/23(火)~5/30(火) | 12/15(木)~1/12(木) |
第2回 |
7/20(木)~7/28(金) | 2/13(月)~3/7(火) |
第3回 |
9/5(火)~9/12(火) | 4/13(木)~5/9(火) |
第4回 |
11/7(火)~11/15(水) | 6/7(水)~6/28(水) |
第5回 |
1/11(木)~1/19(金) | 7/28(金)~8/24(木) |
第6回 |
2/28(水)~3/7(木) | 10/2(月)~10/24(火) |
認知症対応型サービス事業管理者研修のカリキュラムは各都道府県によって若干異なりますが、おおまかには以下のようになります。
■研修カリキュラム
1. 地域密着型サービス基準について
2. 地域密着型サービスの取組みについて
3. 介護従事者に対する労務管理について
4. 適切なサービス提供のあり方
東京都の場合、通常のカリキュラムでは「他施設実習」も含まれていますが、本年度は新型コロナウイルスの影響により、代替カリキュラムとして「実践セミナー」が用意されています。
■修了試験
全日程をもれなく履修し、レポートを提出することで修了認定が取れる研修になっています。そのため、認定試験などを受ける必要はありません。
ただし、筆記形式のレポートを提出する課題があります。研修日時の時間内に書き上げるものではなく、後日提出する形式になっています。
■合格率
合格率(修了率)は100%に近くなっています。難易度は高くないため、気負いせずに参加しましょう。必ず全日程出席できる日時の研修に申し込みましょう。
全課程を修了した方には、各都道府県知事名による修了証書が後日交付されます。その修了証が研修を終了した証明になるので保管しておきましょう。
最後に、認知症対応型サービス事業管理者研修の資格を取得するメリットについて紹介します。資格を取得することでさまざまなメリットが得られるようになるため、今後事業管理者を目指す方はぜひ取得してみてください。
1.認知症についての正しい知識やケアのあり方が理解できる
認知症はまだまだ治療が難しい疾患です。最新の知識や専門的な知識を身につけておくことは介護実践に役立ちます。また、コミュニケーションの取りにくい認知症へのケアのあり方について見直す機会となります。
2.施設管理や運営に役立てることができる
施設管理や運営は通常の介護実践とは異なり、特殊な業務の一つであるといえます。しっかり研修を受講し、知識を身につけることで管理者として必要な知識・技術を得ることができます。
3.管理職での転職時に自己PRできる
転職時に認知症対応型サービス事業管理者研修の修了実績があれば、施設管理や運営を安心して任すことのできる人材として重宝されます。
4.介護についての視野が広がる
入居者を第一に考える介護ケアは大前提ですが、要介護者本人の希望だけではなく、さまざまな側面から一人ひとりに必要な介護を考案することができるようになります。
《認知症介護に関する資格・研修》
◆ 認知症ケア専門士
◆ 認知症介助士
◆ 認知症介護基礎研修
◆ 認知症介護実践者研修
◆ 認知症介護実践リーダー研修
《介護業界でのキャリアアップに活かせる資格・研修》
◆ 認定介護福祉士
◆ 介護福祉経営士
◆ 認知症介護指導者養成研修
◆ 認知症対応型サービス事業管理者研修
◆ 認知症対応型サービス事業開設者研修
◆ 小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修
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