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デイサービスで働く看護師の仕事内容・役割は?医療機関との違いも解説!

デイサービスで働く看護師の仕事内容・役割は?医療機関との違いも解説!

病院で看護のスキルを磨いてきた看護師の中には、介護の世界で自分の力を試したいと考える人もいるのではないでしょうか。老人ホームやグループホームなど、看護師のスキルが求められる介護の現場はいろいろありますが、今回は「デイサービス施設における看護師の役割」についてご紹介します。

目次

1 デイサービスとは?
2 デイサービスでの看護師の役割は?
3 デイサービスで働く看護師の主な仕事内容
 3-1 看護師もレクや介護をするの?
 3-2 機能訓練指導員とは?
4 デイサービスで働く看護師の1日のスケジュール例
5 病院・クリニックとデイサービスはどう違う?
 5-1 デイサービスで働くスタッフは?
 5-2 デイサービスの利用者さんはどんな人?
 5-3 業務の行い方の違い
 5-4 夜勤や休日、シフトの違い
6 デイサービスで働く看護師の平均給料
7 デイサービスの看護師求人は多い?少ない?
8 デイサービスで働くメリット・デメリット
9 デイサービスに向いている看護師はどんな人?
10 デイサービスで働く看護師に必要な資格・スキル
11 デイサービスでの仕事に役立つ本をご紹介
12 まとめ

デイサービスとは?

デイサービスとは、要支援1~要介護5の認定を受けた高齢者が可能な限り自宅で自立した生活を送ることができるよう、身体機能の維持・向上を目指すように支援する施設のこと。

介護保険サービス「通所介護」の通称ですが、「デイ」「通所デイ」と呼ばれることもあります。

1日型(朝から夕方まで)、半日型(午前または午後)があり、いずれも自宅から施設間の送迎があります。

受けられる代表的なサービスは、以下のようなものです。

・健康チェック
・入浴
・食事
・機能訓練
・レクリエーション(クイズ、ゲーム、体操、脳トレなど)
・趣味(囲碁、読書、折り紙や絵画といったクラフト系、カラオケなど)
・外出(施設周辺の散歩など)

最近では、マシンの使用や独自のリハビリ理論によって身体機能の向上をはかる「リハビリ特化型」や、「認知症特化型」など、ひとつの分野を前面に出したデイサービスも多くなっています。

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デイサービスでの看護師の役割は?

デイサービスは医師が常駐しない施設ですので、勤務する看護師は医療といった観点から利用者の健康状態を確認し、利用者が健康で快適に過ごせるようにサポートすることが求められます。

利用者の状態をチェックし、入浴や運動を行っても問題ないか判断するのも大切な仕事のひとつ。体調不良の利用者が出たときや、けが人が発生したときは、適切な処置を行わなくてはなりません。

医師が常駐しないという施設の特性から、医療行為を行うことができる看護師は重要な存在と言えます。

病院は、何らかの疾患を抱える人が治療目的に通いますが、デイサービスは介護認定を受けているとはいえ、ある程度健康状態が良好な利用者も通所します。そのため、病院で働く看護師とは役割や働き方が変わります。

 

 

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デイサービスで働く看護師の主な仕事内容

デイサービスで働く看護師の主な仕事内容
デイサービスで働く看護師の仕事は、大まかに「利用者の健康チェックや健康管理」「介護士では対応できない医療行為」「介護士のサポート」に分けることができます。具体的な仕事例は下記の通りです。

・利用者の健康・バイタルチェック
・服用している薬の管理
・インシュリン注射
・胃ろう管理
・褥瘡や創部のケア
・軟膏塗りや点眼、爪切り
・口腔ケア
・けがの処置や、体調が悪い人への対応
・食事介助
・食事提供時の誤嚥の対応
・入浴介助
・介護士のサポート
・利用者の看護記録に記入

病院と比べてそれほど多くの医療行為を行う必要はありません。また、病院とは違い、点滴や採血の処置を行うこともないのが特徴です。

実際の介護現場では、利用者の食事・入浴の介助や、介護スタッフのサポートに回ることが多いようです。
事業所によっては、機能訓練指導員として働く場合もあり、その場合は個別支援計画に基づき、利用者の機能訓練を支援していきます。小規模のデイサービス事業所の中には、看護師が送迎車の運転業務や添乗を担う場合もあります。

看護師もレクや介護をするの?

前述したとおり、介護スタッフのサポートもデイサービスで働く看護師の大切な仕事のひとつ。施設では、利用者のために、日々多様なレクリエーションを提供していますが、時によっては看護師も、レクリエーションの進行やサポートに回ることもあります
また、利用者の食事や入浴・排泄の介助といった介護業務も行います。

看護以外の仕事が必然的に多くなるのがデイサービスの看護師の特徴ですが、こうした業務は利用者の健康状態を把握する上で大変役立つという側面もあります。レクリエーション中の利用者の表情や体の動き、食事量や排泄回数の把握、入浴時に身体の状態をチェックすることで、利用者の些細な心身の変化に気づくことができます。

機能訓練指導員とは?

デイサービスや介護施設などで、リハビリテーションや機能訓練を担当する「機能訓練指導員」。高齢者の日常生活の維持を支える仕事です。

「機能訓練指導員」の業務内容や働き方など詳しくはこちら

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デイサービスで働く看護師の1日のスケジュール例

デイサービスで働くとしたら、どのような流れで1日の業務をこなすことになるのでしょうか。事業所によって差はありますが、一般的な1日のスケジュールは下記のようなものです。

9:00 出勤
施設に到着した利用者をお迎えします。

9:30 バイタルチェック
利用者の体温、血圧、脈拍の測定を行い、問題がなければ入浴へ。時には入浴介助も行います。

10:00 入浴後の処置
状況に応じて、塗り薬の塗布や湿布の添付、褥瘡の処置も行います。

10:30 レクリエーション、機能訓練など
レクリエーションをサポートしたり、利用者の機能訓練の支援も行います。

12:00 昼食の食事介助や服薬対応
昼食の配膳、食事の介助を行います。食事の前後に服薬する利用者を対象に、薬の内容や個数を確認します。

13:00 ランチ・休憩

14:00 業務記録作成
体温や血圧、脈拍のほか、食事量や排泄回数など、利用者の日中の健康状態や様子などを記録します。
事業所によっては、午後にもレクリエーションや機能訓練を行う場合もあります。

15:00 おやつ
配膳準備を手伝います。

16:00 利用者のお見送り

17:00 片付けや翌日の準備

18:00 勤務終了

 

 

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病院・クリニックとデイサービスはどう違う?

病院・クリニックとデイサービスはどう違う?
これまで、デイサービスの特徴や、病院とは異なる看護師の役割について説明してきましたが、ここではより深く掘り下げ、働く上での違いについて具体的に解説します。

デイサービスで働くスタッフは?

デイサービスでは、レクリエーション、食事の提供、機能訓練、介護などのサービスを提供するためにさまざまな職種の人が働いています。

介護業務を中心に行うのは、介護福祉士や実務者研修・介護職員初任者研修を修了した者。無資格でも資格取得を目指しながら働く介護スタッフもいます。
医療業務に携わるのは、看護師や准看護師
機能訓練指導員としては、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師など
生活相談員としては、社会福祉主事任用資格、社会福祉士、精神保健福祉士などが関わります。
そして、デイサービス全体の運営・管理を行うのが管理者。運営方針や予算管理、スタッフの採用からシフト管理まで、幅広く関与します。

そのほか送迎車のドライバー、調理スタッフ、事務スタッフなどが働いています。

デイサービスの利用者さんはどんな人?

デイサービスを利用できるのは、要介護認定を受けた要支援1~2、要介護1~5の65歳以上の人です。
2016年発表の厚生労働省の調査結果によると、デイサービスの利用者の平均年齢は82.1歳で、平均介護度は要介護1.66となっています。

この要介護1.66というのは、介護が必要な度合いを示す「要介護度」において比較的軽度な方と言えます。たとえば「歩くときや立ち上がるときに、杖などの支えを必要とする」「トイレ・入浴など身の回りのことに部分的な手助けが必要」といった状態です。

足腰は丈夫で歩行には問題ないものの、認知機能の低下が見られる利用者もいます。

業務の行い方の違い

クリニックや病院では、看護師は医師の指示を受けて患者に適切な処置を行います。

しかし、デイサービスには医師が常駐していないため、医療的ケアが求められる場合や緊急時は看護師が判断し、介護スタッフに指示を出さなくてはなりません。自発的な行動や判断力が求められるのが、デイサービスで働く看護師の特徴です。

夜勤や休日、シフトの違い

夜勤や土日祝日の出勤も求められる病院やクリニック。デイサービスの場合、「年中無休」「夜間対応型」としている事業所もありますが、ほとんどは「土日祝日は休み」「夜勤なし」です。ほぼ残業なしで、カレンダー通りの休暇を取得することが可能です。

 

 

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デイサービスで働く看護師の平均給料

デイサービスは日勤業務がほとんど。日勤のみのため、夜勤がある病院勤務と比べると、給料は低くなる傾向です。常勤で、月収20~32万円、ボーナス30~95万円、年収は340万円~400万円が平均的な相場です。厚生労働省の調査では、看護師全体の平均年収は492万円なので、決して給与水準が高いとは言えないでしょう。

デイサービスの看護師は、正社員のほかパートで働く人も多く見られます。その場合の時給の相場は、平均1,300円~1,700円。一般的なパート・アルバイトの平均時給よりも高いものの、病院勤務の看護師の平均時給と比べると低めです。

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デイサービスの看護師求人は多い?少ない?

デイサービスの看護師求人は多い?少ない?
デイサービスの看護師として働いてみたいと思った時、気になるのは求人数です。病院勤務の看護師は、深刻な人材不足と言われていますが、デイサービスではどうなのでしょうか。

厚生労働省が2024年に発表した調査によると、2022年のデイサービスの施設数は24,569事業所(「令和4年介護サービス施設・事業所調査の概況」より)。デイサービス事業所における看護職員の人員基準は利用定員によって変化し、利用定員が10名以上の事業所の場合、人員基準は1名以上。10名以下の場合は、看護職員のみの人員基準は設けられておらず、看護職員・介護職員1名以上の配置が定められています。

実際に現在、デイサービスで看護師の募集をどのくらい行っているのか調べました。介護求人ナビ「デイサービス・看護師の求人」で検索した結果、全国で約400件以上の求人がありました。介護施設別に求人数を比較すると、老人保健施設(約150件)、特別養護老人ホーム(約208件)よりも求人数は多めですが、有料老人ホーム(約1,100件)より少なくなります。

また、就業形態で絞り込むと、正社員では約140件、パート・アルバイトでは約260件の求人があり、パート・アルバイトという形での募集が多くなっています。「老人保健施設」「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」では逆に正社員という就業形態が多く望まれる傾向にあるため、看護師としてパートで介護業界で働きたい場合、デイサービスは適している職場と言えるでしょう。

 

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デイサービスで働くメリット・デメリット

どのような仕事に就くのであれ、一長一短はあるものです。ここではデイサービスで働く看護師のメリットとデメリットを3つずつ挙げていきます。

デイサービスで働くメリット

(1)勤務形態が規則的
多くの事業所が日勤のみで夜勤はないため、勤務時間も規則的です。残業が発生することもほとんどなく、定時で退勤できます。

(2)土日祝日が休める
デイサービスは基本的に平日のみの営業。病棟や老人ホームなどの介護施設では、土日祝の出勤が必要になることもありますが、デイサービスの場合はカレンダー通りに休暇を取ることが可能です。

(3)精神面の負担が少ない
重病の人と接することや、生死にかかわる場面に遭遇することもほとんどなく、精神面の負担が小さいのも特長のひとつ。スケジュールもほぼ固定しているので業務の見通しもしやすく、ゆったりとした気持ちで仕事に向き合えます。

デイサービスで働くデメリット

(1)給与が低め
勤務が日勤のみですので、病院で働く看護師よりも給与が低くなる傾向にあります。

(2)看護師としてのスキルアップが難しい
病院勤務と比べると、医療行為を行うことが非常に少なくなっているため、看護の知識や技術を学ぶ職場としては、あまり適しているとは言えません。看護師としてのスキルアップを目指すのであれば、病院やクリニックで働く方がよいでしょう。

(3)看護師としての仕事が少ない
デイサービスでは介護やレクリエーションのサポートなども仕事内容に含まれ、看護師本来の仕事に専念できる環境とは言い難くなっています。看護師としてのやりがいを求める人や、レクリエーション・送迎車の運転など看護以外の仕事に抵抗がある人は、満足できる環境ではないかもしれません。

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デイサービスに向いている看護師はどんな人?

デイサービスでの仕事に向いている看護師は?
・コミュニケーションを取ることが苦にならない人
・体を動かすことが苦にならない人
・規則的な生活をしながら働きたい人
・ブランクがある人

同じ看護師という職種でも、病院やクリニックとは仕事内容が大きく変わるデイサービス。向いている人とはどのような人なのでしょうか。

・コミュニケーションを取ることや、体を動かすことが苦にならない人
病院での業務と比べると、利用者とコミュニケーションをとることが多くなります。また、体操・散歩など、体を動かすレクリエーションのサポートを行ったり、入浴介助など体力を使う業務も多いため、体を動かすことが苦にならない人は向いていると言えるでしょう。

・規則的な生活をしながら働きたい人
平日日勤のみで、ほぼ残業なしという働き方ができます。規則的な生活ができるため、家事・育児と両立しながら働きたいという人にも向いています。

・ブランクがある人
病院よりも医療行為が少ないデイサービス。看護師資格は所有しているけれど、ブランクがあるという人も復帰しやすい職場と言えます。

 

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デイサービスで働く看護師に必要な資格・スキル

デイサービスで働くにあたり、看護師の資格以外に必要な資格やスキルはあるのでしょうか。

看護師は、介護職として働く上で基本となる「介護職員初任者研修」を修了した者としてみなされます。そのため、介護施設であるデイサービスで働く場合も、とくに介護に関する資格を取得する必要はありません

プラスの資格として、レクリエーションを企画・実践するレクリエーション・インストラクターや、口腔ケアを通して要介護者のQOLの向上を支援する介護口腔ケア推進士などがあります。これらの資格を所有していれば、デイサービスで働く上で大きく役に立つことでしょう。

また看護師は、5年以上かつ900日以上の実務経験があれば、介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験を受験できるため、看護師の資格を有するケアマネとして活躍するという道も拓けます。

「ケアマネジャー」の仕事内容やキャリアチェンジのメリットは?

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デイサービスでの仕事に役立つ本をご紹介

デイサービスでは、利用者とのコミュニケーションのほか、高齢者特有の疾患や薬についての知識も必要となります。デイサービスの現場で役立つ書籍をご紹介します。

「認知症の人のイライラが消える接し方」
認知機能が衰えた高齢者も利用するデイサービス。
同書では、介護施設で働く者が、認知症の人と関わっていく上で心得ておきたい対処法について紹介しています。
認知症の高齢者の心理や、問題解決に導く具体的なアプローチ方法も豊富にまとめられています。

「介護現場で使える 急変時対応便利帖」
医師が常駐しないデイサービスでは、看護師が利用者の緊急時に対応します。同書は、利用者の緊急時にどう対応するかをまとめたハンドブック。
迅速に正しい判断を下すためにはどうしたらいいのか、「急変時対応の基本技術」「症状別・即救急車を呼ぶべき症状」「まず現場で対応・急変時対応」の3つのパートに分けて紹介しています。

「対人援助の現場で使える 聴く・伝える・共感する技術 便利帖」
看護師がデイサービスで働く上で、大切になるのがコミュニケーション力です。同書では心理学をベースに、コミュニケーション技術をわかりやすく解説。
イラスト、箇条書きなどを用いて重要なことが整理されているため、わかりやすくなっています。

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まとめ

デイサービスで働く看護師は、医療業務だけでなく、介護やレクリエーションのサポートなども通して、利用者の健康維持に関わります。

医療業務は一般的な看護師と比べると少なめですが、医師が常駐していないことから、緊急時には的確で迅速な問われるやりがいある仕事です。

土日祝日に休みが取得でき、残業も少ないので、ワークライフバランスを重視して働きたい人に適した職場と言えるでしょう。

 

 

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