手堅いOLだったRさん。「自分の好きなこと、やりたいこと」に向かって歩んで行ったら、いつのまにか小規模多機能型居宅介護の管理者に転身をとげていました。自分なりの「介護のありかた」が確立しているからこそ、信念を持って転職してきました。ひとことひとことに、思いが詰まっているRさんの転職体験談を、4回に分けてお伝えします。
*R・Mさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
R・Mさん(35歳)のプロフィール・転職経験
●介護業界歴…14 年
●介護の仕事に就く前…書籍物流会社OL、アパレルの販売員
●転職回数…4回
●いままでの勤務先…老人保健施設、小規模多機能型居宅介護
●保有資格…介護福祉士、介護支援専門員
安定した職場より、自分らしさを大事に
高校を卒業したら、働こうと決めていました。勉強は嫌いですし、嫌いな勉強をし続けるために大学に行くのは意味がないと思ったんです。親は、大学に行ってほしいと思っていたようでしたが、私は言い出したら聞かない性格で(笑)。だから、両親もあまり反対はしませんでした。
初めての職場は、高校がすすめてくれた書籍の物流会社。上場企業で、安定していて、お給料や福利厚生などの条件も整っていました。主に発注伝票の作成などを担う事務職でした。毎日、決まった時間に、気疲れせずに働きましたが、「これが本当にやりたかったことなのか?」と自問すると、NOという答えがすぐに出てきてしまって。2年務めたところで、辞表を出しました。
当時、私が興味を持っていたのは、インテリア、洋服、音楽。バンドも組んでいたし、バンドマンの知り合いも多くて。そこで、アパレルの販売員をしながら、空いている時間はライブハウスに通う日々が始まりました。好きなことを中心にした生活は、楽しくてたまらなかったですね。アパレルのほうも、自分なりに頑張っていたので、お店の人は認めてくださり、「社員にならないか」と声をかけていただいたのですが。自分の中では、アパレルの販売員が天職とは思えなくて。もったいない、と人に言われましたが、お断りしてしまいました。
学歴がないなら手に職をつけなければ
その頃、22歳になっていました。大学を卒業した友人たちは、それぞれが勉強したことをベースにして、就職を決めていきます。では、私はどうする? 急に、将来のことが心配になりました。高卒で学歴はないし、このままの働き方では、いつか困るのではないかと思い始めました。何か、資格を得て働くほうがいい。だんだん考え方が変わってきました。
では、ヘルパー2級(現在の介護職員初任者研修に相当)を取ろう、そう決めました。母が訪問介護の事業所で仕事をしていて、ヘルパー2級を取得していたので、私にとっても身近な資格でした。じゃあ、私も取ろう、と軽い気持ちで受講することにしたのです。
資格取得のためには、講義を受け、実習もするのですが、自分にはすごく介護の仕事は合っているな、と思えました。小さい頃からお年寄りは好きなほうでした。だから、老人保健施設(老健)で20日間、実習したときには、ただおじいさんおばあさんと接していればいいのか、こんなラクな仕事ってあるのかと思いました。高齢者のケアとして教えていただくことも、体に染み渡るように理解できました。入浴や排せつの介助の実習も、ぜんぜん苦じゃなかった。だって、暮らしていくために、必要なことをお手伝いするだけでしょう? ちょっと手を貸せばスムーズにできるのだったら、手を貸せばいい。
また、担当講師が実習場所の老健の看護師さんで、すばらしかったんです。利用者さん本人を中心とした介護とは何か、しっかり教えていただきました。実習先であり、この講師の先生が勤務していた老健から「資格終了後には、うちに来ないか?」と言われていたので、迷わずその老健に就職しました。
次回は、老健を中心に、入職した法人で12年間働いてきたRさんの軌跡をたどります。
*R・Mさんの「私が転職した理由」…1回目、
2回目、
3回目、
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