老人ホームの夜勤専門は、体力的に続けられず断念したHさん。しかし、生まれてきたお子さんの子育てを担うため、次に、夜間の訪問介護事業所勤務を選択しました。この職場では、介護の仕事の魅力を十分に味わっています。ケアマネジャーの資格を取得した今、介護の世界で生きていく決心もさらに固まり、将来への夢も広がります。
*H・Tさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
H・Tさん(40歳)の転職経験
工業高校を卒業後、上京してメンテナンス会社に就職
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1年で退職。地元のスポーツ用品店で3年間勤務
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東京に再び上京。宅配ドライバーとして8年勤務
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ホームヘルパー2級を取得。介護職に踏み切れず3年間パチプロ生活
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東京近郊のグループホームに就職。4年間勤務
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結婚・転居のため都内の高級有料ホームに転職。2年間勤務
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派遣会社に登録し、有料ホームの夜勤専門勤務をするが、3ヶ月で退職
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契約社員として、夜間の訪問介護職員に。ケアマネジャー資格を取得
夜間の訪問介護の仕事は体力的にもだいぶ楽に
有料老人ホームの夜間勤務は、労働時間が長いのと、やることが多いこととで、体力的に持ちませんでした。とはいえ、子どもはまだ2歳半。保育園や幼稚園に入るまでは、昼間の子育て担当をしなければなりません。保育園の空きがないのです。空き待ちをしているのですが……。
考えた末、契約社員として、訪問介護事業所の夜間勤務をすることになりました。22時から翌朝5時までの7時間勤務で1万5000円。有料老人ホームの夜間勤務は派遣の立場で1勤務3万3000円だったことを考えれば半分以下ですが、労働時間も半分なので、格段に楽です。
それに、以前の職場は、14時間ぶっ続けで勤務すると、翌日は休まないと体が持ちませんでしたが、7時間勤務なら、翌日も働けるので、結局は、収入もあまり変わりありません。契約社員で、健康保険も年金も雇用保険もある。その点でも安心です。そして、月20日の勤務で毎日のリズムができる分、体調管理もしやすいのです。
1勤務でだいたい7~8軒の利用者さん宅を車で回ります。22時から24時ぐらいは就寝介助が多く、オムツを替えて身支度を整えて、少しお話ししてリラックスしてもらい、布団に入るのを促します。日付が変わると、夜中のトイレや、目覚めてしまって何かしてほしいことを見つけた利用者さんのコールに答えるなど、毎日少しずつやることが違うので、飽きたり慣れすぎたりすることがなく、適度に刺激的です。
1軒30分いれば長いほうで、次のお宅に伺うまでの間も余裕があります。私の場合、体力的にも、有料老人ホームより楽に感じています。また、実働時間ではなくて「1勤務1万5000円」という報酬なので、ひと月の収入が安定しているのもいい点です。
ゆくゆくは訪問介護事業所の経営を
「訪問介護では、はじめてのお宅に伺うことが多くて緊張する」とよく言いますが、私はずうずうしいのか、楽しみながらケアをさせていただいています。たまには威勢のいい男性利用者さんや、厳しい目で私たちを見るご家族もいますが、「こういう方なんだな」と受け入れてしまえば、そう苦になりません。
つくづく、自分は楽天的で、高齢者とお話しすることが好きなんだなぁと思います。また、介護業界は、介護福祉士、ケアマネジャーと、経験を積んで資格試験を受けながらキャリアアップできる点もいいですね。私もついこの間、ケアマネジャーの試験に合格しました。
たまたま出会った介護の仕事、今、自分の天職と思えています。
訪問介護の仕事もとても自分に合っています。さらに勉強と経験を重ねたら、ゆくゆくは訪問介護事業所の経営をしたいですね。
高齢化とともに、これからは在宅を支える仕事が多くなることも予想されますし、ますます訪問介護の必要性が高まると思うのです。
40代に突入し、子どももできて、ひとりの大人としての責任感も増して来ています。子どもを育て上げるためにも、親として確かな仕事、子どもに尊敬される仕事をしていきたいと思います。
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