毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「仕事はどうやって探す?転職・就職の流れとは」という話題を紹介します。
転職の第一歩は「仕事探し」!
人間が生きていくためにはお金が必要。
お金を手に入れるために働かなくてはいけないのは言うまでもないが、「仕事を探したいけれども、どこからどう手を付けて良いのか分からない」という人もいるだろう。
介護業界ひとつを取っても、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、訪問介護事業所、デイサービスなど、様々なサービス形態があり、正社員、パート、夜勤のある・なしといった具合に、働き方にも色々なパターンがある。
まずは希望条件ややりたいことを何でも書き出そう!
それではどうやって仕事を探せば良いのだろうか?
複数の職業を経て、現在は介護付き有料老人ホームで働き、現場の介護職として活躍する一方、人材採用も担当するフカダさんはいう。
「やりたいことが決まっているのであれば、悩む必要はありませんが、自分がどんな仕事をしたいのか分からないのであれば、給与、勤務地、勤務時間など
職場に求める条件や
やりたいことなどを一度書き出してみて、それに
優先順位を付けてみることをお勧めします。
そうすることで、自ずと自分が仕事に求めていることが見えてきますし、やりたいことが見つかれば、それに向かって進むだけですから」
確かにこのように自分の考えを書き出すことで、仕事に求めているのがやりがいなのか、給与なのか、プライベートの充実が大切なのか、方向性は見えてくるだろう。
電話での問い合わせも積極的に!
仕事でやりたいことが見えてきたら、次はどうすれば良いのだろうか?
「求人サイトや求人広告を見て、履歴書を準備しましょう。
分からないことがあれば、どんどん電話で尋ねてもまったく問題はありませんが、深夜や早朝など、非常識な時間に問い合わせるのはNGです。
介護施設の場合、食事時は非常に忙しい時間帯なので、朝7時台、お昼の12時台、夕方18時台あたりはできれば避けて頂けるとありがたいです。
あと、こちらが電話に出ないからといって、20コールも30コールも呼び出すのは勘弁して欲しいです(苦笑)。電話に出たくても出られない時もありますから」
介護施設での面接で聞かれる質問とは?
履歴書はキレイな字で書くのはもちろんのこと、書き損じてしまったら面倒でも書き直すのがルール。
それをクリアすれば次は面接だが、介護施設での面接では一体どんなことを聞かれるのか?
フカダさんが施設で使っている“採用マニュアル”を明かしてくれた。
「本当は時間をかけて面接するのが一番ですが、我々にも時間的制約があり、聞けることはどうしても限られてしまいます。
ウチの会社がマニュアルで定めている『面接で絶対に聞くこと』は、
『介護業界を選んだ理由』『介護業界の中でもウチの会社を選んだ理由』『自分の長所と短所』『これまでの仕事の経験』『こちらに質問はありますか?』という5点で、恐らくどんな業界、どんな業種でもほとんど変わらないでしょう」
4番目までの質問は応募者も想定内のようだが、5番目のいわゆる“逆質問”は意外と難問のようで、言葉に詰まった挙げ句、「……何もないです」という人、「施設の名前の由来は?」「職員数は何人ですか?」など、ホームページやパンフレットを見れば分かることを聞く人、はたまた「スタッフの仲は良いんですか?」「ボーナスはいくらですか?」など、何とも答えにくいことを聞く人まで、「答えが毎回楽しみ」(フカダさん)なのだそう。
ただし、中には「最近読んで感銘を受けた本は?」という骨太な質問もあり、読書をする習慣のないフカダさんは、「すいません、最近本を読む時間がなくて……」と、力なく返答したそうだ。
転職活動・就職活動の面接は、会社と応募者がお互いを知るための会話。
自分の希望する会社や仕事への転職・就職を叶えるために、フカダさんのマニュアルもぜひ参考にしてみてほしい。