毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、「『シングルマザー』の能力は面接で有利?」という話題について紹介します。
転職活動・就職活動で自己アピールできていますか?
転職や就職をする際、必ずやらなくてはいけないのが「自己アピール」だ。
自分の良いところをアピールするのは恥ずかしいと思う人もいるだろうが、面接官に「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえなければ、採用されないのは当たり前のこと。
自分の良い点を探し、それを相手にきちんと伝えられることが、採用につながると思ったほうが良い。
シングルマザーに転職活動は難しい?
ただ、「自分に良い点なんてあるのかしら?」と悩むのは仕方のないこと。
都内で訪問ヘルパーとして働くアマノさんは、自らの「シングルマザー」という立場をアピールポイントにしたという。
アマノさんは20代前半に結婚して1児をもうけたけれど、ほどなく離婚。パートで生計を立ててきたものの、経済的に厳しく、正社員になれる仕事をずっと探していた。
しかし、自分がシングルマザーであることから、勝手に「正社員なんて無理」と思っていたという。
アマノさんが感じた、シングルマザーの正社員採用への壁
「以前、友人に『正社員になりたい』と話した時、『シングルマザーは子どもの世話ですぐ休むから、なかなか採用してもらえないよ』と言われてしまい、そのことが強く心に残っていたんです。
確かに私自身、子どもが熱を出してパートを休んだことが何度もあり、『シングルマザーで正社員になるのはやっぱり無理かな』と思い込んでいました」
シングルマザーは、残業や休日出勤に制限があり、子どもの都合で急な遅刻、欠勤、早退などの事態が生じることも考えられる。
すぐに再婚して辞めてしまう可能性があるのも、採用側としては気になるところだ。
その点ではアマノさんの憶測は、まるで見当違いというわけではないのかもしれない。
「シングルマザー」はアピールポイントがたくさん!
しかし、ある時、同じくシングルマザーの友人に転職についての悩みを話すと、強い口調で説教されたそうだ。
「私が『やっぱりシングルマザーだから……』と話すと、友人に『私たちは、本来なら2人でやることを1人でしっかりやっているんだから、そのことをアピールしなさい!』と言われました。
確かにシングルマザーは、育児、家事、仕事をすべて1人でこなしているので、時間を上手に使う能力は長けていますし、経済的に頼れるのは自分だけなので、仕事も疎かにしません。
子どもの手当など、色々な手続きも自分でやっているので、事務処理能力もありますし、家計を一手に握っているので、経済観念も発達しています。
そして何より、『子どものためなら何でもやる』という強い自覚があります」
シングルマザーならではのアピールで正社員に採用!
現在、訪問ヘルパーとして働いている会社の面接では、自己PRポイントとして「仕事は絶対に疎かにしないこと」「事務処理能力」「経済観念」を述べた上で、
「短い時間で料理をしたり、子どもをお風呂に入れたりするのに慣れているので、同じようにテキパキと仕事をこなすことができます」
と答えたアマノさん。
アピールの甲斐があって、見事に正社員の訪問ヘルパーとして採用されたそう。
アマノさんの場合は、適切なアドバイスをしてくれる友人が周りにいたが、自分でも気付いていない強みが誰にでも必ずあるはず。
自分では「当たり前」だと思っていることでも、いま一度立ち止まって考えてみると、良い結果を導けそうだ。