毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は、利用者はもちろんスタッフにとっても悲劇となる
「利用者に気に入られないスタッフ」について紹介します。
介護という仕事は、比喩的な意味ではなく、人と人とがふれ合う仕事。
それゆえ、どうしても「利用者に気に入られないスタッフ」が出てきてしまう。
そうした利用者からのクレームを受けて心が折れ、「配置を変えて欲しい」とスタッフ側から悲鳴を上げるケースもあるが、Gさんの施設では、原則としてフルタイムで働くスタッフからの配置転換の要望は受け入れないという。
とはいえそれは少数で、多くのスタッフは「もう1度やらせて下さい」と、プロ意識を見せるのだとか。
しかし利用者から「変えてくれ」「イヤだ」と言われた場合は、その要望に従い、配置転換をせざるを得ない。
いずれのパターンにおいても、トラブルの根源は似通っており、スタッフのミスや怠慢というよりは、コミュニケーション不足のケースが圧倒的だとか。
言われたこと、決まったことしかやらないスタッフに利用者が不満を持つケースが多く、Gさんは「してほしいことを聞き出すのも介護スタッフの大事なスキル」と語る。
利用者がスタッフに少々不満を抱えていても、以前からその利用者とのコミュニケーションを深めているベテランのGさんがフォローすると、「Gさんが連れてきてくれた人だから……」と言ってもらえることがあるそう。しかしこうしたケースはあくまでも例外だそうだ。
スタッフの中には、利用者とコミュニケーションを図るために、
「新聞を取って読むようになった」
「利用者との会話をスムーズに運ばせるために、相撲や時代劇を見るようになった」
という人もいるそうだが、利用者の中には、文句を言わずに不満を抱え込む人も多く、そのあたりまで想定した、一段深いコミュニケーション能力が、介護スタッフには要求されるようである。
公開日:2013/7/8
最終更新日:2020/7/28