厚生労働省は7月10日、社会保障審議会介護保険部会を開催し、「給付と負担」のテーマについて検討を行った。
給付と負担では、利用料の2割負担者の対象拡大や第1号保険料の多段階化・標準乗率の見直しが焦点となっている。
通例では、これらも昨年末の介護保険部会のとりまとめで結論を出すはずだったが、物価高騰などの状況を踏まえ、「今年夏までに結論を得ることとする」と異例の先送りがされた。
さらに、先月閣議決定された「骨太の方針2023」では「介護保険料の上昇を抑えるため、利用者負担の一定以上所得の範囲の取扱いなどについて検討を行い、年末までに結論を得る」と明記された。
頭越しに検討期間を再延長されたことについて、委員からは「遺憾だ」とし、事務局へ説明を求める声もあった。
厚生労働省の日野力介護保険計画課長は、「物価高騰などを踏まえ、昨年末に『今年の夏までに結論を得る』という判断をした。さらに、その後に春闘を含めて各所で賃上げの動向が活発になっており、介護分野でも次期改定でどうするかという議論が当然出てくることになる。そういった状況になると、負担面の結論を先に出すことは難しく、報酬とセットで議論しなければならないという結論になった」と説明した。
＜シルバー産業新聞 2023年8月10日号＞
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