介護業界では介護福祉士やケアマネジャーなどの資格が有名ですが、仕事をスムーズに進めたり、スキルを向上したりするために、たくさんの資格が存在しています。
介護やケアに関する資格以外に、仕事に役立つ資格・研修をご紹介します!
地震など、大規模災害がいつ起きてもおかしくない日本では、不特定多数の人たちが集まる高層の建物や大規模施設の防災管理は非常に重要なことです。
消防法により、そうした場所には「防災管理者」を選任するよう定められています。「防災管理者」は誰でも名乗れるわけではなく、原則として都道府県などが主催する講習を受け、国家資格を取得する必要があります。
防災管理者の資格取得のための講習には、防災管理者だけを取得するための「防災管理新規講習」と、防火管理者の資格も同時に取得できる「防災・防火管理新規講習」の2種類があります。
なお、防災管理者の資格には、スキルの維持のため5年ごとの再講習が義務づけられており、新規講習のほかに再講習も各地で実施されています。
防災管理者と似たような資格に、「防火管理者」という資格があります。
防火管理者が「火災による」被害の防止と軽減を図る責任者なのに対し、防災管理者は「火災以外の災害」による被害を最小限にとどめるための防災管理業務を担う責任者です。「火災以外の災害」とは、主に地震やテロが想定されています。
防災管理者は、講習を通じて過去の災害事例やその教訓、地震などの災害対策、消防計画の立て方、防災管理の進め方などを学びます。
資格を取得したのちは、それぞれの職場で地震や、毒性物質の発散といったテロ災害が起きたときの被害をあらかじめ予測し、消防計画を作成したり避難訓練を実施したりするのが仕事になります。
防災管理者が必要とされる施設は、以下のようなものと定められています。
つまり高層、大規模施設のようなものが対象と言えます。
防災管理者の資格を活かして働ける場所として想定されるのは、ホテルや百貨店、ショッピングセンターのテナントや一般企業など。対象となるビルや施設内に所属する職場であれば、あらゆるところが活躍場所です。
防災管理者に選任されたのをきっかけに、会社の防災管理を見直し、全従業員への防災教育を構築するといった活躍も可能になるかも知れません。
また、防火や防災の専門性をさらに活かしていきたいと考えるのであれば、ビルの防火・防災管理や消防設備の点検、防火・防災に関するコンサルティングを行う会社なども視野に入ってくるでしょう。
防災管理講習は、年齢などの受講資格の要件はなく、基本的に誰でも受講できます。
ただし、自治体や市町村の消防庁が主催の講習では、地域の消防庁管内で防災管理者に選任予定であることが受講要件とされている場合もあります。
また、実際に防災管理者としての資格が認められるには、甲種防火管理者資格が必要になります。主催者によっては、甲種防火管理講習修了した人を対象としていたり、防火管理者資格も同時に取得できる防火・防災管理新規講習の受講を勧めているところもあります。ちなにに東京都の場合は、甲種防火管理講習修了者で、かつ防災管理者として選任予定の方を受講対象と明記しています。
一方、日本防火・防災協会が主催する講習ならば、「選任予定者のみ」といった限定要件はありません。誰でも受講して知識を学ぶことが可能です。
防災管理講習は、①都道府県知事 ②消防本部や消防署がある市町村の消防庁 ③一般社団法人 日本防火・防災協会が開催しています。
その中から今回は、東京消防庁主催の講習と日本防火・防災協会が主催する講習をピックアップしました。
●東京消防庁が主催する講習
■申込方法
東京都内(稲城市は除く)の各消防署、消防分署または消防出張所に申込用紙を提出します。
受付時間は月~金8:30~16:30。
インターネット、電話、FAXの申請は不可。郵送を希望する場合は所轄消防署へ連絡が必要です。
■申込期間
各講習開催月の2カ月前から講習前日の15:00まで。ただし定員に達した時点で締め切りとなります。
■受講料
教材費のみ必要です。
防災管理講習 2,100円
防火・防災管理講習 5,500円
防火・防災再講習 1,400円
■講習会場
消防技術試験講習場、立川都民防災教育センター、本所都民防災教育センター
●日本防火・防災協会が主催する講習
■申込方法
一般社団法人 日本防火・防災協会のホームページで希望講習日や講習の種類、実施する都道府県から希望する受講会場を検索し、インターネットまたはFAXより申請。
■申込期間
インターネットで申込の場合は、申込開始日9:00から終了日の23:59まで。定員になり次第受け付け終了。
FAXの場合は、申込書をダウンロードし、必要事項を記載したのち、申込期間内の平日9:00~16:00に送信。定員に達した時点で締め切られます。
■受講料
テキスト、修了証、その他の諸経費を含む。
防災管理講習 7,000円
防火・防災管理講習 10,000円
防火・防災再講習 7,500円
講習スケジュールは地域や主催ごとに異なるため、受講を希望する自治体などのホームページから確認してください。
一例として、東京消防庁が主催する防災管理者の2021年度講習スケジュールをご紹介します。
●東京都消防庁主催「防災管理新規講習」
開催日 | 申込期間 | 会場 |
---|---|---|
5月7日 | 3月1日~5月6日 | 消防技術試験講習場 |
8月11日 | 6月1日~8月10日 | 消防技術試験講習場 |
11月11日 | 9月1日~11月10日 | 消防技術試験講習場 |
2月14日 | 12月1日~2月10日 | 消防技術試験講習場 |
開催日 | 申込期間 | 会場 |
---|---|---|
6月11日 | 4月1日~6月10日 | 立川民防災教育センター |
9月10日 | 7月1日~9月9日 | 立川民防災教育センター |
12月18日 | 10月1日~12月17日 | 立川民防災教育センター |
3月11日 | 1月3日~3月10日 | 立川民防災教育センター |
開催日 | 申込期間 | 会場 |
---|---|---|
4月10日 | 2月1日~4月9日 | 本所都民防災教育センター |
7月13日 | 5月6日~7月12日 | 本所都民防災教育センター |
10月14日 | 8月2日~10月13日 | 本所都民防災教育センター |
1月18日 | 11月1日~1月17日 | 本所都民防災教育センター |
●東京都消防庁主催「防火・防災管理新規講習」
会場は「防災管理新規講習」と同じ、上記3カ所。
消防技術試験講習場では月に9~14回、立川民防災教育センターで月に4~5回、本所都民防災教育センターで月1~2回、2日間ずつ開催されています。
「防災管理新規講習」は全1日で約4時間半、「防火・防災管理新規講習」は2日間で約12時間の講習です。
講習は座学中心のカリキュラムですが、講習会場によっては消火器操作などの実技訓練を行う場合もあります。
<講習内容>
防災管理新規講習/1日(約4時間半)
・防災管理の意義および制度
・施設・設備の維持管理
・防災管理に係る訓練および教育
・防災管理に係る消防計画 など
防火・防災管理新規講習/2日間(約12時間)
・防火・防災管理の意義および制度
・火気管理、施設・設備の維持管理
・防火・防災管理に係る訓練および教育
・防火・防災管理に係る消防計画 など
防火・防災管理再講習/半日(約3時間)
・防火・防災管理に係る法令改正の最新情報
・火災その他の災害事例の研究
防災管理講習、防火・防災管理講習については、最終科目終了後に「効果測定」が行われ、合格者にはその場で修了証が交付されます。合格率はほぼ100%ですが、万が一、効果測定の結果、理解が不十分と認められた場合でも、補講を受けたのちに修了証の交付となります。
なお、防火・防災管理講習を修了した場合は、甲種防火管理修了証と、防災管理講習修了証の2種類が交付されます。
地震などの大規模災害が起きたとき、もっとも避難に苦労するのは老人ホームをはじめとする社会福祉施設ではないでしょうか。とはいえ、防災の基礎知識がないままでは、いくら災害への備えや避難計画を立てたとしても、いざというとき役に立つかどうか不安です。
そこでぜひ、防災管理講習や防火管理講習といった知識を学ぶ機会を活用しましょう。防火・防災設備の使い方を知っておくことなども、日々の備えとして役立つはずです。
日本防火・防災協会が主催する講習ならば、防災管理者に選任予定がなくても受講できますので、大規模な建物や施設が対象と決めつけずに、必要な知識を学ぶことができます。施設の管理者だけでなく、将来的に独立開業して施設運営をしたいと考えている人にも役立つ知識でしょう。
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