疑問「内定が出たけれど、他社の面接結果が来てから入職するかを決めたい」
待ちに待った内定の知らせが来ました。けれど、実はもう1社の面接も受けていて結果待ちなんです。そちらの職場にも魅力を感じているので、いま内定を受けるべきかどうか迷っています。
勝手だとは思いますが、他社の面接結果が出るまで、返事は待ってもらえるものなのでしょうか。
内定は「保留」することも可能
まずは内定が出たことにホッとされていると思います。本来、内定先の事業所への返事は早いほうがベターです。
ただ、内定の連絡を受けたら必ず入社しなければいけないかというと、実はそうではありません。
迷いがあるまま入社したために、結局その職場で長続きしないのであれば、
あなたにとっても、転職先の事業所にとっても残念なこと。納得のいく転職をするには、安易に妥協する必要はありません。
そのために
「内定を保留」という手段もあることを頭に入れておきましょう。
ただし、
内定承諾の保留というのは、先方に迷惑をかける行為には違いありません。先方への迷惑を最小限にするには、
なるべく早く「保留」の意思を伝えることが肝心です。
「連絡しづらいから」「他社の結果が出ないと決められないから」と何もリアクションしないのはNG!
返答を先延ばしすれば、内定先の事業所としても入職の準備を進めてしまうかもしれません。
早めのリアクションが最低限のマナーと心得ましょう。
そして、できればメールよりも
電話で伝えるほうが良いでしょう。保留は、こちらが一方的に連絡すれば良いというものではなく、
内定先の事業所と相談のうえ了承してもらうものだからです。
保留の連絡をする前に、内定承諾を迷う理由を突き詰めて考えましょう
できるだけ早く連絡をするのがマナーと説明しましたが、連絡する前にいまいちど立ち止まって
「他社の結果を待ってから決めたい」と考える理由を掘り下げてみてからにしてください。
というのも、「内定承諾の保留」という手段にはいくつかのリスクが伴うからです。
ひとつは、内定先の事業所に悪い印象を与えかねないということ。そして、介護業界の場合は人員の補充が急務のケースも多く、事業所に保留する余裕がない場合は内定が取り消される可能性もあるということです。ですから、安易な「内定保留」は避けるべきです。
では、あなたがリスクを考慮しても保留を希望する理由は何でしょうか。
もう1社の方に魅力的な部分を感じているから?
それとも、仕事内容への漠然とした不安?
そこを突き詰めると、自分が転職でもっとも重視したいことを考え直すきっかけにもなります。
納得のいく転職を実現するには大切なことでもあり、保留という猶予期間を有効に活かすことになるでしょう。よく考えての保留のお願いならば、内定先の理解も得られやすいでしょうし、内定先に相談して交渉すれば解決する問題だと気づくこともあるかもしれません。
もっともNGなのは、
保留したい理由を深く考えないまま「とりあえず保留」してしまうことです。それでは結局どの事業所から内定をもらっても迷う結果になりかねません。この機会に、自分にとって転職の決め手は何なのか考え直してみてください。
保留のお願いは、前向きな姿勢のアピールも忘れずに
次は
内定先事業所への伝え方についてです。
ポイントは、
あくまでも「保留」であって「辞退」ではないことをしっかり伝えることです。
「転職を真剣に考えているからこそ、決定を引き延ばしたい」という前向きな気持ちをアピールしましょう。
忘れてはいけないのは、
内定をもらったことへのお礼です。必ず最初に感謝の気持ちを伝えましょう。
そのうえで
「誠に勝手ながら」というお詫びの言葉とともに、
「返答を少しのあいだ待っていただきたい」とお願いします。
さらに
「○月○日まで待っていただくことは可能でしょうか」と自分から返答する期日を設定し、先方の都合とすり合わせて調整しましょう。
一方的に期限を決めるのではなく、基本はお願いの姿勢です。事業所の事情によってさまざまですが、おおむね1週間程度が保留してもらえる限度と考えておくと良いでしょう。それより早く返答するに越したことはありません。
内定保留の理由を聞かれたら?
問題は、保留にする理由を尋ねられたときです。
「他社の結果待ち」という理由は、やや直接的で伝えづらいものです。
ソフトに保留を申し出たいなら、内定をもらった段階で条件面や仕事内容を詳しく確認し、それを踏まえて「慎重に検討させてほしい」とか「あらためて家族と相談のうえ」と伝え、猶予をもらう方法も。この場合も、あくまでも前向きな検討という印象を与えておく必要があります。
もし面接時に、複数の事業所を応募予定であると伝えてあるならば、正直に結果待ちであると伝えましょう。他社との比較で迷っている点や不安に感じる部分があるならば、隠さず話してみてはいかがでしょうか。そうすれば何らかの解決策が示されるかもしれません。
ただ、他社の結果待ちを理由にする場合は、くれぐれも内定先が滑り止めであるかのような印象を与えないよう注意してください。
「承諾」「辞退」の返答は1日も早く!
他社の面接結果が出たら、決めた期日までに内定を承諾するのか、辞退するのか、きちんと返答をしなければいけません。決まった段階ですぐに電話で連絡をしましょう。
内定を承諾するという結論の場合でも、内定を保留した事実があなたに対してマイナスの印象を与えてしまっている可能性もあります。
承諾の連絡をする際は、検討の時間を与えてくれたお礼に加えて、「迷いや不安がどう解消されたか」「これからその事業所でどう頑張っていきたいか」など、入職してからのやる気をアピールするようにしましょう。
転職をまじめに考えた結果でることが伝われば、内定保留のマイナスを反転させることができるかもしれません。
辞退する際は、内定辞退の意思と、迷惑をかけたことへのお詫びを、誠意を持って伝える必要があります。連絡もせずフェードアウトは、もってのほか。辞退を決めたらすぐにでも連絡するのが礼儀です。
内定・退職・入職のノウハウ