◆定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所(パート/ヘルパー) → 居宅介護支援事業所(正職員/ケアマネジャー・管理者)
H・Eさん(女性・38歳)
●定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所(勤務期間:2年/手取り22万円)
●居宅介護支援事業所(勤務期間:3年/手取り19万円/ケアマネ手当あり・管理者手当なし)
介護業界でのその他経験:訪問介護(正職員/ヘルパー/1年半)、特別養護老人ホーム(正職員/介護職/1年半)、急性期病院(契約職員/ケアワーカー/1年)、特別養護老人ホーム(正職員/介護職・ケアマネジャー/6年)、特別養護老人ホーム(正職員/ケアマネジャー/6年)
保有資格:ヘルパー2級(現介護職員初任者研修)、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)
家族構成:一人暮らし
*H・Eさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目、
2回目、
3回目、
4回目(最終回)はこちら
【介護職になったきっかけ】祖父が受けていた介護を見て、使命感を感じた
高校を卒業してから、しばらくフリーターをしていました。社会人になって「これをしよう」とか「こうなりたい」というような夢もなく、ただアルバイト生活で日々を過ごしていました。
しかし、高校卒業後2年半たった頃に祖父がくも膜下出血で倒れ、入院。退院後に、特別養護老人ホーム(特養)へ入居することに。
そこに面会に行くと、介護スタッフの雑な介護が目につき、腹が立ちました。
ちゃんと祖父の目を見ない。食事介助のときには、ぞんざいに口に食べ物を入れる。話しかけるときも、なんだか上から目線な感じで、とても不快でした。
私なら、もっと利用者に寄り添った介護ができる。
そんな使命感から、ヘルパー2級(現介護職員初任者研修)の資格を取り、介護職として働こうと考えたのです。
【はじめての介護職】経験を積むためにまずは訪問ヘルパー、そして特養へ
最初の1年半は、介護の仕事に慣れるためにも、訪問介護のヘルパーをしていました。
このときは1対1のケアだったので、自分の実力が足りないことに反省はしたものの、仕事自体には意欲的に取り組んでいました。
しかし、その後、同じ法人の特養で働くことになると、祖父のいる特養と同じようなケアをせざるを得ない環境に愕然としました。
とにかく人手が足りない。食事介助はひとりで10人受け持ちます。入浴も決められた時間に対して職員の数が少ないので、流れ作業のようになってしまう。
こんなに忙しいんだから、きめ細かいケアができるわけがない、自分たちは利用者さんに対して責任を持った介護なんてできない、という気持ちになってしまうんです。
介護の世界に入るまでは、離職率が高いこと、利用者さんに暴力をふるう介護職がいること、注意不足の事故が起きることなどは、「ありえない!」と思っていました。
けれど、働いてみると、「こんなに忙しかったら事故が起きてもしかたがない」とまで思うようになってしまいました。
【専門知識を学ぶために退職】専門学校で介護福祉士を取得→病院へ就職
介護の知識を学ぶため、仕事を辞めて専門学校への入学を決意
特養は忙しいのだから流れ作業でもしかたがない、そんなふうに考える自分がいやだ、という気持ちが募りました。
もっと勉強をして介護の知識やスキルをつけて、前向きな気持ちで仕事に向かうほうがいい。
その思いが強くなり、両親とも相談し、仕事を辞めて介護福祉士資格を取得するために、2年制の専門学校に通うことにしました。
1年目は母にお金を出してもらい、2年目は自分の貯金で授業料を払い、介護を基礎から学び直しました。
卒業しても、まだまだ学びたい気持ちが強かったのですが、先立つものがありません。
介護の知識だけでなく、医療についても学びたかったので、それなら医療現場で働きながら知識や経験を積んでいこうと思い、ケアワーカーとして病院に就職しました。
病院では医療の知識は学べるけれど、介護職は下に見られる
しかし、ここも自分の想像とは違う世界でした。
どこでもそうだ、というわけではないのでしょうが、私が勤務していた病院は、ドクターを頂点にして、完璧にヒエラルキーができていました。
介護職員は一番下。看護師やドクターに何もかもお伺いを立てないと、自分では動けません。むこうは介護の知識がぜんぜんないのに、です。
医学用語が飛び交う中、「そんな簡単な医学知識もないの?」というような視線を浴びるのも耐えられないことでした。
そんな環境がいやになり、やはり介護業界に戻ろうと思い、特別養護老人ホームで働くことにしました。
【正職員の介護職として転職】処遇のいい特別養護老人ホームへ
余裕を持って働ける環境で、ケアマネジャーの資格も取得
次に働き始めた特養では、時間的にもスタッフの人数にも余裕がありました。給料も今思えば一番よくて、6年間働いていました。正職員だったので、ボーナスもしっかり出ました。
ある意味ぬるま湯でしたが、ぬくぬくと仕事をする楽しさを知ってしまったんですね。
ケアマネジャーの資格を取るための勉強時間も十分取れたため、2年目で資格を取得。
何人かいるケアマネのうちの1人となって、10人ほどの利用者さんのケアプランを作り、現場の仕事と両立しながら心地よく働いていました。
私はケアマネジャーとしてはまだ一人前じゃない
でも、「自分は介護職としてもケアマネジャーとしても一人前ではない」という劣等感のようなものを、いつも抱いていました。
ケアプランは、利用者さんのことをよくモニタリングし思考してからでないと作れない。
けれど、自分には思考力が足りないと思えてなりませんでした。
ケアマネジャーの資格を取得したからには、施設ケアマネとしてだけでなく、居宅介護支援事業所で多くの利用者さんに接したいという思いもあったのです。
でも、当時の自分にはそれができる自信もなく、かといって、特養で介護職をし続けることにも疑問を持っていました。
【新しい介護を求めて転職】夜間の定期巡回・随時対応型訪問介護にチャレンジ
24時間体制の訪問介護に携われる意義
何か新しい一歩を踏み出そう。
そんな思いで、転職を考え始めました。
ちょうどその頃、夜間の定期巡回・随時対応型訪問介護看護が、地域支援事業として始まっていました。
利用者さんを24時間見守る新しいスタイルの介護に携わることに意義を見出し、ようやくぬくぬくとした環境から飛び出す決意をしました。
しかし、実際には体がつらかったですね。
私は夜間の担当で、夜18時から朝9時半までの間に、8件の利用者さん宅を車で2巡するのです。
最初に8件すべてのお宅を回り、2時から4時半までは仮眠。仮眠後に、また同じ利用者さん宅8件を回るのですが、すごく疲れます。
事故にあったら待っている利用者さんのところに行けませんから、交通事故にあわないようにするのも緊張しました。
夜間の訪問介護はとにかく体がつらい
ケア自体は、訪問ヘルパーとほとんど変わらないので、問題ありませんでした。
しかし、問題は体調管理です。体がつらすぎて2度ほど寝坊をし、ものすごく怒られたこともありました。
パートの非常勤だったので、時給1500円に夜間手当がついて、1日の給料は2万円ちょっと。それを週3日やって額面で30万円いかないくらいでした。
保険や年金はしっかりとつけてくれましたが、それらを引かれれば手取りでおよそ22万円です。
【ステップアップのための転職】ついに居宅介護支援事業所のケアマネジャーに
夜間の定期巡回はこんなにもしんどいのにボーナスもない。非常勤だから仕方がないのかもしれないけれど、先の保証もない。本当にこれを続けていけるのだろうか……。
そんなふうに不安に思ってしまい、自分の進むべき道を、もう一度考え直してみました。
せっかく取得したケアマネジャーの資格も生かしたい。
経験も足りないし、情報も知識も足りないからと、自信がなくて踏み出せなかった居宅介護支援事業所に、そろそろ挑戦してみてもいいのではないか。
自信はないけれど、いつまでも逃げているわけにはいかない。
そんな気持ちがムクムクとわいてきて、ケアマネジャーとして、居宅介護支援事業所へ転職しようと決意したのです。
次回は、居宅ケアマネとして働き始めたHさんに、転職後の職場の様子や不満などについて詳しく聞きます。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
*H・Eさんの「転職 成功・失敗 体験談」…1回目、
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