短大を卒業し、OLとして就職、結婚、出産と穏やかな人生を歩んできたO・Uさん。
結婚後は専業主婦として家庭を支えてきましたが、2人の子どもが少し大きくなると、働きたい気持ちが生まれます。そして、小さなきっかけから、介護の道に飛び込むことになりました。
以来、20年。現在Oさんは主任ケアマネジャーの資格を取得し、居宅介護支援事業所のベテランとしてイキイキと働いています。どうやってキャリアを築いたのか、女性なら興味シンシンなその道のりを、4回に分けてお伝えします。
*O・Uさんの「私が転職した理由」…1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
O・Uさん(56歳)のプロフィール・転職体験
●介護業界歴…20年
●介護の仕事に就く前…メーカー事務職、保険会社集金
●介護業界での転職回数…2回
●いままでの勤務先…訪問入浴事業所、介護老人保健施設、訪問介護事業所、デイケア、居宅介護支援事業所
●保有資格…介護福祉士、ケアマネジャー、主任ケアマネジャー
新聞の折り込み求人広告を見て、訪問入浴事業所へ
短大を出たあとは、親のすすめもあって、一般企業で4年ほどOLをしていました。ふつうに学校を出てふつうに就職をし、寿退社をする。その典型でした。
結婚してすぐに子どもが生まれ、2人目も2年後に誕生。専業主婦として、家事や子育てに忙しい日々が続きました。
でも、生活の潤いのためにも、少しは働いてお金を得たいと思って。同居している義父母はまだ元気で世話の必要もないですし、子どもが小さいうちは家からあまり出たくなかったので、最初はいわゆる内職をしました。
髪留めのリボンを作って取り付けるような仕事です。報酬はわずかでしたが、働いている実感はありましたね。
その後、近所の人から、生命保険会社の月々の保険料を集金する仕事を紹介してもらいました。当時はまだ、銀行の引き落としより、集金のほうが主流だったんです。
高齢者の安否確認の意味合いもあり、90歳のお客様を訪ねるときは、毎回「元気でいるかしら」と心配していたのをよく覚えています。
呼び鈴を鳴らしても出てこないこともあって、そんなときには中まで入って、少しお世話をすることもありました。
思えば、その経験が、介護の仕事に飛び込む遠因になっていたのでしょうね。
その後、主人のいとこに訪問介護の仕事をすすめられましたが、なんとなく性に合わない気がして。
私は家事があまり好きではないので、自分の家だけでもうおなか一杯。これ以上家事をするのは……と思って、お断りをしました。
でも「やはり、介護関連の仕事をしてみたい」という気持ちがだんだん強くなったんですね。
上の子が小学校4年生になり、だいぶ手がかからなくなったのを機に、新聞の折り込み求人広告で、パートの訪問入浴補助員を募集しているのを見て、応募しました。
当時、私は36歳で、広告にあった年齢制限を過ぎていましたが、電話をしてみたら、「とにかく面接に来てみてください」と言ってくれて。面接をしたら気に入っていただけたようで、その場で採用してくれました。
利用者の感謝の言葉がやりがいに
当時はまだ介護保険制度が施行される前で、その事業所は行政から委託を受けて、高齢者や障害のある方の訪問入浴をどんどん引き受けていました。
需要は多く、人手さえあれば事業は右肩上がりに伸びていくのです。
私がパートとして入社した後も、次々と人が入ってきて、2台だった入浴車が1年足らずで6台に増えたのには驚きました。
訪問入浴には資格は特に必要なく、看護師などと3人一組で利用者さんのお宅に伺います。
子育てで毎日子どもの入浴をさせてきたのですから、高齢者の入浴介助も抵抗感がなく、すぐに慣れました。入浴されるとみなさん気持ちがいいと喜んでくださり、感謝の言葉をくれて。それも励みになりました。
仕事はたくさんあるので、午前に1件、午後3件と移動しながらこなし、「今日もたくさん働いた!」と仲間と達成感を共有できるのも楽しくて。本当にいい仕事だと思っていました。
仲間は20代から50代まで、年代もいろいろでしたが、人間関係がよく、休みの日も子どもを連れてバーベキューやスキー旅行に出かけたり、居酒屋で乾杯したり。その関係は今でも続いています。
ただ、5年ほど続けると、だんだん疲れが抜けなくなりました。40代になると、無理がききにくくなります。
また、介護保険制度が始まり、いつまでも無資格でいいのか、という不安も生まれてきました。
そこで、訪問入浴のパートをしながら、ヘルパー2級(現介護職員初任者研修に相当)を取得。資格を取ると「この資格で働いていこう」という気持ちが強くなりました。
それに、訪問入浴の仕事は最初こそ週3日の勤務でしたが、だんだん勤務日が増えて、最終的には週5日に。週5日、朝8時半から夕方16時まで働いているなら、正職員のほうがいい、という思いが強くなって。
夫の扶養の範囲からはとっくに外れていましたし、保険や年金を支払いながら、このままパートで働くのもバカバカしいな、と思い始めたのです。
子どもたちも中学生になり、本当に手がかからなくなったこともありました。「介護の仕事で正職員になろう。年金もたくさんもらいたいし、資格を活かして専門性も培い、きちんと働いていこう」と転職することを決意したのです。
転職先は家からそれほど遠くないところにある介護老人保健施設(老健)。ハローワークで募集を見つけ、面接に行き、採用してもらいました。
次回は、老健が期待はずれとなり、訪問介護事業所でサービス提供責任者として働き始めるOさんの心境をお伝えします。
<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>
*O・Uさんの「私が転職した理由」…1回目、
2回目、
3回目、
4回目(最終回)はこちら
●先輩たちの職場選びの失敗事例に学ぼう
→ 「こんなはずじゃなかった…」 転職先選び 私の失敗談
●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●
介護求人ナビの求人数は業界最大級! エリア・職種・事業所の種類など、さまざまな条件で検索できます