介護業界で転職を考えている人にとって、採用側が求める人材がどういった傾向なのか、ぜひ知っておきたいこと。今回は福祉用具・介護機器のリースからスタートし、数々のグループホームや高齢者専用住宅、さらにはレストランまで多岐にわたる介護ビジネスを展開する「株式会社アイシマ」の採用担当、奥田貴生さんにお話しを伺いました。
<取材・文 中条佳子>
*この記事の1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
アイシマ本社があるサービス付高齢者向け住宅「ほうしん」
○●○ インフォメーション ○●○
株式会社アイシマ
グループホーム、小規模多機能施設、高齢者住宅、訪問看護施設、
訪問介護・入浴施設、レストラン
神奈川県横浜市瀬谷区三ツ境73-7
TEL : 045-360-6021(代表)
FAX : 045-360-6051
http://www.aishima.co.jp/
経験を活かそうとして、自分のやり方で仕事を進めないこと
「利用者第一主義」「地域密着主義」「施設主体主義」を理念としている介護サービス会社のアイシマ。高齢者の方が住み慣れた地域で生活できるように、地域密着型の介護サービス事業を展開しています。現在(2013年8月)、18施設あるグループホームは、各施設少人数制で、9人×2ユニットの18人の利用者の方が共同生活をする施設です。小規模施設ならではの仕事内容について、まずは伺ってみました。
「我々のグループホームでは、利用者様ができないことだけを助け、介護の手を差し伸べるという方針です。例えば、洗濯機を使ったり洗濯物をたたんだりできる方には、それは自分でやっていただいて、一方で干す、取り込むができないことがあれば、職員がサポートさせていただきます。利用者様が中心の生活を大切にするというスタンスで、介護をさせていただいているので、利用者様ができる部分までもスタッフがやってあげよう、という考え方の人は、我々の方針とぶつかってしまうことがありますね」(奥田さん)
とくに大きい施設から転職したスタッフは、これもあれもやってあげるというスタンスが刷り込まれ、それまでの経験を活かそうと自分のやり方で仕事を進めてしまうことで、現職スタッフとぶつかるケースが多々あるそうです。転職の際には気をつけておきたい点ですね。
手づくりの食事を通して利用者と信頼関係を築く
アイシマの小規模グループホームならではの大きな特色は、スタッフが毎日の食事を作りしている点です。スタッフがトレイに載っているものを配膳するだけの施設が多数あるなか、こちらの施設では、スタッフが作った一汁一菜の手作り料理を、利用者みんなで一緒に食べるといいます。
「弊社のグループホームの場合は、食事はふつうの家庭と同じように、冷蔵庫にあるもので作るようにしています。料理をするのが負担に感じる方は、介護の経験があっても難しいかもしれませんね。20代前半の介護経験がない男性職員も数人採用していますが、なかには料理経験がない男性もいますけれど、2、3か月すれば一汁三菜の基本の形の食事が作れるようになります」(奥田さん)
グループホームの利用者から料理を学ぶこともあるそうで、野菜を切るのを手伝っていただいたり、おいしくなかったならどうすればうまくできるかを指導してもらったりと、それ自体がスタッフと利用者のコミュニケーションの場にもなっているといいます。また、メニューもあえて決めていないので、その日の利用者からのリクエストで決めることもあるそうです。
「『今日は何を食べたいですか?』」と利用者様に訊くことも、コミュニケーションの一環です。新しく入社した人は、そういった会話の中で信頼関係を築いていけばいいと思っています」(奥田さん)
*この記事の
1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
●○● 介護業界で転職する時の 基本ノウハウ ●○●
介護求人ナビの求人数は業界最大級! エリア・職種・事業所の種類など、さまざまな条件で検索できます