2014年03月13日

『在宅ケアのはぐくむ力』 | 「介護求人ナビ　介護転職お役立ち情報」

■書名：在宅ケアのはぐくむ力
■著者：秋山正子
■発行所：医学書院
■発行日：2012年12月

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「在宅ケア」のパイオニアから、次代の担う“卵たち”へのメッセージ

在宅ケアには「不思議な力」がある——そう力強く語る本書の著者、秋山正子さんは、NHKの番組『プロフェッショナル仕事の流儀』にも取り上げられた日本の訪問看護師のパイオニア的存在。がんで亡くなった姉の看取りをしたことを契機に、秋山さんが訪問看護の道へと踏み入ったのは1990年のこと。以来、在宅ケアは秋山さんのライフワークになった。

看護にしろ、介護にしろ、在宅ケアを担当するプロの立ち位置は、施設でのそれに比べて、よりケアを受ける人の近くにある。退院の手助けをし、暮らしの中で人のケアをする。その中には看取りの場面に立ち会うことも含まれる。看取りに立ち会うことは「その人の人生に関わり、その人の物語の登場人物になるということ」と秋山さんはいう。

＜一人の人間の看取りに、丁寧に関わらせていただくと、訪問看護師も医師もヘルパーもケアマネジャーも皆、一段と成長します。利用者さん、ご家族と共に、その人を見送ったことを振り返り、学び合うことで、在宅ケア実践の評価と言ったことだけではない、人の死に関わることの意義と、その深さを学ぶのです＞

かかわった人をみな成長させるという、そんな不思議な力を秘めた在宅ケアの魅力。その最先端の現場がさまざまな角度から紹介されている本書は、試行錯誤しながらも、「ケアする人、される人」という区別のない、新しい在宅ケアをはぐくもうとしているプロたちからの報告書でもある。

「在宅ケアには人と人をつなぐ力がある」と秋山さん。これは、これからプロを目指す卵たちへの励ましの言葉でもある。

＜佐藤＞

著者プロフィール

秋山正子(あきやま•まさこ)さん。訪問看護師。秋田県生まれ。1973年聖路加看護大学卒業。1992年より訪問看護に携わる。2010年3月NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』に取り上げられる。2011年7月に解説した「暮らしの保健室」は2012年の第6回「新しい医療のかたち」賞を受賞。著書に本書のほか、『在宅ケアの不思議な力』『在宅ケアのつながる力』がある

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