■書名:改訂版 すきま時間で学ぶ 介護スタッフのトラブル予防ハンドブック
■監修:介護サービスの人材育成研究会・トラブル予防部会
■発行元:第一法規
■発行年月:2019年3月
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忙しい介護現場にピッタリ!「すきま時間」で効率的に業務のレベルアップ!
介護の現場は忙しい。
食事や移動の補助、排せつの介助など利用者へのケアはもちろん、介護スタッフ同士の連絡も欠かせない。
その上、利用者の家族への対応も、介護職の大切な業務だ。
そのような介護現場では、ちょっとした行き違いや初期対応のミスが大きなトラブルになってしまうことがある。日々の業務を円滑に、かつトラブルなく進めるためには、どのようなことに注意すれば良いのだろうか?
新人はもちろん、経験を積んだ人でも知りたいと思うのではないだろうか。
そんなときにパパっと手軽に参考にできるのが本書だ。
本書の構成は以下のとおり。
UNIT 1 介護職の心構え
UNIT 2 接遇
UNIT 3 コミュニケーション(スタッフ編)
UNIT 4 コミュニケーション(利用者・家族編)
UNIT 5 高齢者理解
UNIT 6 認知症
UNIT 7 個人情報保護・プライバシー
UNIT 1は、介護スタッフとしての心構えや基礎知識の概論となっており、UNIT 2以降は、具体的なトラブル事例から介護スタッフに求められる知識や対応が解説されている。
各UNITには、だいたい2つの事例が掲載されていて、自分の知りたいテーマをさっと参考できるような作りになっているのも特長的だ。
本書は、新人の介護スタッフの「木下さん」を主人公に、各テーマに沿ったトラブル事例を紹介。
介護現場で起こったトラブルに対して、木下さんの対応には介護スタッフとして何が足りなかったのか、どのような視点が必要だったのかを解説していく形でまとめられている。
事例はどれも具体的で、身近なものばかりだ。
事例をいくつか紹介してみよう。
『木下さんは真面目で何でも一生懸命だが、人と接するのが苦手なため、周りとうまくコミュニケーションがとれない。相談されてもどう返答していいかわからず、自分から質問することもない。』
この事例に対してのアドバイスは次の通り。
①コミュニケーションの基本は挨拶から
②苦手意識を持たない
③完全な負けず嫌いにならない
『利用者の内田さんと散歩に行ったとき、内田さんがバランスを崩して右ひざをついてしまった。すぐに抱き起こしたし、本人が大丈夫というので、そのままにしておいたら、翌日青あざになっていると家族が介護リーダーに訴えてきた。』
この事例の解決策として下記の項目を上げて解説。
①情報の共有
②伝達の重要性
③クレーム対処法
『話好きで施設では利用者の中心的存在だった中澤さんは、友達の鈴木さんが亡くなってからふさぎ込みがちで、自室に引きこもり、食事も1人で食べるようになってしまった。木下さんは何とかしなくてはと思い、中澤さんの部屋を訪ねて食堂に行こうと誘ったが、断られてしまった。』
このような時には、次のように高齢者を理解するための基本が説明されている。
①老化に伴う心の変化を理解する
②喪失体験が与える影響を理解する
全編がイラスト付きとなっているので、伝えたい内容が一目でわかるようになっている。また、本文中の漢字にはすべてふりがながふられているので、外国人の介護スタッフでも読めるようにしてあるのもうれしい心遣いだ。
スタッフルームのテーブルに置いておいて、ちょっとひと休みの時間にパラパラと気になる部分から読むだけで、日々の業務のレベルアップに役立てることができる便利な一冊だ。
監修者プロフィール(引用)
介護サービスの人材育成研究会・トラブル予防部会
代表 増田 雅暢(東京通信大学教授・増田社会保障研究所代表)
浦野 正男(社会福祉法人中心会理事長)
桑原 哲也(社会福祉法人桑の実本部理事長)
田畝 誠司(学校法人仙台北学園理事)
堀田 慎一(一般社団法人国際福祉医療経営者支援協会代表理事)
湯川 智美(社会福祉法人六親会常務理事)